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平成30年 9月定例会議(第9号〜第15号)−09月27日-03号

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  1. 滋賀県議会 2018-09-27
    平成30年 9月定例会議(第9号〜第15号)−09月27日-03号


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    平成30年 9月定例会議(第9号〜第15号)−09月27日-03号平成30年 9月定例会議(第9号〜第15号)                 平成30年9月定例会議会議録(第11号)                                       平成30年9月27日(木曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         平成30年9月27日(木)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第135号および議第136号(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第8号)ほか1件)(知事提出)  第2 議第110号から議第132号までおよび議第134号(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか23件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  第2 日程第2の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和
       7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子    12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       29番   高  木  健  三    30番   生  田  邦  夫       31番   川  島  隆  二    32番   奥  村  芳  正       33番   野  田  藤  雄    34番   西  村  久  子       35番   佐  野  高  典    36番   家  森  茂  樹       37番   吉  田  清  一    38番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長代理    中  原  淳  一               人事委員会委員長代理      桂        賢               公安委員会委員長代理      大  塚  良  彦               代表監査委員代理        平  岡  彰  信               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として中原淳一委員が、また、人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として桂賢委員が、また、公安委員会堀井とよみ委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大塚良彦委員が、また、北川正雄代表監査委員が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として平岡彰信監査委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第135号および議第136号(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第8号)ほか1件)(知事提出) ○議長(川島隆二) 日程第1、議第135号議案および議第136議案を一括議題といたします。  これより、上程議案に対する提出者の説明を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)ただいま提出いたしました議案につきまして御説明申し上げます。  議第135号は一般会計の補正予算でございまして、一般財団法人滋賀県教育会館が占有している土地につきまして、これまで円滑な退去に向けて調停を進めてきたところでございますが、両者の主張が折り合わず、結果として、調停は不成立となったところでございます。  これに伴いまして、教育会館に対する建物収去土地明渡等請求訴訟を提起するため、その経費について計上するものでございます。  議第136号は、議第135号で御説明させていただきました訴訟の提起について、議決を求めようとするものでございます。  以上、何とぞよろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。 ○議長(川島隆二) 以上で、提出者の説明は終わりました。    ──────────────── △議第110号から議第132号までおよび議第134号(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか23件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第2、議第110号から議第132号までおよび議第134号の各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、40番九里学議員の発言を許します。 ◆40番(九里学議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。一般質問、今議会24名、トップバッターです。それでは、よろしくお願い申し上げたいと思います。  子育てを支える保育人材確保と子供の未来をつくる保育施設の増設について、一問一答で、知事ならびに川崎健康医療福祉部長にお願いをします。  少子化対策、男女共同参画社会推進のため、地方議会が行政と一体となって果たすべき大きな役割の一つに、社会全体で地域の育児支援に取り組んでいく、そうした仕組みを構築することがあります。  現政権は、待機児童対策として、もともと昨年度末までに全国の待機児童をゼロにするということを公約をされていました。しかし、いつの間にか2020年度末へと、待機児童ゼロ期限を2年先送りということになってしまいました。  本年4月1日現在、国の定義する待機児童数は県内で439人と、昨年同時期の356人より83人、23%ふえており、一昨年比では17人、5%増と、2年連続で増加をしている傾向にあります。  また、国の待機児童の定義では、特定園を希望しているなどの理由で認可保育所に入所することができず、仕方なく他の施設に入っておられる子供は数えないといった、実質上の待機をしておられるにもかかわらず、これらを待機児童としないものとしているいわゆる隠れ待機児童が、県内においても事実上は枠外に478人おられ、その内訳は、特定保育園等を希望しておられるのが416人、求職休止をされているのが33人、そして育児休業中の方が29人と、合わせてその実数はさきに述べたように917人となります。昨年716人だったのがこの1年間で201人増加をし、16年前の2002年と比べたら、119人だったのが約8倍という深刻な状況にあります。  全国的に見れば、都市部の保育所整備進捗などにより、待機児童は1万9,895人と4年ぶりに2万人を割り込み、昨年同時期と比べても6,186人マイナスとなりました。隠れ待機児童数も6万7,899人と、前年比1,325人減じています。しかし、滋賀県において目を移せば、それぞれ前年比83人、118人と増加の傾向にあります。  市町ごとの待機児童数の昨年度から今年度にかけての推移を見ても、近江八幡市は71人から7人、長浜市は35人から15人と減少しているのに、大津市や甲賀市は昨年度待機児童ゼロ人だったのが、58人、48人と両市では急増をしている状況にあります。  県内で急激に都市化が進んでいる南部地域だけとってみても、草津市がゼロ人と、米原市、竜王町、そして多賀町と同様に待機児童数ベストワンなのに、守山市は84人、私の地元ですが、栗東市は70人と、ワースト1位、2位と近隣市でも大きな開きが生じ、実質県内の10市町で待機児童はふえています。  県内市町によって待機児童格差を生まないためにも、自治体格差をこれ以上拡大させないためにも、県として広域で市町を支援すべきだと私は考えますが、本県待機児童の現状を踏まえた上で、県から市町へどんな支援をすべきか。まず、全体的に知事に所見をお伺いをします。 ○議長(川島隆二) 40番九里学議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  県として、市町の保育所等の施設整備の促進を行うとともに、広域的な取り組みといたしまして、保育人材確保対策に努めてまいりたいと考えております。  保育所等の整備支援につきましては、年平均約800人、直近5年間では合計4,240人の定員増を図ってまいりました。  保育人材確保につきましては、保育士・保育所支援センターにおきまして就業支援に取り組むほか、今年度から新たに待機児童対策協議会を設置いたしまして、市町の区域を超えた広域的な見地から調整が必要な取り組み等について、市町と意見交換、協議を行っているところでございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)一定進捗をいただいているということには感謝を申し上げたいと思います。  では、実態として保育の実態がどういうところにあるか、データから読み取りをしていきたいというふうに思います。  現在子育て中の女性がどの程度働いておられるかということを分析をすると、県内で育児中、いわゆる子育て中の女性は7万6,300人おられ、このうち何らかの仕事についておられるのは本年4月1日現在で4万8,800人。女性の就業率は、2012年、全体の50.1%だったのが昨年は64.0%となり、直近の5年間で13.8%も子育て女性の方が働いておられる、就業率がふえる状況にあります。これは、全国の伸び率の11.9%から比べても2ポイント高い数値であります。  県内保育所等の利用児童数の推移についても見ていきたいと思います。  一昨年度──平成28年度は3万986人、平成29年度は3万2,496人、そして今年度は3万3,108人と、ここ3年間、右肩上がりの状況があり、2,122人も急増しています。こうした数値から見ても、県内の子供や家庭にとっていかに保育所が大切で、必要度が急速に増しているかという状況がわかります。  次に、保育需要に対して保育士が足りているかどうかを、数値から分析をしていきたいと思います。  保育士有効求人倍率は、2014年1月現在で全国平均が1.74倍でした。本県では1.33倍でした。4年後の昨年末12月には、全国平均が3.40倍、本県では2.65倍と、いずれも倍増。特に東京や大阪など大都市部に次いで、ことしの1月、年始には本県では4.99倍と驚くべき数値となってしまいました。  こうしたデータがあらわすように、この国では、子育て中のお母さんが働かざるを得ない状況にあっても、子供を預かってもらえる専門的なマンパワーである保育士が足らないことが浮き彫りとなってきています。保育の現場で急速に慢性的な人手不足が顕著になってきているということは、こうしたデータからも明白であります。これ以上、保育士不足の先送りは許されないというふうに思います。  厚労省が平成27年1月14日に公表した保育士確保プランを示してから、はや3年が経過をしましたが、この間、本県では保育士不足は年々拡大、保育士不足のそうしたものを確保する、そうした切り札は見つかっていないのが現状であります。  内閣府と厚労省、そして文科省を一元化、一体化するような保育そのものの抜本的な改革、そういうことを国が打つことも喫緊の課題だと私は考えています。  そこで、本県として、現在、推計何人の保育士が不足をしているのか。健康医療福祉部長にお聞きをしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。
     保育士の不足者数を推計する定められた方法はございませんが、本年4月1日現在で439人の待機児童が生じておりまして、仮にこの待機児童を受け入れるために必要な配置基準上の保育士数から推計をいたしますと、82人が不足しているということになるわけでございます。そして、この約半数は大津湖南地域で占めているところでございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)待機児童数からの換算ということで、82人ということを今言うていただいたんですが、実質的には、これ、滋賀県の中でも、今おっしゃったように、南部地域、大津地域、いわゆる子育て世代の多いところはそういう傾向、また需要が多いんだということを思います。こうした状況を知事はどういうふうにお考えか、お聞かせください。 ◎知事(三日月大造) 議員も御質問の中で御紹介いただいておりますように、県内の保育士有効求人倍率、こちらにつきましては平成29年度は2.65倍と、ここ数年2倍以上で推移しておりまして、保育人材の確保はまさに喫緊の課題と考えております。  議員御指摘のとおり、安心して子供を預けられる受け皿を整備するには保育人材の確保が重要であり、潜在保育士の再就職支援でありますとか、現任保育士の離職防止の取り組みをより強力に進めてまいりたいと考えております。  加えまして、先ほど申し上げましたとおり、待機児童対策協議会におきまして、市町の参画も得ながら、広域的な保育人材確保対策に努めてまいりたいと考えております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)今、潜在保育士さんあるいは現任保育士さんのお話が出ましたが、プラス新しく保育の職につこうという方も含めて、そうした方々の確保には一定そうした市町との協力体制、仕組みづくりが大事やなというふうに思うところは一緒でございます。  では、保育人材確保のため、県として今後、具体的にどのような取り組みを進めようとされているか。健康医療福祉部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  これまで、平成27年度から保育士等の賃金の5%の処遇改善、平成29年度からは技能、経験に応じたキャリアアップによる処遇改善を、国の制度に基づき実施をしてまいりました。  また、保育士・保育所支援センターによります潜在保育士の就職あっせんや就業継続支援、あるいは修学資金や潜在保育士の再就職準備金の貸し付け等も行ってまいりました。  特に、潜在保育士の掘り起こしと就職あっせんが重要だと考えておりまして、今後さらに市町との連携を強化いたしまして、より実効性のある取り組みを考えてまいりたいと思っております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)国に準じて平成27年から、あるいは29年と、さまざまな形をやっていただいているのは承知をしています。  今言うていただいたまず処遇改善ですね、その辺ももちろんなんですが、労働時間数が、あるいは給与、賃金が、19市町、県内でも異なっている状況下にありまして、自治体同士が、市町同士が公的支援の手厚さを互いに競い合うというようなこともかいま見えてきています。  特に近年、この自治体間の、先ほど答弁にもありました南部地域あるいは大津地域でも、保育士さんの獲得合戦いうか奪い合いというか、そういうようなものが出てきているという状況にありますので、ぜひその辺も含めて、市町と強固な関係、協議いただくことを望むと同時に、この少ないパイの保育士という仕事をどうお互い、公平いう言い方は何ですが、ともに共有していくかということが非常に大事やなというふうに思います。そうした仕組みづくりを、ぜひ制度構築を県のリーダーシップでお願いしたいなというふうに思います。  保育現場の運営に行政が口を挟むということは非常に困難かもわかりませんが、現状は、そうした特に南部地域、大津地域を中心に現場では保育格差が生まれていると、そういうことは絶対許されないというふうに思います。  政府は、保育士の労働条件、先ほどの処遇改善も含めて、これからしていこうということで今検討いただいていますが、もう待ったなしだと、時間的になかなか厳しい状況があるなというふうに私は思います。  滋賀県として独自に保育士の先ほど申し上げました最低賃金や労働時間を高いレベルで統一化し、早朝・延長保育の拘束時間など、いわゆる勤務体系ですね、こういうものを含めた就業規則まで一定平準統一化することで市町間の格差が生まれないようにするため、ぜひ県を主導にしながら、待遇改善を取り組むことを提言をしたいと思います。  現場の声を第一に、行政との乖離や地域間競争を少なくする滋賀の保育、保育の滋賀ここにありということを財源と知恵を絞るべきだと私は考えます。こうした私の提案を知事はどうお受けとめになっておられるか、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 大変重要な御提案だと存じます。先ほど申し上げました今年度設置いたしました待機児童対策協議会におきまして、今お取り上げいただいております保育人材確保対策など課題に応じた部会を設け、議論をすることといたしております。保育需要が増大しております湖南地域など、各地域の実情を踏まえたエリアごとの課題について、該当する近隣市町が互いに参画しながら、ともに解決に取り組む仕組みづくりをこの協議会の場で議論をしてまいりたいと考えております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)知事、ありがとうございます。市町を超えたエリアごとのそうした仕組みづくりに着手をいただけるということは非常にありがたいことだというふうに思います。先般の市長会の大きな要望の一つに、この保育士確保、いわゆる保育の問題の要望がございました。ぜひ、市町、県が一致協力してお願いをしたいなというふうに思います。ありがとうございます。  東京都では、都内で働く保育士をつなぎとめるため、保育士賃金を月4万円加算する補助制度を独自に創設をされています。山梨県に至っては本年4月から、病児・病後児保育を県内27市町の相互間で協力し合えるよう、県下どの施設でも県民が利用をできるようリーダーシップをとられています。こうした都、県を参考に、本県でもぜひ先例的な施策を子育て中の県民に寄り添った形で打ち出していただきたい、打ち出すべきだと思います。  来年10月には、いよいよ国で進めようとされている幼児教育・保育無償化が行われます。残り1年と迫りました。無償化すると子育て家庭の働き方は多様化の一途をたどり、保育所の利用希望者はさらにふえ、保育ニーズがますます高まることは論を待ちません。新たな需要やすき間ビジネスが喚起をされることも懸念をされます。厳しくもやりがいのある生涯働ける職場環境を整備し、重労働低賃金で働く保育士の方々の処遇改善や身分保障、さらには労働条件を改善する制度構築を推進してこそ、子供にとって、量だけではなく、質の高い保育が保障されると私は考えます。  本年4月から、都道府県が市区町村を支援すべく待機児童対策協議会、先ほど答弁で言っていただきました、それを設置することが国の法律で定められました。しかし現状は、本県は先んじてありがたいんですが、本県を含めた秋田、北から言いますと、秋田、福島、埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、そして岡山の9都府県のみが運営されているということにすぎません。全国に先駆けて滋賀県がこうした協議会を設置いただけたことに対しては、非常に敬意を表したいと思います。  そこで、これが絵に描いた餅にならないように、この協議会の取り組みの進捗状況がどういったものか、健康医療福祉部長にお伺いをしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ただいま御指摘いただきましたとおり、本年4月から、子ども・子育て支援法によりまして待機児童対策協議会を設置できることとなりましたことから、本県では8月21日に待機児童対策協議会を立ち上げたところでございます。  この第1回目の協議会におきまして、保育人材の確保、保育の受け皿確保、広域利用の推進、監査指導の効率化、この4つの協議テーマの中から、市町が最も取り組みたいと意見が多かった保育人材確保につきまして、今後、重点的に議論を進めることといたしました。  今後、今年度中に2回の協議会を開催いたしまして、保育人材確保の方策等につきまして、市町とともにさらに議論を深めていく予定でございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)今年度から5カ月で一定2回の会議をやっていただいたということがわかりました。今後、ぜひこれをスピード感を持って進捗いただきたいなということをお願いしたいと思います。ありがとうございます。  プラス、先ほど知事もおっしゃいましたが、市町のいわゆる基礎自治体の現場に近いところの声もぜひ一緒になって、県だけがやってもだめ、もともと市町ですので、ぜひ一体になってお願いをしたいなと思います。  ここからは、保育人材確保に係る具体的な取り組みについてお聞きをしたいと思います。  まず、先ほど知事答弁にはなかった新規資格取得者の部分を聞かせていただきたいと思います。新規資格の取得者確保のための具体的な対策について、健康医療福祉部長、お伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  新規資格取得者確保につきましては、保育士養成所に通う学生に対する修学資金の貸し付け、また、県内保育所での就労を促す就職フェアの開催、保育士養成校との情報交換など、県内保育所等での就労が促進されるよう取り組んでいるところでございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)修学支援なり、そういったイベントというかフェアですね、そういうことの参画はよくわかるんですが、やっぱり低年齢のうちから、中学生や高校生の間から、そういう多感な時期から保育士体験をすることも一考をいただけないかなというふうに思います。そうした職場体験を通じて、課外授業などへ取り入れて、保育士はこういう仕事やねんでと、また魅力のある仕事やなということもしてはどうかと私は思います。  と同時に、滋賀県に現在ある保育士の養成校、短大、大学が、県内には現在、滋賀大学、滋賀短期大学、びわこ学院大学、びわこ学院大学の短期大学部、そして滋賀文教短期大学と5校しかないのが現状です。  県でも今月から大津市や彦根市の商業施設で、先ほど言っていただきました就職フェアを既に開いていると仄聞をしています。また、あさって、29日ですか、大津市では人材確保策の新たなアプローチの一つとして、養成校が現在18校ある京都市に出向いていき、大津いきいき保育就職フェスタin京都と題して、KBSホールで市内の40園を集め、保育士確保に先例的に開催をされます。  県でも、養成校の多く所在する京都府や大阪府、兵庫県に所在する県外大学や他府県市町との連携強化や支援拡充をスタートさせ、待ちの姿勢から、ぜひ攻めの姿勢へと人材確保に乗り出してみてはどうかと私は考えます。  加えて、資格確保のための修学、学習費用に対しての支援補助や試験科目の一部免除等々、短期的にはそうした趣向を凝らした取り組みもやってはどうかというふうに考えます。  さらに、ちょっとこれはすぐには難しいと思うんですが、中長期的に、先ほど5校と申し上げましたが、滋賀県立大学等に保育士の養成学部、学科等を創設したり、養成校を県内に誘致するなど、新規資格取得者のそうした確保、拡充に思い切って臨んでいってもどうかなと、挑戦してもどうかなということを考えております。  そこで、そうした部分について、今までの新しい方の、これから保育士になろうという方だけではなく、次に、免許のある潜在保育士確保の再就職支援のための具体的な対策について、部長にお伺いをします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  潜在保育士の確保につきましては、保育士・保育所支援センターの人材バンクを通じましての就職あっせん、また、再就職のための就職準備金の貸し付け、保育現場でのブランクが長く不安を持っている保育士の方への再就職支援研修会の開催など、再就職の支援に取り組んでいるところでございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)行政の取り組みはわかるんですが、そうした保育士の方々の、免許を持っているけども、なかなか実際どうした方が働けるのか。また、実は働けるんだけども、なかなかそういう情報交流ができてないということが現状ではないかなという声をよく聞きますし、私もいろんなところへ寄せていただいて、そういうことをたまたま聞きます。  ママさんサークルとかのそうしたつながりで情報受発信をさせたり、あるいは子育て関連のイベントなどのブース出展をしたり、県下統一の、栗東市では既にやられているんですが、県下統一のポスターとかチラシ等を作成し、少しでも人の目に触れる取り組みをしてもどうかなというふうに考えています。  そうした部分も含め、ぜひチャンスがあればもう一回保育士をやってみようと、就業しようということをつくる機会を、これからもますます積極的にやっていただきたいなというふうに思います。  そして、3つ目に、管理・中堅・若手保育士がやめずに、いつまでも職場にいてくれることが重要だと私は思います。就業継続支援のそうした継続的な取り組みについて、部長にお伺いをしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  現任保育士の就業継続支援につきましては、管理職向けの働きやすい職場づくりのための研修会の開催、中堅・若手向けの保育士支援相談員による悩み相談窓口の設置など、離職を防止し、就業継続いただけるような支援に取り組んでいるところでございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)これから保育士になろう、保育士にもう一度復帰しよう、職業としてもう一度やってみよう、あるいは今言うていただいた、今の仕事、保育士をこのまま続けていこうという、そういった3つの方々の、やっぱり保育士確保のためにはこの3つが非常に重要だというふうに思います。  そのためには、やはり働きがいのある、そして働いてよかったなと思えるそういう職場を、施策が重要だと。行政のほうは現場にそれほど口を出すことはできないのかもわかりませんが、そうしたアウトライン、施策を考えていただくことは非常に重要だなというふうに思います。  現在保育士をされている方、そうした現任保育士のこの1年以内、非常に厳しい、低賃金で重労働のこの仕事での直近1年間の退職率の現状について、健康医療福祉部長、お聞かせください。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成29年社会福祉施設等調査に基づきます国の資料によりますと、平成28年10月1日から平成29年9月30日までの1年間の退職者数は358人となっておりまして、過去1年の県内におけます退職率は9.2%となっております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)10%弱の方がそういう状況にあるということがわかりました。この主たる理由ですね、その辺、把握されているか、部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  本県における保育士の離職に関する理由の調査というものはございませんが、平成26年3月に公表されております東京都保育士実態調査報告書によりますと、保育士の退職理由は、妊娠、出産、給料が安いというのが約25%、職場の人間関係、結婚、仕事量が多い、この3つが約20%と、複数回答でございますが、上位を占めているところでございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)先般、教員のそうした実態についても、この本会議場で質疑応答、答弁があったと思うんですが、今、実態のそこらが私は申しわけないんですが余りつかめてないなと。具体的な数値が滋賀県としては乏しいんではないかなということがきょうわかりましたので、ぜひ市町を通じて、一緒になって現場の状況を把握いただきたいなというふうに思います。  では、非常に栗東もそうなんですが、常勤職員と非常勤職員、そうした部分の比率が、10年前と比べて年々常勤職員が少なくなり臨時職員が多くなってきている状況がございます。特にこの南部エリア、大津なんかはそういう状況が顕著に見られます。  現在の県として把握をされている常勤職員と非常勤職員の比率の現状についてお伺いをします。健康医療福祉部長、お願いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  滋賀県保育所等現況調べによりますと、平成30年4月1日現在でございますが、保育士の常勤職員と非常勤職員の比率は、公立園で常勤が62.7%、非常勤が37.3%、私立園では常勤が71.0%、非常勤が29.0%となっております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)公立で常勤、非常勤が6対4、私立で7対3という今お話なんですが、現状はこれ、場所とか施設によっても全然違うというふうに、私が県内いろいろ聞かせてもろうてる中では把握をしています。トータルで見ればそういう状況なんですが、ますますこれ非常勤がふえてきている地域あるいは施設がありますので、ぜひ、こうした数値が実態に伴っているのかどうかも含めて、一度、御検討いただけたらと思います。やめずに続けていただける働きやすい職場環境と処遇改善は、正常な保育の質を確保していく上で大変な第一義なことだというふうに思いますので、よろしくお願いします。  次に、県が市町を支援し保育所等の整備を進め、先ほど答えていただきました年平均で約800人ですか、直近5年間で4,240人の定員を増加し、待機児童解消に現在努めていただいているところですが、新たな取り組みとして、最近新聞でもよく報道されていますが、企業主導型の保育所についてお伺いをしたいと思います。  一昨年度、現政権は待機児童解消対策として、保育の受け皿に民間活力を入れようではないかということで、事業主が従業員向けに地域の子供もプラスアルファ受け入れられる施設を整備できる企業主導型の保育事業を導入、開設費用の4分の3相当のほか、運営費助成も受けられることとなりました。  そこで、県内の企業主導型保育所は現在幾つあるか、健康医療福祉部長にお伺いをします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成30年7月1日現在で運営をしておられるのは、7市で15施設となっております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)先々月、7市15施設ということなんですが、では、昨年からの推移ですね。準備段階からの推移はどういう状況か教えてください。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  過去からの推移といたしましては、平成28年度末は1施設でございまして、平成29年度末で6施設となっております。そして、先ほど申し上げましたとおり、今年度の7月1日現在で15施設と増加しているところでございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)1が6になり、そして今年度15ということで非常に急増しているという状況がわかっているんですが、報道等にもありますように、こうした施設は、いわゆる助成を国からいただく、それによって施設はできるが実際の実態がどうかいうことをかいま見ると、現実的には半数にも進んでないと、入っている児童が49%だという各種データもございます。  国の整備計画に基づき予算が今年度も上積みをされました。そして、されようと来年度しています。私には今のところ、企業主導型保育園は需要と供給のバランス、これは先ほどの滋賀県のデータもそうだと思うんですが、非常にまだ成熟してないというか、ちぐはぐな状況があり、保育の質はもとより、このままでは整備計画の本質まで問われることにならないかなということで、非常に心配、危惧をしております。  助成金を目当てにやみくもに施設だけをふやすんではなく、地域や利用される方々の実態を冷静かつ中長期的なスパンで踏まえて、スパンを踏まえた上で整備をいただく、それが大事だなというふうに思います。  保育とは、本来、子供の最善の利益を守ることにあります。施設の数をふやすことに注力する余り、保育の質がおろそかになってしまっては本末転倒です。労働集約的に保育施設や受け入れ児童の量だけを保持拡大をしていくんではなく、そこには良質な保育、質が求められる、それを高めていくことが必要だというふうに思いますし、そこに本来の保育の原点があると思います。  さきにも述べましたように、地方の基礎自治体や現場では保育士確保に注力する余り、そのことに精いっぱいで、経験不足や過重長時間労働により職員が疲弊し、一人一人の子供たちが大切にされる、そういう保育が徐々に劣化をしつつあります。  子供の意思や年齢によって変わる発達成長段階に応じた保育ではなく、一斉保育などが中心となり、流れ作業的に管理される保育となっている、そうした現場にも時々寄せていただくことがございます。  加えて、2000年からは国が企業などの営利を目的とする保育参入も認め、委託費を弾力的に運用し、保育費用の相互流用を現場の責任で行えることが可能となりました。そのことで、本来はより理想に近い形で現実的には70%から80%あるべき人件費の比率は、現場施設によっては20%から30%というところもあり、その分を弾力的な運用をすることによって、施設整備や修繕費に回すことが可能となりました。  こうした保育の行き過ぎた規制緩和が保育の質的向上を妨げる傾向にならないかという声を非常に最近はよく聞くようになりました。保育はまず人ありきです。人件費率を下げることなく、逆に規制を強化をする、そうすべきだというふうに私は考えます。  これまで、るる保育の問題、待機児童の部分、現状に即して質問をさせていただきましたが、最後に、知事が目指すべき、進めるべき滋賀の保育、先般亡くなられました下村さんも保育や福祉は非常に大事だということを常々言われてきました。ぜひそうした部分も含め、知事の目指すべき滋賀の保育についてお伺いをし、私の質問を終わりたいと思います。 ◎知事(三日月大造) お取り上げいただきました保育所、こういった施設は人格形成に大きな影響を与える乳幼児期の子供を預かる大切な場所であり、そこで人とのかかわりの中で愛情や信頼感を育む重要な役割を担っていると考えております。  保育所がこのような役割をしっかりと果たせるよう、保育人材を育成するとともに、待機児童を解消し、誰もが子育てと就労を両立できるよう、保育所等の施設整備と保育人材の確保対策について、各市町とともにしっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆40番(九里学議員) 終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、40番九里学議員の質問を終了いたします。  次に、20番中村才次郎議員の発言を許します。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  まず、教員の働き方改革について質問をさせていただきます。  教員の働き方改革についての議論が始まってから数年がたちますけれども、文科省でも本腰を入れて取り組もうという姿勢が見られます。7月13日に公表された白書では、教員の働き方改革を特集しています。長時間勤務については看過できない深刻な状況と指摘し、勤務時間の上限目安を盛り込んだガイドライン作成などを進める姿勢を示したほか、各地の教育委員会の取り組みを紹介しています。  詳しくは述べませんけれども、岡山県の例を挙げて、試行錯誤を繰り返しながら取り組みを進めていく中で、小さな成功体験を積み重ね、教職員の中からさまざまな改善アイデアが生まれ、楽しみながら働き方改革に取り組む雰囲気が定着してきたとありました。  白書では、外国と比較して日本の教師は学習指導のみならず広範な役割を担っていると説明。特別支援教育、外国人児童生徒の増加など、課題の多様化、複雑化が進み、学校の役割はさらに拡大せざるを得ないとの見方を示しています。  教育現場にいた一人として実感することは、子供にとって最大の教育環境は教師自身だということです。教師自身が誇りを持って働くことによって、子供にもよい影響を与えます。教師に心にゆとりが持てるかどうかが大きな鍵だと思います。そのためにも、勤務時間、仕事の量は何としても改革していかなくてはなりません。  小学校に限ると、平成32年度から全面実施される新学習指導要領では英語教育が導入されます。それに伴って移行期間が設けられ、業務量の増加が見込まれます。また、道徳の教科化、プログラミング学習の導入も始まり、その研修は既に始まっています。このような現状の中、何点かに絞って質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、県教育委員会の取り組みについてです。  平成28年度から調査、報告や会議、説明会の廃止や簡素化などに取り組んでいますが、まず、平成28年度には57件の廃止、簡素化、見直しが行われました。平成29年度は21件となっており、今年度は現在、市や町の教育委員会等の聞き取り中とのことです。こうした一連の取り組みを県教育委員会ではどのように評価をされているのか、教育長に見解を伺います。 ○議長(川島隆二) 20番中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  平成28年度から行いました見直しにつきましては、学校現場の課題が複雑化、多様化する中で、教員の業務負担軽減のために、県教育委員会としてまずできることから取り組んだものでございます。負担の軽減につながったといった声もいただいたところでございます。  また、このように具体的に業務を見直す姿勢を示すことで、市町の教育委員会や学校現場が業務改善に取り組むきっかけにもなればとの思いもあったところでございます。  現在、各市町教育委員会や学校で働き方改革に取り組んでいただいているところであり、こうしたことから、これまでの取り組みは一定成果があったものと認識をしております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)一定評価があったというふうにお答えを願いましたけれども、一番大事なことは、そういった取り組みが学校現場に届いているかどうかだということだというふうに思います。再度、その点について教育長にお伺いしたいというふうに思います。
    ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  28年度から取り組みました取り組みにつきましては、その効果が現場の教員全ての皆さんに等しく効果があったかどうかということにつきましては、そういう意味では十分でないというふうに認識をしているところでございます。  そうしたことからも、市町教育委員会あるいは学校現場、また教員一人一人がそれぞれの立場で、改革するんだという意識を持ちながら取り組んでいくことが重要と考えているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)学校現場にいた者として、やはり現場と教育委員会との間に何か壁のようなものがあるような感じをずっと受けながら、勤務を32年間続けてまいりました。そこら辺も問題だというふうに思いますしね。県教育委員会と市や町の教育委員会と、そして学校現場が一体になるような、何かそういったことが理想だというふうに思うのです。  そして、その教育改革ということに一生懸命取り組むということは、その垣根をなくしていくということにも私はなるというふうに感じます。いいチャンスだというふうに思うんです。そして、今こそここに力を入れていかなくてはいけないことではないかな、このように思いますので、どうか教員のやる気を起こさせる、そんな改革を進めていただきたいというふうに思います。  ことし3月に策定された学校における働き方改革の取組計画を出していただいておりますけれども、その中から質問をさせていただきます。  取組計画では5本の柱、その他という項目を入れると6本になるのですけれども、その1番目にある学校業務の見直し、効率化、指導運営体制の充実の中にあるスクール・サポート・スタッフについて伺います。  文科省は来年度予算の概算要求で17億円を要求し、全国で3,600人に拡充するという考え方を示しています。本年度から始まったこのスクール・サポート・スタッフの滋賀県の配置状況を聞きますと、平成30年6月時点では53名となっています。といいましても、1週間に何人かの先生が同じところに入っておられるというのもありますので、37校への配置ということになっています。  そこで、今年度のスクール・サポート・スタッフの配置による効果は県教委へ届いているのでしょうか。教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  6月時点でスクール・サポート・スタッフを配置している37の小中学校につきまして、該当市町教育委員会からの報告によりますと、平成29年度と平成30年度の同時期の1週間の勤務時間数を比較したところ、教員1人当たり1.74時間、月当たりに換算いたしますと約7時間の勤務時間の減少を確認をしております。  また、学校からは、スクール・サポート・スタッフの配置により教員の事務負担が軽減され、児童生徒と向き合う時間がふえ、教材研究や児童生徒の指導の充実につながっている、また、休み時間に児童生徒と触れ合う時間が確保でき、放課後に遅くまで残らなくても業務を終えられる日がふえたといった声もあり、配置の効果があらわれているものと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)今の御答弁の中で、子供との触れ合いの時間が大変ふえたというお答えがありましたけども、大変すばらしいことだと、そのように思います。  来年度の配置についてですけれども、その目標は既に考えておられるでしょうか。国の動向を見てというのではなく、その今述べられた効果から考えての滋賀県の方針を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県としての目標というよりも、今年度と同様、事前に各市町の配置予定数を把握した上で、できるだけ市町の要望に沿った配置となるよう、国予算の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)大変すばらしい制度だというふうに思うので、一人でも多くの方をスクール・サポート・スタッフとして配置をしていただきたい、このように思います。  現場から聞いた話ですけれども、スクール・サポート・スタッフに来ていただく方ですけれども、やっぱり学校現場をよく知っていただいている方に来ていただきたいというお声を何人かの現場からお聞きしました。退職教員の方という例もあるというふうに思いますけれども、また、そういう御要望があるということもお伝えしておきたいというふうに思います。  次に、文科省はスクール・サポート・スタッフと同じように、公立中学校に部活動指導員を1万2,000人配置する経費として13億円を盛り込む方針をしています。これは今年度の予算5億円、4,500人から大幅に上回るものです。今年度から配置が始まった部活動指導員についてですが、滋賀県では10市町に15校19名の配置がされています。部活動指導員での現場の様子、効果をどう把握されていますか。教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  部活動指導員を配置をしました市町教育委員会や学校からは、部活動指導員が専門的な技術指導を行うことにより生徒の意欲や技術が向上していること、また、専門的な知識、技能を持たない教員が顧問の場合、その顧問の精神的な負担が軽減されているといった効果があるというふうに聞いております。  さらに、部活動指導員が単独で日常の部活動の指導や大会等の引率を行えますことから、教員の部活動の指導時間が短縮するなど、働き方改革につながっているというふうにも聞いております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)一定の効果があるというか、すばらしい取り組みだというふうに思うのですけれども、来年度の部活動指導員の配置方針について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  先ほどのスクール・サポート・スタッフと同様、事前に各市町の配置予定数を把握した上で、その要望に応えられるよう、国の予算の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)お答えにくいかもわかりませんけれども、再度聞きたいというふうに思います。  国の予算も大変多く、ここの部分ふえるというふうにも聞いておりますし、今年度は15校19名の配置でございます。大体どれぐらいふやそうという方針を持っておられるのか、わかれば教えていただきたいというふうに思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  現時点で何名という数字は持っておるわけでございませんが、議員も御指摘のとおり、この指導員も誰でもいいということではなくて、そういう専門的な技術を持った者、あるいは、生徒に接しますので、そういった意味での技能といいますか、そういったものを持つ者も必要ということで、現場のほうで、そういう意味での指導員の確保にも御苦労されているという意見を聞いております。  そういう中で、各市町が来年度これだけの人数を配置したいという、まずそういう御希望を把握して、それに対応できるようしっかり努めてまいりたい、そんなふうに考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ぜひ、今は年度途中ですので、どうか来年度、多くの指導員の方を配置できるように、しっかりと市町から聞き取りをしていただいて、方針を決めていただけるようにお願いしたいというふうに思います。  次に、その他の項にある年次有給休暇、年休についてですけれども、その取得状況についてお聞きします。  滋賀県では今年度の目標として、1人12日を目標としています。夏季休業中には集中期間を設けることにもなっていますけれども、平成29年の結果も踏まえて、この目標についての見解を教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  平成29年の年次有給休暇の年平均取得日数は11.5日で、前年と比べまして0.9日の増となっているところでございます。  本年の目標であります年次有給休暇の平均取得日数12日を達成するためには一層の年次有給休暇の取得促進を図る必要がありますことから、今年度、新たな取り組みといたしまして、県立学校を対象に夏季休業期間中に学校閉庁日、いわゆる休校ですが、これを試行実施をしたところでございます。  また、各市町でも所管する小中学校において同様の取り組みも実施をいただいたところであり、今後も県、市町との連携のもと、年次有給休暇の取得促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)29年が11.5日、そしてことしの目標が12日ということですので、大分近づいているなというふうに思います。どうか、現場の先生が年休をとりやすい雰囲気というものを現場でつくっていただくということも非常に大事だというふうに思うんです。何かこの年休というのはとりにくいという、そういった感じがありました。そういったものも取り払っていただきたいということをお願いしたいというふうに思います。  次に、この働き方改革の質問をしていきますと切りがありませんので、最後の質問とさせていただきたいというふうに思います。  月当たりの超過勤務時間が45時間以上の教員を、平成32年度には、小学校40%、中学校50%、県立高校15%にするという目標を設定しておられます。今の現状について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県立学校教員の平成29年度の月当たり超過勤務時間が45時間以上である者の割合は平均25.4%と、平成32年度の目標であります15%以下とはまだ残念ながら隔たりがあるところであり、引き続き超過勤務の縮減に向けて取り組む必要があるものと考えております。  なお、市町立小中学校におきましては、市町教育委員会で実施をされております勤務時間の把握実績の10月分の提供を依頼しているところでございまして、そのデータにより状況を把握していきたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)最後と言いましたけれども、続いて、もう少しお願いしたいというふうに思います。  今、大分隔たりがあると、このような御答弁でございました。ここをしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思いますし、そのための調査等もしっかりとやっていただきたいと思いますし、ここが大切な部分だというふうに思うんですけれども、どういった対策を立てていかれるおつもりなのか。具体的な対策があればお伺いしたいというふうに思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  働き方改革の取り組みには、いわゆる特効薬というものがあるというふうには考えておりません。小さなことを一つ一つを積み重ねていく必要があるものと考えております。  こうしましたことから、市町との連携会議というものを設けておりまして、各市町におけます取り組みの共有化を図っておりますとともに、学校関係者や県・市町教育委員会職員が参加をいたします研修会、これ7月に開いたところでございますが、今度また10月にも開催をする予定をしておりまして、働き方改革に向けての理解を深めてまいりたいと思っております。  今後とも、各市町との連携のもと、働き方改革取組計画に掲げました取り組みをしっかりと進めることにより、教員の負担軽減あるいは意識改革に努めてまいりたいと、そんなふうに考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)教育長がおっしゃったように、やっぱり小さなその一つ一つの積み重ねであるというふうにおっしゃいましたけども、そのとおりだというふうに思います。会議のための会議にならずに、しっかりと意見を集めていただいて、いい取り組みがあればそれが広がるように、そんな会議にしていただきたいというふうに思いますし、今後ともどうかよろしくお願いいたしたいというふうに思います。  初めにも言いましたけども、子供の最大の教育環境は教師です。どうか、はつらつとした先生には子供もついてきます。そのために教師に心のゆとりを持ってもらう。子供たちのために教員の働き方改革が進むことを願って、この項の質問を終わらせていただきたいと、このように思います。ありがとうございます。  次の項に移らしていただきます。  山に登ったり里山を歩いたりしていますと、間伐されずにひょろ長い木が密集して生えている人工林をよく見かけます。ひょろ長い木がお互いにもたれ合うように立っていると、強風や冠雪で共倒れを起こします。以前、桂川の少年の自然の家へ子供たちを引率して宿泊体験の学習に行ったときに、指導員の先生から、ひょろひょろの森という言葉で子供たちに説明をしていただいたことを思い出します。  このように、滋賀県内には人工林でありながら手入れがされずに放置されている森林が数多く存在します。境界線が明確でなく、その持ち主が誰であるかもはっきりしない森林もふえているとも聞きます。つまり、手入れされずに放りっ放しの森林がたくさんあるということです。  平成28年の11月議会に、琵琶湖を守る森林づくりと題しまして質問をさせていただきました。知事の御答弁では、本県における植栽を伴う造林面積は平成20年度以降100ヘクタール以下で低迷をしていること、また、人工林の齢級は10齢級、つまり1齢級5年ですから、50年以上の人工林が約50%を占め、それに対して3齢級以下の若い人工林はわずか2%にとどまっているなど、県内の人工林は人間でいう少子高齢化の状態であるということなどを明らかにされました。  また、知事は、「長伐期材や複層林などの多様な齢級や樹種で構成された森林の誘導も含め、地形、気候、植生など滋賀の地域特性に応じた持続可能な森林づくりの推進をすることが肝要である。そして、伐採と造林とを一貫させた作業の推進など、効率的な木材生産に資する新技術の導入や基盤整備を進めながら、さまざまな主体と力を合わせて本県の林業成長産業化を実現することで、100年先をも見据えた滋賀の森づくりにつなげてまいりたい」とも述べられました。  県政2期目に当たっての知事のスローガンである健康しがの中にある自然の健康で、森林づくりも明確にうたっておられます。また、本会議の提案説明にもあったように、やまの健康の推進についても表明をされました。  1点目の質問ですが、知事にお伺いをいたします。  やまの健康の推進について、具体的にどのような施策をお考えでしょうか、お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  国内では長く木材価格が低迷し、本県においても林業経営が厳しくなりましたことから、所有者の森林への関心が薄れ、手入れ不足の森林がふえております。また、林業のなりわいとしての魅力が失われたため、働き手が都市部へ流出して人口が減り、高齢化が進行し、さらに獣害も増加したことから山村に活気がなくなってきているという、こういう状況がございます。  このような状況の中、多くが利用期に入りました杉やヒノキの人工林につきましては、適切に管理し、水源涵養など森林の公益的機能を発揮させるとともに、これらの資源を有効に活用し、林業の成長産業化を図っていく必要がございます。  このため、森林の保全につきましては、近年問題となっておりますニホンジカによる植生被害を抑制して、表土流出を防ぐ取り組みでありますとか、水源涵養機能を維持するための奥山での森林整備などを進めていきたいと考えております。  また、林業の振興につきましては、公共建築物や住宅などの建築用材の需要に応えられるよう、中小の製材所の連携や大型乾燥機などの施設整備を促進するなどにより、県産材の利用拡大を図ってまいりたいと存じます。  あわせまして、山村の活性化を図るため、地域資源を生かした特産品の開発、新たなビジネスの導入、都市部との交流人口の拡大、移住の促進などを進めてまいりたいと考えています。これらを通して、森林、林業、山村を一体的に捉えた取り組みを推進し、やまの健康、さらには琵琶湖を初めとする自然の健康につなげてまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)具体的にたくさんの項目を御答弁いただきましたけれども、ある方に聞いた話ですけれども、滋賀県には大型の乾燥機がない、そのために滋賀県で切った木をわざわざ他県へ持って行って、そこで乾燥させて、また持ち帰るといったようなこともあるというようなことも聞きます。今述べていただいたこと一つ一つが前へ進みますように、どうかよろしくお願いしたいというふうに思います。  2点目に、再造林モデル地区についての質問をさせていただきます。  前回の質問のときに、再造林モデル地区を始めることを提案しまして、実際に比叡山において伐造一貫システムモデル林を昨年度より始めていただきました。視察にも行かせていただきましたけれども、この伐造一貫システムというのは、再造林のコスト削減のために、伐採、搬出で用いる機械を活用して伐採、搬出も行い、同時に地ごしらえ、植林までも行うものです。  県下において初めての取り組みとなったこの伐造一貫システムについてですけれども、その結果について、琵琶湖環境部長に総合的な評価を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) (登壇)お答えをいたします。  昨年度、比叡山におきまして、急傾斜地での架線を利用した集材を行う伐造一貫システム、伐採と造林を一貫して行うシステムのモデル林を設定いたしまして、伐採、再造林を一貫して行うことにより、各作業の労働生産性および作業コストの調査を行っております。  その結果でございますが、通常より急傾斜地であったにもかかわりませず、伐採作業の労働生産性は1人1日当たり2.67立方メートルということで、全国の平均的な傾斜地における2.7立方メートルと比較しまして同等の値となっております。しかし、地ごしらえと苗木運搬を含む再造林作業の労働生産性はヘクタール当たり77人となっておりまして、これは造林事業における標準作業工程の22.7人と比較して低くなっております。  これは、伐採作業の効率を上げるために、集材の際に枝をはらう作業を行いました結果、その枝が林地に残りまして、植栽前の地ごしらえに労力を要したものではないかと考えておりまして、伐採作業と再造林作業のバランスをとっていくということが今後の課題というぐあいに考えてございます。  さらに、今年度は比較的傾斜が緩やかな造林地2カ所におきまして、より一般的な車両を利用した集材によるモデル林を設定いたしまして、同様の調査を行うこととしております。  まだ1年目ということで、全体の総合評価には至っておりませんが、こうした結果を総合的に評価し、より効率的な伐造一貫システムの構築について検討してまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)現場を見させていただいて、確かに急傾斜地でございました。登るのも大変なところでして、なかなかそういった機械を入れるということが大変な場所だなということを感じまして、ここでモデル林の実験を始めるのには適したとこかなという疑問も若干持ちましたけれども、今の御答弁の中で、ことしは緩やかな土地ということもお答え願いましたし、また、2カ所で今年度も引き続いてモデル林をやっていただくという御答弁もいただきましたので、どうか続けて効果が上がるように研究を進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  3点目に、花粉の少ない森林づくりについて伺います。  本県では、花粉症対策苗木の生産に必要な品種の生産に、近畿の各府県中でもいち早く平成20年から取り組みまして、平成26年から種子の生産、配布をスタートさせています。そして、この種子を使った少花粉スギの苗木の生産を県内の種苗業者さんが行っています。この先進的に取り組んでつくった少花粉スギの苗木を、やはり県内の山に植えなければ意味がないというふうに考えます。  そこで、県内の山に植えられている少花粉スギの量は一体どれぐらいあるのでしょうか。琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。  県内の少花粉スギ苗木は、出荷が始まった平成28年度は、県内で生産された全てのスギ苗木約3,100本のうち約2,200本でございましたが、平成29年度は県内で生産された全てのスギ苗木が少花粉スギ苗木となり、約3万5,000本となっております。  次に、これらの県内で生産された少花粉スギ苗木が植えられた数は、平成28年度には県全体で植えられたスギ苗木約1万700本のうち約400本でございましたが、平成29年度には県全体で植えられたスギ苗木約1万500本のうち約7,600本となりまして、73%を占めております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)平成29年度、大分この率が上がってきているというお答えでしたので安心もしましたけれども、より多くふえていくようにお願いしたいなというふうに思います。  4点目に、この少花粉スギの生産は全国に誇れるものだというふうに思います。県民の皆さんにもこの少花粉スギのことをもっと知ってもらい、親しみを感じてもらうために、愛称を募集したらどうかなというふうに思います。例えば、お米のみずかがみのように、健康スギとか、何か名前がつければいいというふうに思いますけれども、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。  少花粉スギ苗につきましては、林業関係者の間でも十分周知されているということにはなっておりませず、また、一般県民においても余り知られていないのが現状でございます。  愛称の募集につきましては、富山県で無花粉スギに立山森の輝き、愛知県では少花粉スギにあいちニコ杉と愛称を公募した事例がございまして、少花粉スギの周知、普及に向けて愛称を募集するということは、効果が期待できるのではないかと考えております。  平成33年に開催を予定されております植樹祭を契機として、県民への森づくりへの理解を深め、また林業関係者の意欲を高める取り組みの一つとして、少花粉スギの周知と利用促進を図るために、愛称の公募を検討してまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひお願いしたいというふうに思います。  5点目に、これも提案になるのですけれども、2点目に質問させていただいたモデル林に、今年度もこのモデル林を広げる計画だと先ほどお聞きしました。ここに少花粉スギの苗をぜひ植えていただきたいというふうに思います。なかなか寒冷地ですと雪が多く積もって難しいということもあるというふうにお聞きしていますけれども、滋賀県が先進的につくった少花粉スギの種子から育てた苗木を植えない手はないというふうに思うんです。  また、少花粉スギの効果について研究も進められると思います。伐造一貫システムの研究を進めるに当たって、コンテナ苗、裸苗の両方を植えていることには意味があるというふうに思いますけれども、県内でとれた少花粉スギの種子を県内で育て、それを県内の山に植えて循環させていくのが理想だと思うのですが、いかがでしょうか。琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  議員御提案の県内でとれた少花粉スギの種子を県内で育て、それを県内の山に植えて循環させていくということは、苗木生産の安定化や少花粉スギの普及などを進める意味でも、大変望ましいと考えております。  しかしながら、再造林の樹種の選定は、積雪や乾燥などその土地の気候、谷筋や尾根といった地形、さらに土壌などの環境条件に適した適地適木とすることが原則でございまして、また、森林所有者の意向にも沿う必要があるということでございます。  今年度実施しております2カ所の伐造一貫システムのモデル林では、1カ所がヒノキの植栽が決まっておりますが、もう1カ所は現在、植栽樹種の検討中でございますので、これがスギと決まりましたならば、少花粉スギの植栽について森林所有者さんと相談をさせていただきたいと考えております。  また、今後、県内で再造林を推進する中で、スギの適地には県内で生産された少花粉スギ苗木が植栽されるように、安定した苗木の生産の確保を支援するとともに、森林所有者への普及啓発にも取り組んでいきたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)1カ所でまだ可能性が残っているということですので、ぜひそれを期待したいというふうに思います。少花粉スギを植えると補助金も出るということも聞いております。どうかそういったシステムをしっかり使いながら、少花粉スギの普及、滋賀県が開発したその誇れる少花粉スギがこれからも普及していくことをどうか願いたいというふうに思います。  最後、6点目に、2021年に行われる全国植樹祭の取り組みについて伺います。  植樹祭に植える苗木を生産することはすぐにでも取り組まなければならない問題です。そのために、滋賀県の種子や苗木を植樹祭に使用できるよう準備を整える計画がぜひとも必要だというふうに思いますが、琵琶湖環境部長に見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。
     植樹祭で使用する種子や苗木については、植樹祭の基本構想におきましても、県内で採取した種子や、その種子から県内で育成した苗木を活用することを基本としております。  植樹祭で使用する種子や苗木の生産については、開催3年前である今年度から取り組みを進めていく必要がありまして、有識者等で構成する植樹専門委員会を9月に立ち上げ、現在、使用する樹種等について検討を進めているところであります。  当委員会において10月には樹種等を選定する予定でございますので、県内の苗木生産業者等にもこれらの情報をいち早く共有し、準備段階からしっかりと連携することで、植樹祭に向けて滋賀県産の種子および苗木を計画的に育成、調達をしてまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)全国植樹祭が成功して、また、意味のあるものになることも大切なことだというふうに思いますので、県内産の種子、そして苗木が植樹祭に使われるように進めていただきたいということを再度お願いして、この項の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。  最後の項でございますけれども、子ども食堂についてです。  子ども食堂は、貧困家庭や孤食の子供たちに安心して食事を提供しようと東京で始まった取り組みです。それにプラスして、子供の居場所づくりにも貢献しており、子供たちの健全な育成のために民間から始まったすばらしい取り組みであると思います。  私が議員になる少し前から報道でも取り上げられるようになり、一般の方にも知られるようになってきました。議員になるのと時を同じくして、私の住む学区でも子ども食堂が関係者の皆様の努力で立ち上がり、月に1度開かれるようになりました。ことしで4年目に入りました。中村さん、子供たちの宿題を見てあげてくれないとお声をかけていただきましたので、喜んで学習支援のために参加させていただくようになりました。夫婦で参加させていただいておりまして、妻は料理のお手伝いをし、私は子供たちの宿題や遊びの相手をさせていただいています。  さて、県社協──滋賀の縁創造実践センターですけれども、平成30年度に県下に100カ所の子ども食堂をつくることを目標に、さまざまなサポートをしてこられました。そして、目標の100カ所を超えまして、それを記念してのフェスタも開かれました。現在102カ所の子ども食堂が県下に生まれているとお聞きしています。これは、人口比の子ども食堂の数では全国1位であるとも新聞で報道されておりました。  滋賀の縁創造実践センターでは、子ども食堂の立ち上げの方法から運営の仕方までサポートしているほか、子どもの笑顔はぐくみプロジェクトとしてスポンサーを募集、県下各小学校区に最低1つの子ども食堂、これ、実現しますと300カ所になるという話ですけれども、を目標に、食材や備品を初め、場所の提供や募金等にも取り組んでおられます。  滋賀県ではこの子ども食堂を応援するために、みんなで淡海子ども食堂をつくろう!応援事業に1,000万円の予算をつけ、立ち上げの資金を中心に支援を行っています。しかし、みんなで淡海子ども食堂をつくろう!応援事業は、初めて立ち上げた子ども食堂に対して、初年度に20万円、そして次の年には10万円、3年目になりますと同じく10万円が補助されますけれども、4年目からはこの補助金は打ち切られます。私がかかわっている子ども食堂、4年目になるんですけれども、ことしから補助金がもらえません。  現場で、子ども食堂の現場で何が一番大変かというと、やはり食材集めと、それにかかる費用です。県内の企業からの商品券の提供や、JAからのお米の提供があります。そのほかにも、社協を通じて食材や機材の提供、また寄附をしてくださる方もあり、何とか運営を続けることができています。その上に継続して補助金があれば食材集めの苦労が軽減され、月1回の開催をもう少しふやすことができるかもしれません。  そこで、1点目の質問です。  現場からの声としてお聞きしたいというふうに思うんですけれども、このみんなで淡海子ども食堂をつくろう!応援事業は、これからも継続していただきたい事業です。SDGsの理念に通じた持続可能な取り組みとして、子ども食堂は定着していかなければならない、途中で終わるということがあってはならないというふうに思います。3年だけの補助と限定するのではなく、継続して県としても資金の応援をしていくことはいかがでしょうか。健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  県では、平成28年度から今年度までの3年間の事業といたしまして、みんなで淡海子ども食堂をつくろう!応援事業を実施しておりまして、滋賀県社会福祉協議会を通じまして、子ども食堂を開設する団体への経費助成や開設準備講座の開催など、子ども食堂の立ち上げ支援を行っているところでございます。  御質問いただきました開設団体への経費助成につきましては、平成28年度に支援を開始いたしました団体につきましては開設から3年間、平成29年度に開始いたしました団体につきましては2年間、平成30年度に開始した団体につきましては1年間に限り実施しているところでございます。  今後は、昨年8月にスタートいたしました、公私協働の取り組みであり、県としても3,000万円の助成を行っております子どもの笑顔はぐくみプロジェクトに子ども食堂の取り組みが引き継がれていくところでございます。  このプロジェクトにおきまして、物資や寄附など民間の支援を子ども食堂に届けますほか、今後も開設準備講座や交流会の開催など、可能な形で淡海子ども食堂の開設、運営を支援できるよう、関係者とともに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)もう一度ちょっとお聞きしたいのですけれども、はぐくみ基金造成事業に3,000万円が助成されている。それはそれで企業であるとか事業所、団体、個人が一緒になって、さまざまな問題を抱える子供たちを応援していくすばらしい取り組みだというふうに思うんです。しかし、これは子ども食堂に限定した取り組みではなくて、例えば児童養護施設を退所した子供の自立へ向けた支援などにも使われる事業でございます。3,000万円の基金だけでいいのかな。みんなで淡海子ども食堂をつくろう!応援事業もぜひ続けていくべきだというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。再度、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ただいま議員の方からお話しいただきましたとおり、この子どもの笑顔はぐくみプロジェクトにつきましては、県といたしましては3,000万円助成をいたしましたが、そのほかにも社会福祉協議会等々の団体から寄附が寄せられておりますし、また物資の支援も寄せられて、公私協働で進めている取り組みでございます。全体としては3,000万円でやっているわけではございません。  また、おっしゃっていただいたとおり、このプロジェクトは淡海子ども食堂だけでなく、フリースペースの確保ですとか、おっしゃっていただいた養護施設を退所した方の自立支援とか、さまざまな事業の支援をしておりますが、この子ども食堂へのサポートというのも大きな仕組みの一つであると思っております。  県の事業としては、先ほど申し上げましたとおり、今年度までの3年間の事業という位置づけをしておりまして、その整理で進めたいと思っておりますが、このプロジェクトの中で今後どのような支援が子ども食堂に続けられるのか、それは関係の皆様とともに考えていきたいと思っております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ということは、やっぱり応援事業はことしで終わりと、今年度で終わりということになるという御答弁だったというふうに理解をしたんですけれども、ぜひやっぱりこれは続けていただきたいということを強く要望をしておきたいというふうに思いますので、検討していただくことをお願いいたします。  2点目に、先ほども述べましたように、県社協では子どもの笑顔はぐくみプロジェクトを実施されていますけれども、県としてこれをバックアップするために、行政による広報、周知や認定制度のようなものが徹底されるとありがたいのだがというお声をお聞きしました。県政プラスワンでの記事の取り上げ等もしていただいておりますけれども、さらなる啓発活動について進められないか、健康医療福祉部長の見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  先ほどの子どもの笑顔はぐくみプロジェクトや淡海子ども食堂につきましては、その広報や周知について、県の子育て情報ポータルサイトであるハグナビしがによる情報発信ですとか、ひとり親家庭へ配布をいたしております情報誌への掲載、また、県と包括連携協定を締結をいたしている企業や団体等にも協力を呼びかけているところでございます。さまざまな機会を通じて取り組んでおります。  今後とも引き続き、あらゆる機会を捉えて広報、周知を行ってまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)さらなる啓発、取り組んでいただけるようにお願いいたします。  3点目に、学校、教育委員会との協力体制についてお伺いいたします。  農林水産省が昨年行った子ども食堂の運営者を対象にした実施調査では、来てほしい家庭の子供や親に来てもらうのが難しいという項目が42.3%もありました。本当に孤食を続けている子供や援助の要る貧困家庭の子供が参加しているのかといえば疑問がございます。教育委員会も何かこの啓発に協力ができないものかということを教育長にお伺いしたいというふうに思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県教育委員会といたしましては、既に県立学校、市町教育委員会に対し、子ども食堂の活動趣旨や福祉部局との連携について理解いただくよう周知をしたところでございます。  今後、社会教育施設等における学習や活動を通じて、地域住民の皆さんがつながり情報を共有することで、地域においてさまざまな状況にある子供たちに、子ども食堂への参加が促せるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)子供たちの生活、また、成長へ向けてのその基盤になるところでの取り組みですので、子供たちに大変関係のある取り組みですので、どうか教育委員会にも協力を進めていただきたいというふうに思います。  再質問ですけれども、学校現場にもっとこんなことをしてくれというのは非常に言いにくいんですけれども、例えば個別懇談会でそういったことを、こういう取り組みもありますよとか紹介をしてもらうとか、そういった取り組みはどうでしょうか。再度伺いたいというふうに思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今、議員がおっしゃっていただいた取り組みについては、既にされているところもございます。全てかどうかというのはわかりませんが、おっしゃるように、個別でのそういう情報提供というのは非常に重要なことと考えておりますので、そういうことが必要な子供たちについて、できるだけ周知もしてまいりたいと、そんなふうに考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ぜひ、人口比率で日本一というこの子ども食堂がこれからも持続して進んでいくことを願って、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、20番中村才次郎議員の質問を終了いたします。  次に、35番佐野高典議員の発言を許します。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇、拍手)それでは、滋賀県国民保護計画の一部変更について、分割質問で質問させていただきます。  本年8月24日付で滋賀県国民保護計画の一部変更について報告を受けました。平成16年9月に、武力攻撃事態および緊急対処事態において、国民の生命、身体および財産を保護し、国民生活などに及ぼす影響を最小にするための、国・地方公共団体などの責務、避難・救援・武力攻撃災害への対処などの措置を規定した国民保護法が施行され、それを受けまして、滋賀県では平成18年1月に滋賀県国民保護計画を策定をいたしました。  当時、この計画が策定される前年の平成17年2月議会では代表質問で辻村克議員が、12月代表質問では世古正議員が、当時の國松善次知事に、計画策定に当たり基本的考え方を問われています。自来13年近い歳月が経過し、国際情勢も大きく変化をしてまいりました。  今回の変更は、全国瞬時警報システム──Jアラートによります情報伝達および弾道ミサイル落下時の行動等に関する記述の修正など、国の基本指針の変更や本県の統計数値の修正などに伴う変更でありますが、計画変更に伴う本県の考え方について、全て知事に問います。  1945年、第二次世界大戦終盤の1月、ヤルタ会談が行われ、ドイツの分割統治や東欧諸国の戦後処理、同時に当時のソ連の対日参戦、千島列島、樺太などの処分も決定され、現在も解決を見ない北方領土問題の端緒となり、米ソの利害を調整することで大戦後の国際レジームを規定し、東西冷戦の始まりとなったところであります。  1989年12月にはマルタ会談が行われ、東欧革命やベルリンの壁の崩壊を受け、アメリカのブッシュ大統領、当時のソビエト連邦のゴルバチョフ共産党書記長による首脳会談で、ヤルタ会談に始まった米ソ冷戦の終結の宣言がされたところで、俗に言うヤルタからマルタで冷戦は終わったところであります。  冷戦は終結したものの、世界では内戦や紛争が絶えてはいません。日本の近辺でも中国による尖閣諸島を初めとする東シナ海への進出、過日は、南シナ海の軍事拠点化を目指す中国に対しまして、海上自衛隊は南シナ海の公海上に潜水艦や護衛艦を送り出し、中国を牽制しております。  対ロシア外交でも、東方経済フォーラムでは、ロシアのプーチン大統領は、一切の条件なしの平和条約を年内に結ぼうと唐突に安倍総理に提言し、事実上の北方四島領土問題を棚上げにする外交交渉を行っております。  一方、史上初めて行われた米朝首脳会談後、実験は控えていますが、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル──ICBMは日本上空を超えてアメリカを射程圏に入れているように、日本の防衛環境は大変緊張感が高まっている状況であります。  本県の県国民保護計画では、国の国民保護法、その他法令、基本指針および県の国民の保護に関する計画──県国民保護計画に基づき、国民の協力を得つつ、他の機関と連携協力し、みずから国民の保護のための措置──国民保護措置を的確かつ迅速に実施し、県域において関係機関が実施する国民保護措置を総合的に推進する計画と位置づけられているところであります。  平成17年2月、辻村議員の代表質問の知事答弁において、当時の國松知事は、「国民保護計画のような緊急事態の対処を定めた計画は、ただ単につくっただけで成果が上がるものではなく、平時より有事を想定した訓練を実施するとともに、広報啓発活動を繰り返し行うことが肝要であると考えます」と答弁されておりますし、12月、世古議員の質問の答弁では、「県民の安全、安心を第一に考えて計画をつくり、国や市町、放送事業者などの関係機関や関係する都道府県との連携を図り、庁内全組織を挙げて取り組んでいく」と大変力強い答弁をされていますが、三日月知事は計画の一部変更に当たってどのように考えておられるのか問います。  その後、現実的には緊急事態が起こっておりませんが、研修および訓練では、消防、県警察、自衛隊との連携により、武力攻撃災害への対応訓練、広域にわたる避難訓練、地下への避難訓練等特有な訓練について、人口密集地を含むさまざまな場所や想定で行うとともに、訓練が実践的なものとなるよう努めると今回書き加えられて変更されていますが、今日までこのような訓練が実施されてきたのか、連携した訓練は今後どのように行われるのか、知事に問います。  計画策定当時の県民保護計画部会では、本県の地理的特徴を踏まえ、新幹線や高速道路など幹線交通網への対応や、琵琶湖に係る毒物の投入、湖上利用者への対応、原子力事業所の隣接県としての備えなど、本県の地域特性などを配慮することなどが議論されていますが、それらを踏まえての訓練はされてきたのか、あわせて知事に問います。  広報啓発では、県ホームページやプラスワン、マスメディアや出前講座などにより周知啓発に取り組むと答弁され、意気込みは大変高く評価をいたしましたが、現実的な対応はかいま見ることがございません。広報啓発活動について問います。  政府は、エムネットを使用しての伝達でありますとか、Jアラート──自動起動装置での伝達で瞬時に情報が伝えられるということでありますが、本県の場合はどのようなシステムになっているのか。知事に問います。  もう1点は、地下施設の指定や避難施設に住民を可能な限り受け入れることや収容人員の把握をして、一定の地域に避難施設が偏ることのないよう指定するとともに、できるだけ多くの施設の確保に努めるように配慮するとなっていますが、今日の現状と今後の施設の確保について、知事にお尋ねをいたします。 ○議長(川島隆二) 35番佐野高典議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)国民保護計画につきまして、6点御質問いただきました。  まず1点目、一部変更に伴う私の考えについてでございますが、滋賀県国民保護計画は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、いわゆる国民保護法に基づき平成18年1月に策定し、本年8月に一部変更したところでございます。  今回の主な変更点は国の基本指針変更に伴うものでございまして、全国瞬時警報システム──Jアラートによる情報伝達および弾道ミサイル落下時の行動等に関する記述の修正などでございます。  国民保護計画は県民の皆さんの安全、安心を第一に考え、平素からの備えや予防、武力攻撃事態やテロ行為等への対処などについて、具体的に実施すべき措置を明らかにしているものでございます。これらの措置を関係機関の一層の連携のもと、総力を結集して着実に実施し、今後も継続的に県民の皆様に対し本県計画の周知啓発に努めるとともに、定期的に有事を想定した実践的訓練を行い、県民の生命、身体および財産を保護するために最善を尽くしてまいりたいと存じます。  2点目、訓練実施状況および今後の訓練等についてでございますが、滋賀県国民保護計画が策定された平成18年以降、これまでに、国、県、市町および警察、消防、自衛隊、その他関係機関等と共同で、JR琵琶湖線における爆弾爆破事案などの大規模テロ活動による緊急対処事態を想定した訓練をこれまで4回実施してきたところでございます。  今年度におきましても、国、市町、その他関係機関と共同で、それぞれの役割を確認し、相互の連携強化を図るとともに、県民の皆さんの緊急事態発生時の対処について理解を促進するため、国民保護共同図上訓練を行う予定であり、今後も訓練を継続して実施してまいりたいと考えております。  3点目、本県の地理的特徴を踏まえた訓練の実施状況についてでございますが、本県の交通要所としての地理的特徴を踏まえ、平成24年度には野洲市において、JR琵琶湖線上に仕掛けられた爆弾が爆発して走行中の車両が転覆、大破するという想定で、国、県、市と共同でJRその他関係機関にも御協力いただき、国民保護共同実動訓練を実施したところでございます。  また、国民保護訓練以外におきましても、平成26年度滋賀県総合防災訓練におきまして、琵琶湖上で旅客船同士が衝突し乗客が琵琶湖に投げ出される想定で、船舶事故対応訓練も実施しているところでございます。  さらに、別途、地域防災計画原子力災害対策編に基づきまして、毎年、原子力施設に事故が発生したことを想定した災害対策本部運営訓練や住民実動訓練等を積み重ねているところでございます。  今後におきましても、本県としての地理的特性を取り入れたより実践的な内容となるよう、検討してまいりたいと存じます。  4点目、広報啓発活動についてでございます。  国民保護計画策定時に、県では県民向けのパンフレットを作成し、国民保護の仕組みや避難の指示、警報が発令された場合にどのように行動すればよいかを紹介しております。このパンフレットは県のホームページにも掲載し、県民への周知啓発を図っているところです。  また、昨年度の北朝鮮による弾道ミサイルにつきましては、Jアラートによる情報伝達や弾道ミサイル落下時の行動などについて、県のホームページの重要なお知らせとして掲載し、注意を呼びかけたところでございます。これらの情報は市町を通じても県民の皆様に周知を図られているところであり、今後とも、重要な情報を県民にわかりやすく伝えられるよう努めてまいります。  5点目、Jアラートおよびエムネットのシステムについてでございます。  Jアラート──全国瞬時警報システムは、弾道ミサイル情報、緊急地震速報、津波警報など対処に時間的余裕のない事態に関する情報を携帯電話等に配信される緊急速報メールや市町防災行政無線等により、国から住民まで瞬時に伝達するシステムでございます。  また、エムネットは国民保護事案についてJアラートとあわせて配信されるものであり、国から都道府県や市町村に対して、弾道ミサイル等国民保護情報を文書ファイルにより詳細に伝達される一斉送信システムでございます。  どちらにつきましても本県では県と全市町に整備されており、定期的に正常起動するかどうか点検、動作確認を行い、機能保全に努めているところでございます。  最後6点目、避難施設の現状と今後の確保についてでございますが、国民保護法では避難施設は知事が指定することとなっており、現在指定されている施設は、学校や公共施設、公園など合わせて1,009施設でございます。これら施設のうち、屋内部分を有するのは975施設でございます。  地下施設につきましては、ミサイル飛来時の一時的な避難を想定したものでございますが、県内に地下街や地下鉄は存在しないため、地下歩道やトンネルなどについて、避難施設としてふさわしい施設であるかを含めて現在検討しているところです。  指定には管理者の同意が必要となりますことから、まずは県が所有する施設を指定して、続いて市町や民間が管理する施設を指定するという手順で、連携して進めていきたいと考えております。  今後とも市町と連携しながら、屋内施設も含めて、できるだけ多くの施設の確保に努めてまいりたいと存じます。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇)今、地下施設等については、滋賀県の場合は地下鉄もありませんし、あるいは地下街もないと、こういうようなことで、今、知事答弁では、地下歩道でありますとか、あるいはトンネルの調査をしていきますと、こういうようなことでございますが、いささか心もとない感じもいたしますけれども、今、幸い、東アジアの懸念でありました北朝鮮の核装備という問題も、過日の南北会談あるいは2度目の米朝首脳会談等でも、朝鮮半島から核施設をなくそう、非核化というようなことで話が進んでおり、我々にとっては一定明るい兆しが見えるところでありますけれども、やはりテロ等、いつどこで何が起こるかわからない、こういう時代であります。県民のやはり安全、安心という知事の大きな役割があるわけでありますから、万全の態勢を整えていただいて県民の安全、安心を守っていただきますよう、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、県内商工業の活性化について、一問一答でお尋ねをいたします。  2008年9月のアメリカのリーマンブラザーズの破綻をきっかけに、100年に一度と言われる金融危機が発生して、世界でも大恐慌というようなことが起こったのは記憶に新しいところであります。  2012年に発足いたしました安倍内閣、経済の立て直しを最大の政策、公約として、アベノミクス3本の矢を打ち立てたところでございますが、その後、日本の経済はデフレからの脱却を目指しながら、今、立ち直りを見せております。どのような政策にも光と影の部分はありますが、着実に日本経済は回復していると申し上げても過言ではないと思います。  地方では経済回復の実感がないという声がございますし、さきの自民党総裁選挙の争点の一つにもなったところであります。やはり県内景気の動向については税収ということを見逃すわけにはいきませんが、本県において、法人二税は決算ベースで平成27年度413億円、28年度465億円、29年度480億円と順調に伸びているところでございますし、本年度予算でも480億円余りと前年対比53億円程度の伸びを見込んでいると、こういうような状況でございます。  知事は、このアベノミクスの成果をどのように評価をされているのか、まずはお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  いわゆるアベノミクスにつきましては、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体とした経済政策により、全国的には株価やGDP、有効求人倍率の上昇の動きが見られるところでございます。  一方、議員御指摘のとおり、地方や中小企業に恩恵が届いていないとの声も聞かれるところではございますが、本県におきましては、有効求人倍率が昨年6月以降14カ月連続で1.3倍以上の高い水準で推移しており、また、御紹介いただきましたように、法人二税の税収が堅調であること等から、一定評価をしているところでございます。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇)今、知事答弁で、求人倍率であったりあるいは法人二税が順調に伸びていると、こういうことからもアベノミクスの成果というものを評価すると、こういうような話でございましたが、一方、今、新聞紙上をにぎわしております、いわゆる米中の貿易をめぐる対立が大変激化をしております。  24日付でアメリカは2,000億ドル、いわゆる日本円にして22兆円相当の中国製品に10%の関税を上乗せするというような制裁第3弾を発動すると発表して、実施をしようとしているところでありますし、このことによって日本企業は米中の貿易摩擦が深刻化する中で、制裁関税の影響を軽減するため、いわゆる中国進出企業が国内生産に切りかえる企業が増加しているとのことであります。  直接県内製造業に影響が出るとは考えませんけれども、このような世界の動向、いわゆる日本にもそういった関税問題がアメリカとの間で、今、安倍総理、国連で協議がされているようでありますけれども、直接滋賀県に今すぐどうのこうのということではありませんけれども、こういった情勢を踏まえながら、県内経済の今後の見通しというものを知事はどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) 内閣府の9月の月例経済報告によりますと、景気の先行きにつきましては、通商問題の動向が世界経済に与える影響でありますとか、海外経済の不確実性等に留意する必要があるとされております。また、本県が実施しております景況調査によりますれば、原油価格の上昇に伴うコスト増などから、今後の業況の見通しを厳しく見ていらっしゃる企業が多いことや、ジェトロ滋賀貿易情報センターにも米中貿易摩擦に関する相談が寄せられるなど、世界の動向が本県経済に少なからず影響していると捉えているところでございます。  けさの日米首脳会談の結果等も注目しておりましたが、本県を取り巻く貿易構造を踏まえた場合、特に電気機器の輸出が多い県内企業にも影響が及ぶものと認識しており、今後の動向等を引き続き注視してまいりたいと存じます。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇)まずはそういった情勢の分析でありますとか、あるいは経済の動向の先読みということがやはりリーダーには求められていると思いますので、その点よろしくお願いをしたいと思います。  一方、県内の状況を見てまいりますと、商工会議所でありますとか商工会の皆さんからは、後継者であったり、あるいは担い手の問題が喫緊の課題でありますし、深刻な相談が寄せられているところでございますが、この問題につきましては、さきの代表質問で目片議員の方から質問をされました。  そういった中で、知事は答弁で、事業承継が進まなかった場合は4万3,000人の雇用の損失、あるいは金額にいたしますと1,400億円の損失につながるというような御答弁でございましたので、やはりこれは大きな問題でありまして、今後の施策が大変重要であろうというふうに思っておりますので、商工観光労働部挙げて、また県庁挙げての取り組みを要望しておきます。  次に、制度融資は多岐にわたります。今年度、我が会派から事業承継枠なども要望して、一定つけていただいたわけでありますが、全体的に制度融資そのものが利用者の中からは使い勝手が悪いというような声をよく耳にするところでございますが、制度融資に対する利用者の声はどういった声が多いのか、商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  中小企業の皆さんの円滑な事業承継を支援するため、今年度、事業承継のための資金を創設し、年1.0%の最優遇金利を適用し運用しているところであります。  また、申し込み要件の緩和や融資枠の拡大等を求める声を受けまして、開業の際の資金の要件緩和、小規模企業者向けの幅広い使途で利用できる資金の融資枠拡大等、使いやすい資金制度の改善に取り組んできたところであります。
     今後も利用者の方々の声を伺いながら、中小企業の皆様がより利用しやすい制度にしてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇)今、部長からそういう御答弁でありました。確かに貸付金返済が滞るというようなリスクを負ってはいけないというふうに思いますし、それゆえに、貸し付け当初に余りにも厳しい申請手続ではなかなか利用者の要求に応えられないという、こういう相反する部分があるわけでありますが、そういった点をしっかりとこれからも緩和策を考えていくというようなことでありますので、その辺、また御配慮をいただきたいというふうに思っております。  県内中小企業の占める割合は、先般もお話しあったように、99%以上が中小企業と言われております。平成25年4月に滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例を制定いたしまして中小企業の活性化に取り組んでいるわけでありますが、今日までの成果、商工観光労働部長はどのように評価をされているのか、お尋ねをいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  条例の制定にあわせて中小企業活性化推進基金を造成し、平成25年から30年度の間で延べ115事業に約3億3,200万円を充当し、約9割の事業で予定の目標を上回る、またはほぼ目標どおりという評価になっております。  また、10月をちいさな企業応援月間と定めまして、関係機関と一体となって、小規模事業者を初めとする中小企業の魅力や支援策の発信に努めてきたところであります。  この条例の特色でありますPDCAサイクルを回し、企業訪問等で得られた意見や施策の検証結果を次年度以降の施策に反映していくという仕組みを生かすことによりまして、事業者の支援ニーズに即した施策を目標どおり実施することができるようになったと考えております。  しかしながら、中小企業に対するアンケートでは、依然として人材確保育成や販売力強化等に対する支援ニーズは高いことから、引き続きこれらの施策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇)人材確保などに取り組んでいきたいと、こういうような今答弁でございましたので、いわゆる商工会議所であったり商工会というのは地域に根差すそういう団体でありますし、本県の商工業の発展には欠かせない存在であります。その役割は今まで以上にそういった団体の役割というものは重いものがあるというふうに思っているんですが、経営指導活動等については、商工観光労働部長はどのように捉えておられるのか、お尋ねをいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  経営指導員におかれましては、事業者に寄り添いながら販路拡大や記帳指導等のきめ細かい相談等を行い、中小企業の経営力強化のために大変重要な役割を担っていただいていると認識しております。  こうした適切な経営指導が中小企業の販路拡大や新規事業への挑戦につながることから、今まさに喫緊の課題であります事業承継や第二創業などの課題にも的確に対応できるよう、経営指導員の資質向上につながる取り組みを今後も引き続き商工会、商工会議所と一緒になって検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇)商工会および商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律でも、小規模事業者の経営に対し支援をすることが定められております。小規模事業者への補助等についても、先ほどの商工会等の補助の中で部長答弁されて、いただいておりますので、この質問に対してはもう答弁は結構でございます。  過日の京都新聞でしたか、新聞報道によりますと、高島の商工会でありますけれども、地域の基幹産業の将来像を考えるいわゆるアグリビジネス研究会をスタートさせて、御高承のとおり、高島市も人口が減り、食文化も変わる、あるいは農林漁業も変わらざるを得ない、こういうような意識のもとで、高島市が持続可能な地域として残っていくためには農林水産業は欠かせないと、こういうことで全国でも珍しい農林水産部会の発足を来年2月ぐらいに目指したいと。こういうような記事を読んだわけでありますが、こういったいわゆる商工会で前向きな取り組みをすると、こういうような商工会には県としてもやはりしっかりとその支援をしていかなければならんというふうに思っているんですが、こういった問題、積極的な取り組みをしている商工会等々についての支援というのはどういうふうに考えておられるのか、商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  高島市商工会の取り組みにつきましては、農林、水産が合わさった全国的にも大変珍しい取り組みでありまして、地域の特色を生かした大変すばらしい取り組みであると感じております。県としても、このような先進的な取り組みが他の団体の刺激となるよう、県のホームページを通じて紹介するなど、積極的に発信してまいりたいと考えております。  なお、単位商工会の独自の取り組みに対する支援につきましては滋賀県商工会連合会で調整されているところでありますが、県としても連合会に対し、こうした特色ある取り組みが多く採択されるよう働きかけてまいりたいと存じます。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇)高島市選出の立派な議員さんがおられる中でこういう話をするのは大変僣越でございますが、たまたまこの間、新聞を見て、頑張っておられるなというような思いがございましたので、きょうは質問をさせていただいたところでございます。  おのずとそういう頑張っている商工会には連合会が県からいただいた活動資金を配付していく、これは連合会の仕事であろうというふうには思いませんが、やはりこういったところに手厚く事業の支援をしていくということが必要であろうというふうに思いますので、これからまた31年度予算等々組まれる場合には、やはり地元の皆さんと活動する商工会あるいは商工会議所への支援、これが県内の経済、景気の原動力となる団体でありますから、ひとつその辺の御配慮はよろしくお願いをしたいと思います。  と同時に、やはり県の責務として、商工会などこういった団体の職員さんのいわゆる資質の向上、底上げをするということも、これは大きな県の役割であろうというふうに思っております。通常の職員講習だけではなく、企業との情報交換でありますとか、あるいは大学へ行っての研修など、そういった実りある講習といいますか、いわゆるそういう実体験をしていくということが大変大事であろうというふうに思っておりますが、商工観光労働部長はどういうお考えか、お尋ねをいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  職員一人一人の資質向上は結果として団体の組織力の向上につながるものでありまして、県としても大変重要であると認識いたしております。  その取り組みの一環として大学校研修も補助の対象としているところでありまして、また、商工会を初めとする各団体で実施される部会や委員会の場を活用し、企業と職員の情報交換が積極的になされているところであります。  今後とも、本県の商工業の発展のため、商工関係団体と連携しながら、中小企業活性化施策にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆35番(佐野高典議員) (登壇)先ほど来より、知事あるいは部長からも、商工会であったり商工会議所に対する支援を惜しまないというような声であります。これもやはり県内のそういった団体、商工会であったり商工会議所がやはり滋賀県経済の活性化につながっていく一つの母体であろうというふうに思いますので、今後とも、できる限りの支援をお願いをする次第であります。  もうお昼も回りましたので、時間は余っておりますが、これをもって終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、35番佐野高典議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時17分 休憩    ────────────────   午後1時16分 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、30番生田邦夫議員の発言を許します。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇、拍手)生田でございます。  まず初めに、先日、自民党の毎年恒例の郡市政調で近江八幡市役所に伺ったときに、市のほうから、地域手当における自治体職員の給与格差についての要望がございました。  その内容は、地域手当については国の支給地域水準が各地域の実情を必ずしも踏まえていないことを初め、同手当の支給格差が給与の差となり、非支給地域においては、職員の新規採用において優秀な人材確保に影響があるので是正をというものでありました。  私は以前に、この国家公務員の地域手当の不合理性をここで数回説明いたしました。国家公務員の職場があるところのみに、そこの物価の差という理由づけで、わけのわからん地域ランクをつけて上乗せするという仕組みであります。最高は東京の20%の加算で、あとはお裾分けの16、15、12、10、6、3%の6段階の加算であります。県内では、大津、草津、栗東が10%の加算、彦根、守山、甲賀が6%の加算、長浜、東近江が3%の加算であります。ほかの市町は今はありません。そして、そこから派生する介護保険の報酬の地域加算の不合理性を説明いたしました。  さらに、何と、医療診療報酬の中の入院治療費の中に、この地域加算が忍び込ませてあることも説明いたしました。これは、国による同一サービスの提供は日本全国どこでも同一価格という保険制度の根幹を崩すものであります。これは、政府、お上にとっては、できるだけ隠しておきたい事実であります。中身は明らかに官尊民卑と言えます。  国家公務員の給与に対する人事院勧告制度というのがあります。県にも同じ仕組みがあります。民間企業の労働者の平均賃金に合わせて公務員の給与を上げ下げするという仕組みでありますが、しかし、ここにごまかしがあります。民間の平均は実際は年支給額で420万円前後です。しかし、別の一部分の数値、すなわち大手企業の月支給数値のみをもってきて、公務員の平均給与を年720万円前後にするという根拠にしています。  今や、非正規労働者は雇用者全体の4割になっています。結婚などの人生設計を見出すことができない人が多いのです。ごまかしのへ理屈、この勧告制度をいつまで続けますか。これも隠しておきたい話であります。  そして、今回の障害者雇用の水増しがあります。中央省庁、そして地方団体、37府県においても組織を挙げてごまかしていました。滋賀県もごまかしていました。公は障害者手帳で確認していませんから、既に亡くなった人も、何と糖尿病の治療の人も障害者の数に入れていました。人をばかにするのもほどほどにしとけよと、怒りを込めて申しておきます。国会も税務署も裁判所も警察も、他の省庁も行政機関も同じであります。  お上は自分たちに甘く、下々の民には厳しいのです。そして目標達成できなかったときは、公は──公にはなくて──何と民間にのみペナルティーを科しております。しかも、会社の経営内容には関係なく取り立てます。これは第二の税金の取り立てであります。民間企業には、毎年6月1日の時点の障害者雇用数の報告が義務づけられております。雇用率が達成できなければ、1人につき年間60万円納める必要があります。10人不足で600万円、5人不足で300万円の強制徴収であります。  宮尾登美子の作品「鬼龍院花子の生涯」で、政五郎が、通称鬼政でありますが、これの娘役の夏目雅子の決めぜりふをここで申し上げます。「なめたらいかんぜよ」と。  平成31年度予算編成に向けての各省庁の概算要求が5年連続で100兆円を超え、しかも過去最高の102兆7,658億円になったということでございます。 ○議長(川島隆二) 生田議員に申し上げます。もうそろそろ本題に入っていただきますよう、よろしくお願いします。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)もう終わります。すいません。  国の税収は40兆円しかありません。あとの60数兆円、そんな金はどこにあるのですか。社会保障制度改革、財政改革はもはや無理と断言いたします。覚悟がありません。  議会制民主主義は間接民主主義のやむを得ない一つの意思決定の仕組みではありますが、果たして十分機能しておりますか。信用できますか。これはごまかしであります。国会を見ていると情けなくなります。そろそろ別の仕組みを考えてもよいのではないでしょうか。国家の基本の一つは、すべての国民に対する公平、平等性の保障であります。それができなければ、その仕組みを変える権利は民にあるのではないでしょうか。  それでは、議長のお叱りもありましたので、本題に入ります。  医療福祉拠点整備計画、県の教育会館立ち退き請求訴訟の件でございます。  実はきょう、昼御飯にグリーブの焼き飯をいただきました。おいしかったです。けさ、教育会館の駐車場を見ますると、見たことのない宣伝カーがとまっておりました。何と、何とですよ、立憲民主党の宣伝カーでございまして、枝野さんの顔と「まっとうな政治」というスローガンを掲げて置いてありました。既に入ってはるんですね。どこでどう決まったんかわからんですけども。意外に思いました。  実は、以前、ある市で市長選挙が行われました。ある候補者は、ある運動団体と今後の市の残された対策事業の進め方についての覚書をひそかに取り交わしていたといたしましょう。当選して、その線に沿って進めていますが、覚書に沿って市政を進めなくても、利益誘導を目的とした約束をしたことであり、裏取引に当たります。これって選挙違反であります。  滋賀県医師会は、今、本部は栗東市内にありますが、県庁のある大津市に再び戻ることが悲願であります。2014年──平成26年7月13日に滋賀県知事選挙がありました。どんな選挙でも、選挙に出た候補者にとっては、選挙運動としては何でもして当選したいものであります。私やったら、私ならばですよ、こちらから見て選挙違反になりそうなことでも、反対側から見たら選挙違反にならなければ、私だったら何でもいたします。候補者は選挙の最終局面では頭を下げ倒します。電信柱にでも頭を下げるようになるものであります。  この平成26年の知事選の直前に、人の弱みにつけ込んで、県医師会の幹部は知事候補者と会って頼み事をいたしました。当時の医師会長は笠原氏でございます。今、立憲民主党の代表でございます。医師会は、新しい危機管理センターの一角に医師会に入らせてほしいという御要望でございました。しかし、民間の一つの団体を県の危機管理センターの中に入れることは、何ぼ何でもできないという判断でございます。そこで、県庁近くのどこか手ごろなところはないかということになりました。そこでこの土地でございます。今のこの土地でございます。医師会だけではまずいので、各種団体も一緒に1つの建物に入れてという考えになります。  医師会としては、内部留保は約4億円ぐらいしかありませんし、この計画にそんなにお金は出せません。他の団体は恐らくほとんど全然ないと思います。このときに枠組みが決まったようでございます。そして、9月議会での三日月知事の突然の提案でございました。この政策決定の過程をいまだに執行部は説明できておりません。県庁周辺の再開発事業は健康医療福祉部で担うものではありません。重過ぎます。健福の職員は、何で自分たちが矢面に立たんならんねという顔つきでございます。  実は、嘉田前知事から三日月知事に渡されたお荷物が3つございます。  1つ、新生美術館。3つのジャンルを一つに一体的に表現するという無理な話がございます。フランスパリでの日本展で嘉田知事がびっくりしたという話から始まります。しかも、その中で特に滋賀県の障害者の作品が外国人から評価されたことから、えらいこっちゃ、えらいこっちゃというわけで、慌てて当初の新生美術館の方向を転換して、今日の混乱になっております。  2つ目は、国体の主会場を彦根にしたことであります。本当は希望ケ丘に集中させる案が1番でありましたが、知事判定で違って彦根になりました。なぜでしょうか。希望ケ丘の案よりも110数億円高くなる、この彦根中心の国体全体計画のほうを選んでしまいました。  3つ目は、流域治水であります。懐かしきよき時代の生活、水辺の文化を強調するだけでは、やはり生命と財産は守れません。雨の降り方が以前と変わってしまいました。私たちが子供のとき、1時間に50ミリ以上の降雨はめったに経験しませんでしたが、最近、100ミリ以上の集中豪雨が各地で頻回に起こっております。ですから、県行政は時代に合った治水を、水防ではなくて治水をやるべきであります。  しかし、3つの嘉田県政時代の遺産とは違って、この難題、すなわち収益性も求めたこの県庁周辺のにぎわい創生の再開発計画、すなわち医療福祉拠点整備計画は三日月知事が自分でまいた種でございますので、自分で刈り取っていただきたい。この裁判、求める議案が出ておりますが、知事はどうしてもこの裁判を行うつもりですか。もう一度お伺いいたします。 ○議長(川島隆二) 30番生田邦夫議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えをさせていただきます。  医療福祉拠点整備事業は2025年、さらにはその先の将来をも見据えて、県民が安心して生活できる地域づくりを実現するために、県庁周辺の県有地を活用し整備するもの、させていただくものでございます。  医療福祉拠点整備を進めるため、一般財団法人滋賀県教育会館に対し、原状回復をした上での土地の返還を求め、話し合いを行ってまいりました。このような中で、平成29年11月、教育会館側より民事調停の申し立てがあり、6回にわたり進めてまいりましたが、不成立となりました。  県といたしましては、両者の主張が折り合わない中で、裁判所の判断を仰いでできる限り早期の解決を図りたい、図るべきだと考え、今般の提案をさせていただいたところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)同じことをもう一遍お伺いします。裁判をせずに解決する方法はほんまにありませんでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 現時点においては、裁判所、司法の判断を求めるのが最善だと考えております。  この医療福祉拠点の整備は、関係団体を集約したセンター機能でありますとかリハビリ専門職の人材養成といった医療福祉における課題と、県庁周辺県用地の利活用について、一体的なものとして対応すべく検討をしてまいりました。  ぜひ、この一定まとまった一団の県有地を事業対象地として事業者の提案を求めながら、民間事業者のアイデアやノウハウなどの活力も最大限に引き出して、大津駅と県庁を結ぶ重要な位置にある県有地に、県庁周辺地域にふさわしい活用をしていきたい考えているところでございまして、こういったことの解決、一歩進める上においても、司法の判断を求めざるを得ないと考えているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)私は、2025年問題、2040年問題にほんまにど真剣に取り組むつもりがあるんやったら、やめたほうがええというふうに思っております。  これから裁判をするということでございますが、一審と二審やるわけですね。すると、これから最低5年はかかります。そして結論は、民事でございますので、双方の主張を足して2で割るようなものであります。行政財産とか普通財産とかそんなことは関係なく、教育会館が2億5,000万円使って耐震補強工事をしたという事実が考慮され、もしも移転するならば、その土地の工面を含めて、その諸費用を補償することが県がやると、補償するということになります。  私、民事の裁判を幾つもやりましたし、やられましたので、これほど不満足に終わるというものはないと思っております。ですから、ほんまにするんやったら絶対勝てる話。民事では白黒つきません。それの携わった弁護士さんが何がしかのということになるでしょう。  ほんまにこの裁判やったら、今、県の知事が主張されてる方向をこれから5年間ずっと同じように言い続けなければなりません。先ほどおっしゃいました2025年、2040問題を控えて、ここにこだわってたら時代は過ぎていきますけども、刻々と方針も変わりますし、考え方も変わりますし、そしたら県は時代おくれになってしまいます。  それと、裁判は本来の行政の仕事ではありません。仕事しているような雰囲気を漂わしておられますけども、この裁判に携わって、本来の行政の仕事ではないんじゃないしょうか。もう一遍お伺いしますが、縛られます。方針も縛られます。お金もかかります。時間もかかります。得るものは何やいうたら見えてます。  それでも、知事、裁判するんですか。もう一遍お伺いします。 ◎知事(三日月大造) 一定の時間かかりますし費用もかかりますが、裁判所、司法の判断を仰ぐことがこの拠点整備を進めるために最善だと考え、提案をさせていただいているところでございます。  もちろん裁判ですので、どういう結果が出るのか、今、議員のほうからるる御高説賜りましたが、結果の方向性について我々が言及することは避けたいと思います。  また、一定時間をかけてしまうことに対する議員の見解も賜りましたが、もちろん2025年以降のさまざまな医療福祉の課題克服のために、専門資格者を県内においても養成していくことの必要性、また、さまざまな医療福祉に係る諸団体の連携を強化していくためのセンター機能、こういったものは一定の地の利というものも求められる、また県有地の有効活用という課題もある。こういった物事を総合的に解決したり改善、また前進させていく意味において、この当地において拠点整備をさせていただくことが必要であると考えているところであり、そういったものを進めるために、今回、裁判に提訴させていただくことを提案させていただいているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)平成27年の10月のときの県の考え方は、武徳殿、県庁別館、それと第二別館でありまして、このときのこの時点においては、教育会館は計画の中に入ってなかったと思います。それが、いつの間にやら教育会館も含めて、リハビリテーション専門の職員の養成という形をプラスされました。最初は医療福祉センターの話だけでございまして、それを武徳殿、県庁別館、第二別館の中でおさめるという話でございました。  こういう経過をたどったんですが、後でつけ足しで、平成28年の12月にはリハビリテーション大学も含むと、しかも敷地としては教育会館も含むという話になりました。こういう経過をたどっております。  しかしながら、最初言いました武徳殿、県庁別館、第二別館を使うて医療福祉センターという形を考えておりまして、その後でつけ足したのが教育会館の510坪の土地の話と、それからリハビリテーションの専門の養成機関の話でありました。510坪でこのリハビリの大学がおさまりません。そもそもこの2つの事業を、今のをあわせて、教育会館も含めてこの敷地におさめることは不可能でございます。そう思っております。  何ぼ何でも無理があるし、途中で変わって、リハビリの大学もつくるという話がつけ足し、1年後のつけ足しであります。しかも教育会館であります。こうなってきたときに、誰がこの計画の責任を持ってやっとんねやと。このいいかげんさ。  しかも、市場調査とかいう話で、結局、業者任せであります。みずからが自分の力量に合うた計画ではありませんし、ほんまに必要やったら別の場所で、5年待たずにもうとっくに手がけてます。それをしてなくて、いかにも自分たちは仕事しているような顔をしてるのが県の行政であります。私から見たら笑ってしまいますわ。仕事してるようなそぶり示されますけども、実際に仕事はしておられません。もう一遍お願いします、知事。  どうも不可能やと、もっと最初にしなきゃならん、今たちまちしなきゃならんことがあるんじゃないかなと。もう一遍考え直してみたらどうでしょうか。もう一遍だけ。ある一部撤退することは何ら恥でもないし、正解やと思います。このまま裁判を続けるということは、私は、県の医療行政も含めてですけど、責任を果たしているということにならないと思います。どうでしょうか。 ◎知事(三日月大造) まず、議員からさまざまな御指摘なりを断定口調で、副議長から断定口調でいただきましたが、明確な証拠等に基づく御発言として承れればと思います。  また、いつかの選挙に何か話があったような、私からすれば推論のようなお話もございましたが、そういったことは、まず、明確にないということを否定させていただきたいと思います。  また、私が総括させていただいております県庁行政、組織、職員が仕事をしていないのではないかという、議員、副議長のそういう御見解は甘んじて承りますが、仕事をしていないという表現は余りにも少しひど過ぎやしないかということを少し申し上げた上で、今、この敷地面積の見解を問うお話がございましたが、平成29年1月に実施いたしました事業者ヒアリングにおいては、事業者募集要項骨格を示させていただいた上で提案を募集させていただきましたところ、2つのグループから御提案があり、本事業の実現可能性というものを一定確認させていただいたところでございます。  参加していただいた事業者からは、時間があれば事業内容をさらに検討することができるとの御意見も伺ったところでございまして、それ以降も先方からの連絡もございまして、情報交換を行っているところでございます。  また、事業者ヒアリングの実施以降、新たな事業者からの問い合わせもありますことから、事業者の関心、市場ニーズは引き続き一定あるものと理解をしておりますし、先ほど来申し上げておりますように、この県庁周辺の県有地を活用した医療福祉の拠点、拠点センターとしての機能、また、2025年以降、2040年、その先を展望した医療福祉専門資格者人材養成をこういったところで行っていくということの必要性はございますので、そういったことを前に進めるためにも、今、調整が不成立となりましたこの県有地について司法の判断を仰ぐことは必要だと考えておりますので、私どもはそのことの必要性を理解しているところでございます。  以上が私の答弁でございまして、その前の答弁で、調停の申し立ての時期を私の方から平成29年11月と申し上げましたが、平成29年9月の誤りでございましたので、おわびの上、訂正させていただきます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)すいません、またの機会にさしてもらいます。  警察本部長、お願いします。8分しかないので、お願いします。  まず、4月11日夜8時前にありましたこの拳銃の事件でございますが、その後どういうふうに進んでいるか。すいません。飛ばしてまことに申しわけないんですが、時間がありませんので。ちょっと御答弁願います。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)お答えいたします。  本県の現職警察官が職務上貸与されました拳銃を使用して同僚を殺害し逃走するという重大な事案を起こし、地域住民の方々に大きな不安を与えましたことは極めて遺憾であり、改めておわび申し上げます。  被疑者につきましては、4月12日に殺人罪で通常逮捕し捜査を行ってまいりましたが、6月1日、大津地方裁判所に殺人罪と銃刀法違反で起訴され、現在、公判に向けた手続が進められているところでございます。  被疑者は、警察の捜査段階におきましてはストレスのようなものが一気に爆発したなどと供述しているところでございますが、そのほか判明した事柄につきましては、今後の公判への影響もあり、詳細は控えさせていただきたいと存じます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)4月の12日に、8時からですかね、武田警務部長の記者会見、それから、東京で警察庁長官の記者会見がありました。そして、三日月知事の陳謝会見がその12日にございました。しかし、本部長の会見はこの日にございませんでした。本部長の会見がありましたのが4月20日の定例記者会見、写真撮影は許可せず、しかも座ったまま文章を読み上げたのみという報道がございました。私、これ見たとき、あれと思ったんですが、今から見て、本部長、どう思われますか。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  現職警察官が職務上貸与された拳銃を使用して同僚を殺害し逃走するという重大な事案に際しまして、被疑者の身柄を確保した後も、拳銃の回収や、さらなる犯罪を犯していないことの確認などにつきまして私自身で直接捜査指揮をとる必要があったこと、他方で県民の体感治安の回復のためにも、逃走中の被疑者を確保、逮捕したということにつきまして県民に早期に知らせる必要もあったことなどを勘案し、記者発表の対応につきましては、組織を代表して広報部門の責任者であります警務部長において行ったものでございます。
     なお、その後につきましては、私がみずからお話を直接することができる定例記者会見や、ここ県議会の席上におきまして私から直接謝罪をさせていただいたものでありまして、事案の解明が進み、関係者の処分を行う段階となりました5月2日には記者会見の場を設けまして、県警としての謝罪と本件事案への対応等について私からお話しさせていただいたところでございます。  また、定例記者会見の件でございますけれども、定例記者会見のやり方、これまでの通常のやり方に従って、謝罪のコメントを述べたというところでございます。  これらの対応につきましては、できる限りのことをやるべく心がけたものであると考えておりますが、こうした対応につきましては事件や事案によってまちまちでございますので、今後とも事案あるいは事件の実態に即しました適切な対応を図れるよう、不断の努力をしてまいりたいと考えています。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)未成年の巡査が上司を後ろから2発で撃ったという事件でございまして、いろいろ事件に対する対応をしなきゃならんと、それは当たり前だと思いますが、県民にいかに説明し、県民にいかに安心をしてもらうかということも大きな要素だと思います。ですから知事も4月の12日に陳謝してます。  私が言うてるのは、やっぱり警務部長は警務部長やと思います、組織の代表ではありませんから。それはそれなりの、それでええと言われればそれまでですけども、私の感覚から言うたら、組織を代表して臨時に緊急に記者会見するという、それが本来の姿やないかなと。安心してもらう、事件もできるだけ説明しながら、県民に安心してもらうということも一つの大きな本部長の仕事やと思っております。  次に行きます。時間がありませんので申しわけないですけど。  未成年の警察学校出たての19歳の少年に拳銃を持たせる理由、根拠はどこにあるのでしょうか。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  警察官はその職務を遂行するために、拳銃の所持および使用につきまして、警察法、警察官職務執行法および国家公安委員会規則でありますところの警察官等けん銃使用及び取扱い規範におきまして定められているところでございます。  このことは警察官が未成年者であるか否かにかかわらず規定されているものでございまして、本県におきましては、これらの関係法令に基づいて、拳銃が適正に取り扱われるよう指導、教養を徹底していく所存でございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)いろんな法律を解釈しますと、絶対に持たさなきゃならんということはないんじゃないでしょうか。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) 答えいたします。  先ほど申し上げました国家公安委員会規則の警察官等けん銃使用及び取扱い規範におきましては、警察官は、警察手帳のほか、勤務中、次に掲げる装備品等を携帯しなければならないとされておりまして、「けん銃及び弾」ということで規定がされているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)年齢で分けるいうのが全てではないですが、やはり年齢で分けざるを得ないと思います。少年法で守られているいわば未成年、しかしながら、この国家の体制を守ろうとして、治安を守ろうとして、たとえ18、19であろうとも二十以上の者と同じように拳銃を携帯しているという人間に対して、その少年法というものは絶対に適用しなきゃならんもんなんでしょうか。  特に、安心ということからいうて、少年法の61条、本部長としては答えにくいかもわかりません、法律に法律にとおっしゃるかもわからんですが。私の感覚、感情から言うたら、あれだけの今までなかった初めてのような事件を起こしている人間に対して、少年法第61条に照らして、しかも拡大解釈して、あと匿名報道してます。これは努力義務であって、このとおり努めてくださいよという努力義務であって、これ。しかし今回の場合は、自分の気持ちとしては、ここを適用してするというのは、マスコミもそうですけども、マスコミは拡大解釈してやってますし、報道規制を自分らでやってます。  警察は、19の者に未成年の子に拳銃を渡して、なおかつ守りにつけてる。それなりの訓練と教育もして、その者を現場につけた。その責任でいうならば、少年法が61条がどうやこうやとか、まあ、荒っぽい言い方したら悪いですけども、これは気持ち的に言わせていただくと、その子供、子供言うたら悪い、少年のいろんなものを守らなきゃならんですけども、やられた方はどうするんですな。そういうことも考えて、内部においてこれ何とか検討するという気持ちはございませんか。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  お尋ねの件につきましては、今般の事件においての被疑少年の氏名の取り扱い等についてなんだというふうに理解いたしましたけれども、少年が被疑者の場合の報道発表につきましては、議員が今ほど御指摘のあった少年法、それから犯罪捜査機関において匿名が原則とされておりますが、今回の事件につきましては、少年が同僚を射殺後に拳銃を所持したまま逃走した可能性が高かったことから、事件の重大性、緊急性等を踏まえつつ、県民、住民の安全確保を第一に考え、少年自身の保護と社会的利益との均衡、捜査の必要性等を総合的に勘案し、報道各社に少年の実名と顔写真を公表し情報を求めたものでございます。  しかしながら、その後、少年の身柄が確保されたことによりまして、同人を実名で広報する捜査上の必要性が低くなったことなどから、県警察から報道各社に少年法等の趣旨を踏まえた対応をとるように要請したものでございます。  なお、この少年の氏名等の取り扱いにつきましては、少年法等の規定を踏まえた慎重な配慮がなされるべきものであると考えておりまして、今回もその旨を踏まえた対応であったということでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)事件があってまだ半年、半年たってないですね、まだね。個人の問題はあると思います。あると思いますが、そういうことをあるということを想定して、組織としてどう防衛するかということが求められると。100%なしということは、この世の中ですからあり得ない。ある程度想定した段階でこれからは行かなきゃならんと思います。ゼロを目指さなきゃならんですが、それは無理や。何ぼ何でも無理やと思います。  そうすると、一応、半年たっただけではありますが、今の段階として、組織としてですよ、個人の問題だけやというふうに言い切らずに、組織として今後どういう形でこういう形にならないようにすると。たちまち何をされるんか。そして警察全体としてどういうふうにお考えになるか。正直いうて、時代も変わりましたしね、わけがわからんときがあるんです、若い子を見てると。何ぼ、1年9カ月ですか、高校出たての子を教育したとしても、やっぱり見逃してしまうものがあるんじゃないですかね。それを一応想定内に入れて組織としてどうするか。だから今先ほど言いましたように、二十以下の人にはかなり厳密にする。拳銃も渡す子と渡さない子もできる。  本部長、二十になってない子ですよ。私から見たら、世間の子、18、19の子を見てて、何ぼ警察が教育して訓練して規律を重んじたところで、やっぱりこぼれる人は出てくるんじゃないですか。今後の対応として警察どうするんかと。今決まっている段階で結構ですので、短期的に見て今何をしようとしておられるか、お教え願いたいと思います。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) 答えいたします。  今回の事案につきましては極めて特異なものと認識しておりますが、県警察といたしまして大変深刻に受けとめております。  今回の事案の発生を受けまして、4月16日には、規律の振粛と、それぞれの持ち場で職務を誠実に執行することにより治安回復に最善を尽くし、県民の信頼に応えるよう全職員に対し指示したほか、5月31日には臨時警察署長会議を開催いたしまして、警察活動の着実な推進、職員の士気高揚等について指示したところでございます。  また、採用試験の面接官に対する研修や警察学校における臨床心理士によるメンタルヘルス教養など、既に取り組みを始めているものもございますが、現在、採用および採用後の研修のあり方などについて検討を進めているところでございます。  さらに、今回の事案が職員の士気に与える影響は少なくないものと考えておりまして、職場での討議や若手警察官の相談窓口の充実にも取り組んでおります。  このほか、さらに今後公判により明らかになる事柄を踏まえた対策につきましても、今後、必要に応じて検討してまいりたいと考えているところであります。  さらにもう1点でございますが、少年警察官に対する拳銃の所持の是非というところのお尋ねだったというふうに認識しておりますけれども、警察官は職務を遂行するに当たりましては、市民または自己に対する危害が加えられるおそれがあるような凶悪事件等、いかなる事態にも対応を求められることとなります。そのため、未成年者であるか否かにかかわらず、警察法等によりまして拳銃を所持および使用することが認められているものと承知をしているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)もう終わりますが、その昔、石破茂氏が、1つは、警察の部隊も暴力装置という言葉を使いました。そのとおりやと思います。その後、仙谷由人さんが同じく暴力装置という言葉を使いました。私は明らかに暴力装置だと思います。  二十五、六万人の警察の部隊は拳銃も27万丁ある。しかも未成年の警察官に、この間ある報道を見たら、4,700丁の拳銃が渡っている。渡すことになっている。明らかに、明らかにですよ、必要とは言いながら暴力装置の一つでありますから、その責任は持ってもらいたいと思います。  あるところで話したら、38口径を……。 ○議長(川島隆二) 生田議員に申し上げます。質問時間を超過いたしましたので、完結に願います。 ◆30番(生田邦夫議員) 終わります。終わりますけど、ちょっと待ってください。38口径を22口径にするとか、殺傷能力を落とすとかいう工夫をされたらどうでしょうか。1つの提案ですけども、どうでしょうか。これで終わりますから、お願いします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  警察の装備品のことに関してということで、それにつきましては国のほうで検討なりを本来進められるものなんだと思います。  現状を踏まえまして、警察官に備える装備はどのようなものであるべきか等、現場の実情等を踏まえた声につきましては、それを国のほうに届けるということはやってまいりたいと思っております。  あと、暴力装置かどうかというようなお話でございましたけれども、どのような意図を持ってそのような発言をされた方がおっしゃったのか承知しておりませんので、ちょっと何ともそれについてはお答えしかねるところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) ありがとうございました。終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、30番生田邦夫議員の質問を終了いたします。  次に、38番粉川清美議員の発言を許します。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇、拍手)あらかじめ通告をいたしております4項目について質問させていただきます。  1項目めに、介護や認知症対策についてです。  私たち公明党は、現場の声を政策に反映するため、全国で100万人訪問調査活動を実施をしました。特に重要課題として、子育て、介護、中小企業、防災減災の4つのテーマを中心に直接訪問して生の声をお聞きする活動で、現在、アンケート結果をまとめて、生活現場の声やいただいた意見をもとに政治に届けるために取り組んでいます。  介護アンケートでは、介護に直面している人に介護に関する困り事を複数回答可で尋ねたところ、全体の約6割の人が家族の負担が大きいと答え、約3割がいざというときの相談先に悩んでいるともわかりました。  一方で、介護での家族の負担軽減に向けて力になってくれる地域包括支援センターを知っている人の割合は約8割に上りました。同センターを中心とする相談システムが知られてはいるものの、いざというときの相談先に十分になり切れていない可能性があります。介護の負担が家族ばかりにのしかかることがないよう、しっかりとした相談と適切なサービスの調整、提供ができる体制を構築しなければなりません。  また、日常生活で困っていることを尋ねたところ、通院、力仕事、買い物、家事等で、いずれも公的な介護保険サービスではカバーできない項目で、住民を初め多様な担い手による地域の支え合いの体制づくりが重要です。  超高齢化社会を迎える中で誰もが安心して地域で暮らし続けられるよう、今回のアンケートを通じていただいた貴重な声をもとに、以下、一問一等で質問させていただきます。  1点目に、介護保険料負担軽減についてです。  高齢化が進む我が国にあって介護保険制度をどう維持していくか。とりわけ保険料負担の緩和が求められています。65歳以上の高齢者が支払う第7期、2018年から2020年度の介護保険料の全国平均が月額5,869円で、これは第6期から6.4%、額にして355円の増額で、介護保険が始まった2000年度の平均保険料の2倍を超えるものです。  厚労省は、保険料の平均が2025年度に最大約7,200円、高齢者人口がピークに近づく2040年度には最大9,200円まで上昇すると推計していますが、滋賀県の介護保険料の推移について、健康医療福祉部長に伺います。 ○議長(川島隆二) 38番粉川清美議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  本県市町におけます65歳以上の介護保険料の月額平均は、2000年の介護保険制度開始時は2,695円でございましたが、本年度から3年間の第7期におきましては5,973円となっております。前期である第6期からは410円、7.4%の上昇となっているところでございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)実際、今回のアンケート調査でも保険料がもう少し安ければといった声が多く、既に高齢者の負担感は強い状況と思いますが、保険料の上昇を抑える仕組みづくりが必要と考えます。  滋賀県の保険料の負担軽減の取り組みについて、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県では、介護保険料の負担が少しでも軽減されるよう、介護度を下げ介護給付費の削減につながるような取り組みを進めております。  具体的には、自立支援や重度化防止に向けまして、多職種が集まり支援の検討を行う地域ケア会議の開催や、介護サービスが必要以上に提供されることがないよう、データを活用した分析と対応等の取り組みに対しまして、アドバイザー派遣を行ったり研修会を開催するなど、市町の支援を行っているところでございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)先ほどの答弁で滋賀県もそうでしたが、大半の自治体が保険料を引き上げる中、保険料を引き下げた自治体が全国90に上っています。なぜ保険料引き下げが実現できたのか。主な要因として挙げられるのが、介護予防事業による要介護認定率の低下です。  例えば長崎県佐々町は、2008年に介護予防ボランティアの養成を開始し、修了者による体操や手芸の介護予防活動などが効果を上げ、当初20%を超えていた要介護認定率が13%台に低下し、その結果、ことし4月から保険料が344円引き下げられました。  また一方で、今回のアンケートの中でも、介護予防のため地域でボランティア活動をしたいがきっかけがないとの声があり、高齢者の社会参加を促す政策の実施が重要と感じました。介護支援ボランティア制度や高齢者ボランティアポイント制度による高齢者の活動が介護予防につながる事例も報告されています。  保険料負担軽減につながる先進的な介護予防の取り組みを参考にし、介護予防ボランティアの養成や介護支援ボランティア制度や高齢者ボランティアポイント制度など、具体的に介護保険料負担軽減に取り組んでいただきたいが、今後の取り組みについて、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  高齢者のボランティア活動を初めとする社会参加につきましては、県内の4市におきましてボランティアポイント制度を設けておられるところでございます。  いずれの市におきましてもいまだ保険料の軽減効果の検証には至っておりませんが、ボランティアポイント制度に参加した高齢者が1年間で100人以上増加した市もございまして、今後、介護予防や自立支援を推進する上で効果的な手法の一つと考えております。  県といたしましても、こうした県内の取り組みや県外の先行事例の情報収集に努めますとともに、研修会等のさまざまな機会を捉えて情報提供を行い、各市町において創意工夫をしながら保険料の負担軽減に向けた取り組みが行われるよう、支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)この高齢者ボランティアポイント制度の財源は国の地域支援事業交付金の活用が可能でもありますし、他都市でも成果を上げています。今、部長がおっしゃっていただいたように、ぜひ県と市町の連携で、より進めていただきますようにお願いをしておきたいと思います。  2項目めに、認知症対策についてです。  急速な高齢化に伴い、65歳以上の認知症患者は、現在の約500万人から2025年には約700万人になると見込まれています。65歳未満の若年性認知症の問題もあります。家族の負担や老老介護や、また、介護をする人もされる人も認知症を患っているなども深刻な状況です。  認知症になっても人として尊厳を失わず生きられる社会を実現するため、早急に、また着実に施策を推進する必要があると考えますが、健康しがを掲げる知事として、認知症社会に対する認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えします。  本県におきましても2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になると見込まれておりまして、誰もがかかわる可能性のある身近な病気であるという認識を持ち、県民の誰もが認知症を我が事と捉えることが必要であると考えます。まずは認知症の発症に影響する生活習慣病等の予防や、早期発見、早期対応による重症化予防などに努めることが大切であると存じます。  そして、地域における認知症の理解を進め、認知症になってもその人らしく活躍し、ともに支え合いながら、安心して暮らせる共生社会を目指してまいりたいと存じます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)それでは、次に、認知症社会に対する具体的な取り組みについて伺います。  公明党は、国や自治体を初め企業や地域が力を合わせ、認知症の人やその家族を支える社会を目指す認知症施策推進基本法の骨子案をまとめました。認知症対策をどう強化していくかは喫緊の課題であり、国や自治体が施策を推進する上で根拠法となる基本法を制定する意義は大きいと考えています。  また一方、地方自治体でも国の新オレンジプランの充実のために、認知症とともに歩む社会の実現を目指した条例の制定や認知症に優しい地域づくり──オレンジタウン構想を進めるなど取り組みが広がっていますが、例えば認知症に関する条例制定など、滋賀県においても認知症社会に対する具体的な取り組みを推進するべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 本県では、レイカディア滋賀高齢者福祉プランというものを定めまして、このプランにおきまして、認知症の人や家族等に優しい地域づくりを施策の大きな柱の一つに掲げているところでございます。  取り組みに当たりましては、認知症の有無にかかわらず、住みたい地域で地域の人々と交わりながらその人らしく安心して暮らすことを目指す姿といたしまして、認知症の人を社会で支える仕組みづくりを進めているところでございます。  今、議員からは、党で御検討中の基本法の骨子案についても御言及いただきましたが、そういった国等の動向も我々しっかりと見つつ、認知症に関する条例を制定することについては現時点考えておりません。  今後も、まずはプランに基づきまして地域のさまざまな人たちの参画を得ながら、地域住民による見守りネットワークの構築ですとか企業における認知症サポーターの養成、さらには成年後見制度の利用促進による権利擁護などの取り組みを着実に進めながら、認知症の人にも優しい滋賀の社会づくりを進めてまいりたいと存じます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)条例が全てではないとは思いますけれども、現プランや取り組みで将来の状況に対応できると考えておられるのか。知事に再度伺います。 ◎知事(三日月大造) 時の経過と同時に、また、長生きできることに伴って認知症になられる方がふえたり、また、認知症で悩まれる御家族の方々がふえているという状況がございます。  そういったことを踏まえましてこのプランを定め、今答弁で申し上げたような施策をやっておりますが、それで十分かどうかも含めて、しっかりとその時々検証をしながら、これからの社会に必要な諸施策を構築してまいりたいと思いますので、今のままで十分ということでなくて、しっかりとプランを実行しつつ、不断の検討を行ってまいりたいと存じます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)ぜひ検証等を通じてしっかりとした対策を推進していただきますようにお願いを申し上げます。  次に、軽度認知症の検査についてです。  今回のアンケート調査で、介護に直面していない人に自分が介護を必要になったとき一番困ることを聞いたところ、経済的な負担と並んだのが自分が認知症になったときで、認知症への不安が目立ちました。認知症対策の充実が求められると同時に、まず、将来の認知症予備軍と言われる軽度認知障害を早期に発見して、早期に予防に取り組むことが重要と考えます。  軽度認知障害は日本で400万人おられると言われ、そのうち毎年10から20%の人が認知症に移行することがわかっており、認知症予備軍とも言われますが、予防の成果も得やすく、認知症予防の最も重要な対象者と考えられています。  認知症の診断の専門資格を有する人材は極めて少なく、地域の健診で採用するのは難しい状況と聞いていますが、タッチパネル式コンピューターを用いたスクリーニング、物忘れ相談プログラムなどは、簡単に軽度認知症を疑ってみる結果があらわれるといいます。このような検査を実施して軽度認知症を早期に見つけて、早期に予防策を実践することが重要と考えますが、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県内でも8つの市町におきまして、啓発イベントや物忘れ相談等の事業にあわせまして、タッチパネルやチェックリストを用いたスクリーニングが行われております。こうしたイベントや相談とあわせて行う簡易な認知症の検査は、誰もが気軽に受けることができまして、認知症を早期に発見する上で効果的と考えております。  今後は、多くの市町でこのような早期発見の取り組みが行われるよう支援をいたしますとともに、それぞれの地域で認知症の診断がしっかりと行われるよう、認知症相談医や認知症サポート医の拡充を進め、地域で早期に対応できる体制づくりに努めてまいりたいと存じます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)次に、認知症対策についてです。  今回のアンケート調査では、国の新オレンジプランで各市町に義務づけられている認知症初期集中支援チーム事業について、介護に直面する人の間でも認知度が極めて低いことも明らかになり、その周知が急がれます。県内全市町で取り組んでいる認知症初期集中支援チームについて、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  認知症初期集中支援チームは認知症サポート医と看護師や介護福祉士等で構成されまして、今後の支援方針を検討したり、実際に訪問し、早期に治療につなげるための支援を行っているところでございます。こうした支援によりまして、速やかに適切なサービスにつなぐことができたり、本人や介護者の混乱が抑えられ、安心した生活につながったなどの効果が見られるところでございます。  今後は、支援を必要とされる方にこうした取り組みが行き届くよう、県民の皆様や医療福祉関係者に対しまして、県のホームページや研修会などの機会を捉え、周知に努めてまいりたいと思っております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)このチームは1つの市で原則1チームですけれども、こういう状態の中で対象者に対応できているとお考えでしょうか。健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 実際、この支援チームが必要な方に十分行き届いているのか、あるいは必要とされながら待つことがあるのか等、すいません、私、今まだ実態が十分わかっておりませんので、十分にそのあたりを調べまして、対応が必要でありましたらまた考えてまいりたいと思います。
    ◆38番(粉川清美議員) (登壇)ぜひ、実際の支援制度が現場で生かされているのかどうかも含めて、しっかりと認識をしていただきたいと思っております。  ほかにもさまざまな支援制度がありますが、知らない、また使いづらいなど課題があります。必要とする人に情報が届き、必要とする制度が実施されることが重要で、そのためには患者本人や家族の意見を反映した制度をつくることが求められますが、いま一度、認知症対策や支援制度について利用者目線でのチェックをすることが重要と考えますが、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  議員の御指摘のとおり、認知症の人やその家族の視点に立って施策を進めているということは基本的なことだと考えております。  そのため、県といたしましても、認知症の人と家族の会や介護福祉士会等、関係の団体との意見交換を一層密にいたしますとともに、支援あるいは施策の立案に当たる職員が認知症の人を理解いたしまして、利用者目線で制度や施策をチェックし、また立案ができるように、職員の育成に努めてまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)また患者本人とか、先ほども言いましたが、家族の意見を反映した制度となりますような取り組みをお願いをしたいと思います。  次に、認知症サポーターの活用についてです。  認知症サポーターは日常的な見守りなどのボランティア活動に携わる者で、認知症の原因や症状、本人への対応などを学ぶ養成講座を受講する必要があり、現在、滋賀県の認知症サポーターの数は約19万4,733人で、総人口に占める割合は約13.9%で全国4位となっています。全国的に養成は進んでいるものの、実際は活動できていない人も少なくありません。私も講座を受講し、認知症サポーターとして認定するオレンジリングをいただきましたが、具体的な活動にはつながっていません。  認知症の人とその家族に優しい地域づくりを目指して、厚労省は来年度から、認知症の人と認知症サポーターをマッチングするオレンジリング(仮称)事業を始める方針と仄聞しています。サポーター制度の周知とともにオレンジリング(仮称)事業を実施して、認知症サポーターが地域で活躍できる場づくりや、地域コミュニティーでの見守り体制の構築を推進していただきたいと思いますが、健康医療福祉部長の見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 認知症サポーターは特別なことを行っていただくのではなく、認知症を理解し温かい目で見守る応援者として養成されてきたため、活動を行いたいと考えるサポーターを支援につなげる仕組みづくりができていなかった面がございます。  県といたしましても、認知症サポーターは認知症の人を社会で支える重要な一員と考えておりまして、今後、積極的な活動に結びつけられるよう、各市町や団体で取り組まれている認知症カフェやサロンで活躍されるボランティアの実態把握にも努めながら、オレンジリング事業の活用を検討してまいりたいと思っております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)超高齢化を迎える中で誰もが安心して地域で暮らし続けられるように、将来を見据えて間違いのない施策を実施していただきますように要望し、この項の質問を終わります。  2項目めに、切れ目ない子育て支援についてです。  母子の健康と子供の健やかな成長のため、これまで妊娠期から出産育児期までの切れ目ない支援を推進するため、国においても市町の支援拠点となる子育て世代包括支援センターの開設準備事業や、産後ケア事業、産前産後サポート事業など、市町の事業を応援してきました。  しかし、今回私たちが実施した子育てアンケートでは、国が推進していると言っても現実はその取り組みに市町で大きな差があり、必要な支援は県内どこに住んでいてもサービスが受けられるようにしてほしいなどの多くの声をいただきました。  まず、このような県内の子育て支援の充実に向けた子育て世代の声について、知事の見解を伺います。 ○議長(川島隆二) 粉川議員に申し上げます。分割形式だと思いますが。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)失礼しました。  次に、市町の子育て世代包括支援センターについてです。  子育て世代包括支援センターは、出産や子育てに関する相談など必要な支援をワンストップで受けられる施設で、国では2020年度末までの全国展開を目指し、立ち上げる経費の補助を行うなど整備を進めてきましたが、県内の状況や県としての取り組みについて、また、設置している市町でも箇所数に大きな開きがあります。市内に1カ所では身近に支援を受けにくいとの声が寄せられていますが、身近なところでワンストップの支援を受けられるために、県として今後どのように取り組んでいくのか、健康医療福祉部長に見解を伺います。  3点目に、妊婦健康診査、妊婦健診についてです。  母親の出産年齢の上昇や低出生体重児が増加傾向にあることなどを踏まえ、妊娠中は母体や胎児の健康の確保を図る上で定期的な妊婦健診を受診することが重要として、妊婦健診の公費負担が実施されていますが、公費助成の額には大きな差があります。  毎回の健診時に自己負担があり妊婦健診の負担感が大きいとの声が寄せられていますが、母子の健康を守るために、安心して受けられるように自己負担がない制度にするべきと考えますが、県の見解と対応について、健康医療福祉部長に伺います。  4点目に、産婦健康診査、産婦健診についてです。  出産後間もないお母さんから、出産後数日間は病院で手厚い支援があるが、退院後は自宅での子育てで、授乳や新生児への対応など初めてのことばかりで不安といった声や、出産後のお母さん自身の体調の戻りが遅い場合などは、このままもとの体に戻らないのではないか、どうしていいかわからないなどの不安の声が寄せられています。まさしく産後の支援が必要なケースと言えます。  産後鬱の予防や新生児への虐待予防などを図る観点から、出産後間もない時期の産婦に対する健康診査の重要性が指摘され、国では昨年から産婦健診事業が創設されました。産婦健診は自己負担すればほとんどの出産病院で受診できますが、公費負担のない市町では病院と行政の連携がないために、その結果が行政に届かず、産婦健診で明らかになった母子への支援に対応できない現実や課題があります。  出産後間もない母親の状態を把握し支援が必要な母子への対応をするために、全ての市町で実施することが重要と考えますが、県の見解と今後の取り組みについて、健康医療福祉部長に伺います。  5点目に、産前産後の支援事業についてです。  国は、産後の母子に心身のケアなどを行う産後ケア事業や子育て経験者による相談支援などを通して、母親の不安や孤立感の解消を図る産前産後サポート事業の支援を行ってきましたが、県内市町の取り組み状況や課題について伺います。  また、支援を提供する人材の確保も重要です。例えば、出産する女性や産後の女性に寄り添い、生活に必要なさまざまな世話をするドゥーラと呼ばれる専門家は、欧米では一般的な存在です。近くに親がいない場合など、福祉を重要視する観点から、このような専門家は大変心強い支援になります。母子の心身のケアや、大きくは少子化対策としてもこのような人材の確保育成に取り組むことが重要と考えますが、健康医療福祉部長に見解を伺います。  最後に、子育て方法などの情報提供についてです。  アンケートの中で、親として子育て方法やしつけが心配でインターネットなどで検索するが、情報がいっぱいで、かえって迷ってしまうとの声が寄せられています。子育て方法やしつけの仕方など、県の子育て講座等を開設してDVD化やネットによる動画配信を実施し、正しい情報提供で子育て世代を応援することを提案しますが、健康医療福祉部長に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 切れ目のない子育て支援ということで7点御質問いただいたうち、私には1点御質問いただきました。  子育て支援の充実に向けた子育て世代の声についてでございますが、自分の住んでいる地域で安心して子育てをしていくことが県民の願いであると存じます。しかし、地域のつながりの希薄化などにより妊産婦や子供を地域で支える力が弱くなり、妊娠、出産、子育ての不安や負担がふえ、また支援ニーズが多様化している現状がありますことから、県民の願いを実現していくためには、子育て支援のさらなる充実が必要であると認識しています。  昨年度改定を行いました滋賀県保健医療計画におきましては、子育て世代包括支援センターや産前産後サポート事業、産後ケア事業につきまして、平成32年度末までに県内全ての市町で取り組まれることを目標として掲げておりまして、県として市町の取り組みに対して支援を行っていくことで、県内どこに住んでいても、誰でも妊娠期から子育て期にわたり切れ目なく必要なサービスが受けられるよう、引き続き市町と一緒になって取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 切れ目ない子育て支援について、私への6点の質問のうち、1点目の子育て世代包括支援センターについてお答えをいたします。  県内の子育て世代包括支援センターの設置状況は、平成30年4月現在、17市町34カ所となっておりますが、2市町においていまだ設置がされておりません。  先ほど知事からお答えいたしました保健医療計画の目標達成に向けまして、県としては各市町の担当者や保健所担当者等からなる意見交換の場を設けまして、全国の先進事例や県内の先進事例、センター設置に当たっての課題等を共有するとともに、市町の担当者向けの研修会を実施しているところでございます。こうした取り組みを引き続き行っていくことで、市町がそれぞれの実情に応じた相談支援体制が構築できるよう支援をしてまいりたいと考えております。  次に、2点目の妊婦健康診査の自己負担についてお答えをいたします。  妊婦健康診査につきましては、県内全市町におきまして、厚生労働省が示しております妊婦に対する健康診査の望ましい基準に基づいた内容の14回の健康診査が実施をされております。  妊婦健康診査につきましては保険診療ではございませんので、本人が選択する医療機関によって費用に差がありますほか、それぞれの市町の判断によりまして公費助成上限額に違いがありまして、一部自己負担に差が出ていることは承知をいたしております。  県といたしましては、県民の皆様が適切に健康診査が受けられるよう、各市町とともに取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、産科医療機関や市町担当者を交えた会議を毎年開催し、その中で全国の状況、県内市町における実施状況や課題を共有し、改善点について意見交換を行い、県内における適切な実施体制の確保に努めているところでございます。  3点目の産婦健康診査事業についてお答えいたします。  議員御指摘のように、平成29年度から産後鬱病の予防や新生児虐待予防を図る観点から、産婦健康診査事業が国において創設されておりまして、県といたしましても全ての市町において実施されることが望ましいと思っておりますが、現状では県内では2市の実施にとどまっているところでございます。  市町が産婦健康診査事業を行うに当たっての課題の一つとして、県内の産婦健康診査を実施する産科医療機関のうち、国の事業の要件を満たすものの割合が34.5%にとどまっていることがございます。  また、産婦健康診査の結果、支援が必要とされた産婦に対しまして適切な支援につなぐためにも、産科、精神科、市町による連携体制の構築が重要でございますが、その構築が難しいとのお声もいただいております。  こうした状況を踏まえまして、県としては、関係者に産婦健康診査事業の重要性を理解いただくとともに、スキルアップを図るために、県産科婦人科医会や県助産師会とともに医療機関や市町職員向けの研修会を開催し、産科、精神科、市町が連携して支援できる体制整備を進めていきたいと考えております。  4点目の産後ケア事業や産前・産後サポート事業の市町の取り組み状況や課題についてお答えをいたします。  県内市町の取り組み状況につきましては、平成30年6月時点で、産後ケア事業につきましては、宿泊型は12市町、デイケア型は13市町、訪問型は5市町が実施をいたしております。また、産前・産後サポート事業につきましては15市町が実施をいたしているところでございます。  課題についてでございますが、産後ケア事業や産前・産後サポート事業につきましては、市町が本格的に取り組むようになってまだ2年程度しか経過をしておりませんので、実施に当たっての課題はこれから把握をしてまいりたいと考えております。  既に事業を実施している市町の課題や、まだ実施に至っていない市町の課題を聞き取りまして、その結果を踏まえ、好事例や課題等について市町担当者と意見交換を行い、必要な支援について検討してまいりたいと思っております。  5点目の妊産婦の生活支援等を行う人材の確保、養成について答えいたします。  御提案の妊産婦の生活支援等を行う専門人材の確保、育成についてでございますが、妊産婦が負担軽減のために気軽に利用できる支援サービスは、産後鬱等のリスクの予防、早期発見の観点からも意義があるものと考えております。  全国の事例を見てみますと、東京都板橋区などでは、妊娠中から1歳未満の乳児のいる家庭等に対しまして区が実施する養成講座を受講した者を育児支援ヘルパーとして派遣し、家事援助、生活援助を行う事業などを行っておられます。  県としましては、まず、こうした先行市町における取り組みの実施状況を把握いたしますとともに、母子保健施策について医療関係者や県内市町担当者で検討を行う妊産婦ケア検討会や母子保健等情報交換会などの場を活用いたしまして、県民支援のニーズやそのニーズに応じた人材の確保、育成について、意見交換を行ってまいりたいと考えております。  最後に、6点目の子育て方法の情報提供についてでございます。  さまざまな子育て情報が氾濫している中で、議員御提案のように、行政が映像等を活用して子育て情報をわかりやすく提供することも大切であると考えております。  県におきましても、厚生労働省が作成をしております乳児の泣きへの対処方法や、揺さぶり等やってはいけない行為等を解説したDVDを保健所や市町に提供いたしまして、乳幼児健診等の場を活用して子育て家庭へ普及啓発を行っているところでございます。また、これらの映像はホームページで閲覧することも可能となっております。  一方で、子育て方法につきましては、子供一人一人、また同じ子供でも状況により対応が異なりますことから、専門職や子育て経験者等に直接相談できるような機会の提供が重要と考えておりまして、産前・産後サポート事業等の県内市町におけます展開、事業内容の充実について、県としても市町の取り組みを支援していきたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)国も重要視し支援しています出産後間もない産婦への支援、産婦健診については、今、県内では2市しか実施をされていないということもありました。ぜひ全市で実施をしていただきまして、産婦への支援の重要性を確認し充実をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、3項目めに、精神科救急医療相談について伺います。  本年3月に改定された滋賀県保健医療計画において、精神疾患について、精神障害の有無や程度にかかわらず、本人が望む地域で望む暮らしを安心して送ることができることを目指す姿としています。  県内の精神疾患の患者数などがふえ続けている一方、県内の精神科医療機関においては、特に精神病床の人口当たりの病床数は47都道府県中45位と少ない状況です。県は入院期間の短縮、外来診療の充実を図り、なるべく入院に頼らない精神科医療を提供しているとしていますが、県民の方から切実なお声を聞いています。  病気を抱えながら、現在はグループホームを出て働きながらひとり暮らしをされていて、日常においてはかかりつけ医の医療を受けていますが、休日や夜間にぐあいが悪くなった場合は、県の精神科救急医療相談電話を利用して診察してくれる病院を紹介してもらい、自分で病院に行っている、安心してひとり暮らしができるので本当に助かると県の精神科救急医療相談電話制度を評価する一方で、この制度が午後9時半までとなっていて、それ以後の時間は対応がなく不安な夜を送ることがあり、24時間いつでも安心できる対応をしてほしいとの切実な声をお聞きしています。  かかりつけ医が対応できない休日や夜間における相談や医療は時間に関係なく必要となる場合があり、24時間対応が求められています。また、全国の状況を見ても多くの県が24時間対応しています。精神疾患の患者さんが安心して暮らせるように、精神科救急医療相談電話や相談体制の充実を求め、以下、質問します。  まず、先ほどもお尋ねしましたが、健康しがを掲げる知事として、この精神科救急医療相談についての見解を伺います。  次に、精神科救急医療相談電話の利用状況や課題について、健康医療福祉部長に伺います。  次に、精神科救急医療相談電話について、夜間や休日など、かかりつけ医が対応できない時間を全て対応するように求めるものですが、健康医療福祉部長に伺います。  最後に、県の相談窓口は精神科救急医療相談電話だけでなくさまざまな相談窓口がありますが、そのほとんどは午前9時から午後9時、10時までとなっていて、例えば自殺に関する専用の電話相談ですら9時から21時となっています。対応時間など利用者の立場に立った相談体制が必要と考えますが、健康医療福祉部長に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 精神科救急医療相談について4点賜りましたうち、私には、1点目、精神科救急医療相談についての見解ということでございますが、精神疾患のある方は、疾患の特性から症状の重さを自覚しづらく、受診しないまま症状が悪化することがあることから、悪化の兆候に気づき、適切に医療機関の受診や服薬などを行うことが必要であるということでございます。このため、夜間や休日において本人や御家族が受診など適切に対応できるよう、精神科救急医療相談電話を設置しているところでございます。  精神科救急医療相談電話では、処方された薬の服用についての助言でありますとか、必要に応じて受診する医療機関の連絡調整などを行っており、精神疾患のある方が安心して地域で暮らしていくために重要な役割を果たしていると認識しております。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 精神科救急医療相談について、私への3点の御質問のうち、1点目の相談電話の利用状況や課題についてでございます。  精神科救急医療相談電話は、緊急性の高い相談に対応することを目的といたしまして、精神保健福祉センター内に設置をいたしております。平日は18時30分から21時30分まで、休日は9時半から12時まで、13時から17時まで、18時30分から21時30分まで相談を受け付けております。  利用状況につきましては、平成24年度までは年間400件前後でございましたが、平成25年度に休日の電話対応時間を延長しました結果、相談件数は666件と増加いたしました。また、直近の平成29年度は1,146件となり、前年度比で362件増加したところです。  課題といたしましては主に3点ございまして、1点は、眠れないなど救急医療以外の相談があること、また2点目として、特定の方からの複数回の電話があり、ほかの相談の方が電話がかかりにくくなっているというようなこと、そして最後に、議員からも御指摘がありましたが、全国的に24時間対応が広がっている中で、本県では24時間対応ができていないというようなことでございます。  2点目の対応時間の充実に対する見解でございます。  精神保健福祉センターにおきましては、21時30分以降も、本人や家族の要請により救急隊等が搬送し、受け入れ医療機関が見つからない場合に、搬送先を紹介するなどの対応を行っているところでございますが、同センター内の精神科救急医療相談電話を夜間休日のいつでも対応できるようにすることがより望ましいと考えております。  一方、勤務時間が深夜、休日であることなどから電話相談員の確保が難しいことや、受診の必要な方を夜間、休日を問わずその場で医療機関に紹介するためには、対応していただく医療機関側の体制の確保や理解が必要であるなどの課題もございます。  最後に、3点目の利用者の立場に立った相談体制の見解についてでございます。  精神疾患のある方の相談電話といたしましては、精神科救急医療相談電話のほか、こころの電話や各保健所での相談がございますが、御指摘のとおり、いずれも24時間の対応とはなってございません。  各電話相談はそれぞれ対応できる相談範囲が異なりますが、まずは、緊急性が高く、かつ精神科医療に関する専門的な相談など幅広く対応できます精神科救急医療相談電話の充実が必要であると考えております。  どのように充実していくことが望ましいのか、相談内容の詳細な分析や他府県での事例も参考にしながら、医療機関や警察、消防、保健所などで構成いたします精神科救急医療システム調整会議で議論をしてまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)知事の答弁の中で、精神科疾患の患者さんが安心して暮らせるように、この医療相談電話については重要な役割を果たしていると、部長のほうもそうでしたが、認識を述べていただきました。  いろいろと課題はあると思うんですが、やはりどうして9時までに区切ってしまうのと、9時まではやってくれているじゃないのという、利用者側からすればそのような思いがあります。課題を一つ一つ解決していただきまして、24時間安心して、緊急入院しなくても、自宅でそういった安心した生活が送れるような体制をしっかりと整えていただきたいと思っていますし、また、先ほども言いましたが、相談窓口は本当にいっぱいあるんです。別にこんなにいっぱい同じ時間やってなくても、少しずつ時間をずらすなど、工夫ができないかと思いました。  たくさんある相談体制を一度総点検して、またいろいろと協議をしていただく中で、いろいろな分野をそれぞれが分担していただいて、どこかで24時間電話をすれば対応していただけるような相談体制の充実に向けましてもぜひ議論をし、検討し、実現をしていただきたいと、そのように思っておりますので、よろしくお願いいたします。  最後に、滋賀県犯罪被害者等支援推進計画素案について伺います。  本年4月に施行された滋賀県犯罪被害者等支援条例の規定に基づき、滋賀県犯罪被害者等支援推進計画策定に向けた取り組みが推進されており、犯罪被害者等支援に関する総合的かつ計画的な施策が推進されることに大きな期待が寄せられています。  犯罪被害者は心身ともの傷を一生負って生きています。被害者に寄り添った支援や犯罪被害者に対する社会の理解が進み、社会全体で支える滋賀の構築を目指して、すばらしい滋賀県の推進計画が実施されることを願っているところですが、どのように犯罪被害を支援していくのか、知事の見解を伺います。  次に、計画素案で明記している事業はこれまでの取り組みをまとめたように感じましたが、条例に基づく新しい施策について、知事に伺います。  3点目に、子供たちの犯罪被害への対応について、知事に伺います。  まず、子供たちの被害にどう対応し守るのか。学校現場での取り組みが重要です。特に性被害は届ける人が1割程度と言われていて、中でも特に子供の場合は表面化しにくいと言われています。被害者と認定されない現実の中で、子供の性被害者をどう守っていくのか。相談体制や教師向け研修や生徒への教育、周知啓発など、子供たちの性被害にどのように取り組むのか伺います。  また、計画素案では、学校や心の教育相談センターなどの対応についてスクールカウンセラーや臨床心理士の活動を記載していますが、現状でも教育現場に配置されています。被害者が出た場合の対応について明確にする必要があると考えますが、その状況について伺います。  また、被害者支援に特化した専門的なカウンセラーの対応も求められ、今後、そのような人材が必要と考えますが、見解を伺います。  4点目に、犯罪被害者支援について、県民生活部長に伺います。  ひとり暮らしの高齢者から相談を受け、犯罪被害者支援団体に大変お世話になりました。相談の方は、電話相談から始まり、面談、病院や裁判の付き添いなど、心身ともに傷ついた被害者への支援は本当に生きていく支えと言われていました。しかし、人員や時間的制約など課題は大きく、本当に立ち直るまでの継続的な支援は難しいのが現状です。  条例や計画策定を機に、被害者が生きていく支えである、被害者に対する寄り添う支援の充実を推進するべきと考えますが、見解を伺います。  また、平穏な生活への復帰に向けた支援についてです。  例えばこの相談者は、自宅で被害に遭い、恐怖と不安な精神状態から自宅に住めずに、行くところがなく、公営住宅の一時入居を希望されましたが、持ち家があるため希望はかないませんでした。犯罪被害者への県の住宅支援は、倍率優遇の県営住宅優先入居制度と一時緊急対応の県営住宅目的外使用許可制度がありますが、持ち家がある場合は原則県営住宅の条件に合わないので対象外となります。  犯罪被害者等支援推進計画素案では、各種福祉制度などを活用した犯罪被害者等の日常生活への復帰に向けた支援を進めるとしていますが、これまでの制度の活用だけでなく、何が必要で、どう対応するのかなど、被害者の立場に立った支援を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 滋賀県犯罪被害者等支援推進計画素案につきまして、6点全体で賜りましたが、私には4点御質問いただきました。
     まず1点目、どのように犯罪被害者を支援していくのかということについてでございますが、犯罪被害者等が一日も早く平穏な生活を営むことができるよう、その置かれていらっしゃる状況を理解し、県民みんなで犯罪被害者等を支え、心に寄り添った支援を推進するため、本年4月に滋賀県犯罪被害者等支援条例を施行したところでございます。  県では現在、条例第9条に基づきまして、犯罪被害者等支援施策の総合的かつ計画的な推進を図るための計画の策定を進めているところでございまして、検討中の計画におきましては、1つ、犯罪被害者等が抱える多様な課題に応え、平穏な生活への復帰を支援すること、2つ、犯罪被害者等を支える社会の形成を推進することという、2つの基本的方向に沿って施策を推進することといたしております。  施策の推進に当たりましては、国や市町、民間支援団体、関係機関等とも連携しながら、社会全体で犯罪被害者等を支え、犯罪被害者等が安心して暮らしていけるよう、個々の事情に応じた途切れのない支援を実施していることが重要だと考えております。  2点目、犯罪被害者等支援条例に基づく新しい施策についてでございますが、条例施行の翌月5月には、警察、市町を初めとした関係機関、団体との連携を強化し、犯罪被害者等支援施策を一体となって推進するため、滋賀県犯罪被害者等支援推進協議会を設置いたしまして、支援の推進体制を整えたところでございます。  また、被害者等への相談支援の取り組みといたしましては、犯罪被害者等支援コーディネーターを公益社団法人おうみ犯罪被害者支援センターに配置し、個別の事案に応じて関係機関とのケース会議や連絡調整を行うなど、ワンストップ支援体制の強化を図ったところでございます。  さらに、支援業務に従事されている方々に対しては、その業務に従事する過程において受ける心理的負担を軽減し、二次受傷の防止を図るためのカウンセリングを実施いたしまして、相談体制の充実につなげているところでございます。  3点目、子供たちの性被害にどのように取り組むのかということについてでございますが、性犯罪被害は潜在化してしまい見えにくく相談しにくいことから、学校では児童生徒の表情や行動を丁寧に観察するなど、日ごろのわずかな変化を見逃さないように努めていると伺っております。  また、性教育を通しまして性に対する理解を深めるとともに、悩みがあるときは保護者や教員など信頼できる人に相談することなど、適切な対処方法について指導を行っているとも伺っております。  さらに、必要に応じてスクールカウンセラーを派遣するなど、適切な支援ができるよう相談体制の強化ですとか充実に努めるとともに、児童生徒からの相談などに対して適切に対処できるよう、研修等により教員のスキルの向上を図っていると聞いております。  今後も、被害を受けた児童生徒をしっかりと守れるように、教育委員会と連携して取り組みを進めてまいりたいと存じます。  4点目、学校や心の教育相談センター等の対応についてでございます。  教育委員会では、現在、県内の全ての公立学校にスクールカウンセラーを配置、派遣し、事件や事故等の緊急対応において被害児童生徒の心のケアに当たることにしております。こうしたことは昨年度作成いたしましたスクールカウンセラー活用リーフレットに明記しており、各校に指導しているところと伺っております。  学校などでは対応しがたい深刻な事案につきましては、必要に応じて県警察本部警察県民センターや性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖──通称SATOCOといった犯罪被害にかかわる専門機関などで対応を行っているところです。  深刻な被害を受けた子供たちは心身の回復に時間がかかることが多く、そのケアには臨床心理士等によるカウンセリングが大変重要であると考えております。このため、民間支援団体や臨床心理士会などの関係団体と連携協力いたしまして、児童生徒も含めた犯罪被害者等に対するカウンセリングの充実に努めてまいりたいと存じます。 ◎県民生活部長(浅見孝円) (登壇)滋賀県犯罪被害者等支援推進計画素案につきましての御質問のうち、私への2点の質問についてお答えをいたします。  まず、犯罪被害者等に寄り添う支援の充実についてでありますが、犯罪被害者等が必要とする支援は、医療、福祉、雇用、住宅など多岐にわたりますため、それぞれの事情に応じたきめ細やかな支援を確実に実施していくことが求められております。  県では、こうした支援を求める被害者等の心に寄り添いながら行う相談や、病院、裁判所等への付き添い、さらには関係機関との連絡調整を民間支援団体に委託をいたしまして、相談員やコーディネーターを配置していただいているところでございます。  犯罪被害者等が一日も早く平穏な生活を営むことができるようにするためには、相談員はもとより、犯罪被害者等支援コーディネーターがかなめの役割を担うものと認識しており、その人材を確保し育成することが迅速かつ適切な支援を行う上で鍵になるものと考えております。  こうした重要な役割を担っていただいている民間支援団体がこれからも安定的に活動を続けていただけるよう、県では国に出向いて財政支援制度の創設なども要望しているところであり、今後も民間支援団体が被害者等に寄り添った支援ができる環境を整えるために、県としてしっかりと取り組んでまいります。  次に、被害者の立場に立った支援を進めていくことについてでございますが、議員から御紹介のあった事例からも、現実に被害に遭われた方は深刻かつさまざまな課題に直面されることがうかがえるところであり、必要とする支援も被害者ごとにそれぞれ異なるものと認識しているところでございます。  このため、犯罪被害者等支援コーディネーターを中心に、保健、医療、福祉など県の有する各分野の施策や制度を柔軟に活用して、国や市町、民間支援団体、関係機関等とも連携をしながら、被害者等一人一人のニーズに沿った適切な支援を実施することが必要と考えてございます。  その上で、犯罪被害者等支援推進協議会におきまして、支援事例や施策の紹介、課題の共有を図りますほか、支援を受けられた方からの声もお聞きして今後の支援施策に反映させるなど、さまざまな被害のケースごとに誰がどのように支援をしていくことが最善なのか、関係機関と一緒に具体の事例に即して検討を重ね、被害者等の立場に立った支援策の充実につなげてまいりたいと考えてございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)1点、知事に再問させていただきます。  2項目めで、計画素案で明記している事業はこれまでの取り組みをまとめたように感じるというふうに感想を述べさせていただいたんですが、当然、協議の中でも、計画をつくっている側は実際に事業をしていないので、事業の取りまとめをして計画をつくっていただいているという性格があるんだと思うんですが、これまで条例の前の取組指針でやってきたことを継続的に実施していくという、そういう感が強いということを私自身は感じました。条例もでき計画を立てていただくので、そういったことでいいのかということなんです。  先ほど、知事からも前向きに取り組んでいく認識を示していただいたんですが、ぜひ県民の皆さんや被害者の皆さんがこの県の計画によってさらに支援が進むいう希望を持っていただけるような方向性を、この計画の中でどこかに明記をしていただけたらと思っていますが、そのことについて再度お尋ねします。 ◎知事(三日月大造) 先ほど答弁させていただきましたように、条例を定め、現在、計画をつくっております。犯罪被害者等が一日も早く平穏な生活を営むことができるように、しっかりと寄り添った支援を行っていく。条例を制定する前からやっていたことはしっかりと引き続き継続してできるようにするということが基本だと思いますし、同時に、さまざままだまだ足りないところがあるとすれば、既に設置しております滋賀県犯罪被害者等支援推進協議会、こういった場なども活用しながら、どういった対応が必要なのか、改善が求められるのか、しっかりと承った上で必要な検討を加え対策を講じていく、このことは基本になると思いますので、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)今回、条例や推進計画によって被害者の立場に立った支援が進むことを今知事からも御答弁いただきましたので、ぜひそういった計画になりますように推進をしていただく要望をしまして、質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、38番粉川清美議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時9分 休憩    ────────────────   午後3時29分 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間を延長いたします。  次に、19番木沢成人議員の発言を許します。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、大きく2項目について質問をいたします。  初めに、マイクロプラスチック問題について、分割方式にて、全て琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。  微細なプラスチック粒子の使用抑制を企業に求める海岸漂着物処理推進法改正案が本年6月15日、参議院本会議において全会一致で可決、成立いたしました。これは超党派の議員立法によるもので、主に化粧品や洗顔料、歯磨き粉に含まれるマイクロプラスチックの一種、マイクロビーズの製造および販売の自粛を企業に求める内容になっております。  世界の海洋には毎年1,000万トンにも上るごみが投棄され、その約8割である約800万トンをプラスチックごみが占めるとされております。世界のプラスチック生産量は年間3億トンを超えておりますが、海洋を漂ううちに、こうしたマイクロビーズのほか、大きなプラスチックごみも紫外線や波の力で5ミリ以下のマイクロプラスチックとなり、食物連鎖を通じた地球規模での生態系、環境への影響が懸念されているところであります。  本年6月3日から8日にかけて、カナダのシャルルボアで開催された主要7カ国首脳会議──G7シャルルボア・サミットにおいては、貿易問題と並び環境問題も大きなテーマとして取り上げられました。  日本政府は、海洋プラスチックごみの削減に賛成を表明した上で、2030年までにプラスチック包装の最低55%をリサイクルまたは再使用し、2040年までに100%回収するなどの達成期限つきの目標が盛り込まれた海洋プラスチック憲章への署名は、国民生活や社会経済への影響面から慎重に判断する必要があること、また、日本に漂着するごみの大半が中国や韓国等によるものであることからも、先進国だけでなく、そうした国々とも協調して世界全体で対応する必要があるとして見送りました。このことは我が国が対策に消極的だと大きく報道され、世間の注目も集めることとなりました。  その後、本年8月には、政府は、現在、環境省が海洋プラスチックごみの拡大防止に向け、2019年度を目途に策定中のプラスチック資源循環戦略にこの海洋プラスチック憲章の数値目標を反映させる方針を固め、国際協調路線への転換との新聞報道もなされるなど、この数カ月のうちに、政府レベルにおけるマイクロプラスチック問題への対応も大きく動いているところであります。こうした背景のもと、以下伺います。  初めに、マイクロプラスチックの琵琶湖環境への影響についてであります。  このことにつきましては、昨年の9月定例会議にて冨波議員が同趣旨の質問をされておりますが、その答弁の中で当時の高砂琵琶湖環境部長は、「マイクロプラスチックが吸着する化学物質については、現状、琵琶湖の水質や魚で実施した調査では問題のないレベルであることを確認している。魚の成長や成熟状況に生理的影響は認められないことも確認した」と述べておられます。一方で、「マイクロプラスチックの問題については世界的にも研究が開始されたところで、科学的知見がほとんどなく、新たな科学的知見を注視していく課題である」とも答弁をされております。  世界の趨勢を見ておりますと、今後、急速にこの分野の研究が深まっていくものと推察いたしますが、その場合に、本県が特に湖沼環境における研究において後塵を拝さないよう願うものであります。県としての主体的な調査研究の取り組みを大学や国機関等、関係機関とともに進めるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。  本県が県レベルとして推進する国連のSDGs──持続可能な開発目標の取り組みでは、17の目標、ゴールが掲げられておりますが、このうち目標14では「海の豊かさを守ろう」が掲げられ、この海洋プラスチックごみの問題への取り組みが大きな柱となっております。  本県は海洋には直接面しないものの、県内の社会経済活動を通じて排出されるプラスチックごみの一部は、マイクロプラスチックとして河川や表層を通じて琵琶湖に流入し、また琵琶湖から淀川を通じて、結果、海洋に排出されることになります。したがいまして、琵琶湖の環境を意識しつつ、地球全体の環境問題として、マイクロプラスチックの問題について取り組みを進めていく必要があると思いますが、SDGsの取り組みを進める中で、本県としてどのようにマイクロプラスチックに係る諸課題に対処していくのか、お伺いいたします。  その場合、特に琵琶湖の環境との関係において、県民や事業者等とのリスクコミュニケーションが重要と考えますが、県としてどのように主体性を発揮していくのか、お伺いいたします。  本県はこれまで循環型社会の形成に努めてきたところでありますが、このマイクロプラスチックの問題も尽きるところはごみの減容化、減量化、リサイクルの推進等、本県における活動のさらなる深化、推進であると思います。  さきに述べましたように、シャルルボア・サミットで議論された海洋プラスチック憲章の数値目標を取り込む形で我が国のプラスチック資源循環戦略が策定されようとしておりますが、これに連動する形で、本県の取り組みを県民や事業者等とともにどのように進めていくのか。県民への一層の啓発を含めて、お伺いいたします。 ○議長(川島隆二) 19番木沢成人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) (登壇)マイクロプラスチック問題についての4点の質問にお答えをいたします。  まず、1点目の主体的な調査研究を大学等の関係機関と連携して進めることについてでございますが、県としても世界や我が国におけるプラスチック問題に関する大きな動きを注視しながら、特に琵琶湖におけるマイクロプラスチック問題に主体的に対応していくことが重要と認識をしております。  マイクロプラスチックの発生源の一つに散在性のプラスチックごみがありまして、これまでポイ捨て防止等の普及啓発を実施してきたところでございますが、さらに対応を進めるためには、実際にどのような種類のプラスチックごみがあるのか、その実態をより詳細に把握する必要があると考えているところでございます。  こうした県の取り組みを進めますことに加え、マイクロプラスチックの研究を進められている大学関係者等と連携し、琵琶湖や河川における適切な調査地点についての情報提供や、調査サンプルの提供を通じまして協力をするとともに、こうした研究成果を共有をいただきますことなどによりまして、最新の知見を得てまいりたいと考えております。こうしたことにより、琵琶湖におけるマイクロプラスチックの諸課題の解決に向け、より効果的な取り組みを検討していきたいと考えております。  2点目のSDGsの取り組みを進める中でどのようにマイクロプラスチックに係る諸課題に対処していくかについてでございますが、SDGsの目標14、「持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」のうち、ターゲット14.1は、「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」とされております。  また、目標12、「持続可能な生産消費形態を確保する」のうち、ターゲット12.5におきましては、「2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により廃棄物の発生を大幅に削減する」とされているところでございます。  マイクロプラスチックは海洋ごみの問題として生態系への影響が懸念されているわけでございますが、琵琶湖流域における取り組みは、琵琶湖のみならず、淀川水系を通じて大阪湾へ流入するプラスチックごみの削減にもつながるものでありまして、SDGsの達成に資する取り組みであると認識をしております。  本県ではこれまでから、琵琶湖の総合保全に係る施策におきましても、琵琶湖・淀川流域全体を視野に入れて一体として取り組んできたところでございます。  今後も、上流県としての自覚のもと、琵琶湖・淀川流域、さらには海洋、地球環境も視野に入れて、SDGsの達成に向けて、発生源対策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。  3点目の県民や事業者等とのリスクコミュニケーションについてでございますが、マイクロプラスチックの環境影響につきましては、科学的な知見は十分ではないものの、水環境中に低濃度に存在している化学物質を吸着し、そのマイクロプラスチックを魚介類が餌と間違えて食べ、その化学物質が食物連鎖の中で濃縮され、生態系に影響を及ぼすのではないかと懸念されているところでございます。  ただし、マイクロプラスチックはそれ自体に毒性はなく、また大変小さいため、誤って食べたとしても影響はなく、排せつされると考えております。  また、さきに議員も述べられたとおり、マイクロプラスチックが吸着するとされる化学物質につきましても、県が実施した琵琶湖の水質や魚の調査においては問題のないレベルであり、魚の成長や成熟状況にも生理的影響は認められておりません。  このように、琵琶湖においてマイクロプラスチックによって懸念される生物への影響は確認されておらず、問題はないと考えております。  しかし、マイクロプラスチックの環境影響につきましては、先ほど申し上げたとおり、科学的知見はまだ十分ではないことから、引き続き最新の知見をいち早く入手するとともに、環境省において策定中のプラスチック資源循環戦略を初め、国内外の情報把握に努めまして、県民や事業者の皆さんに対し正確な知識を持っていただけるよう、わかりやすい情報提供に努めてまいりたいと考えております。  4点目のプラスチック資源循環戦略策定に連動する形で本県の取り組みを県民や事業者等とともにどのように進めていくのかについてでございますが、マイクロプラスチックの発生源の一つと言われるプラスチックごみの削減については、県では平成24年度に、事業者、県民団体、市町とともに、滋賀県におけるレジ袋削減の取組に関する協定を締結し、レジ袋の無料配布取りやめや、必要の有無の声かけ、ポスター掲示による啓発などの取り組みを行っております。  こうした取り組みは一定定着はしてきておりますが、プラスチックごみのさらなる削減に向けまして、1点目でお答えしました調査や研究の状況も踏まえまして、プラスチックごみの種類や発生過程等に応じまして、効果的な削減方法を改めて検討する必要があるのではないかと考えているところであります。  今後とも、これまでのレジ袋の削減等の取り組みをさらに進めるとともに、プラスチックごみをめぐる国内外の動向やプラスチック資源循環戦略の策定状況などを踏まえながら、県民や事業者の皆さんとともにプラスチックごみの削減対策を推進し、マイクロプラスチックの発生抑制につなげてまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございました。1点だけちょっと再問させていただきます。  2番目のSDGsの取り組みと、最後に聞いた4番目の県民さんや事業者とともにごみを削減していくという運動の部分の答弁に対して、あわせた形でちょっと1点だけ質問させていただきたいんですが。  SDGsの取り組み、このことに限らず、さまざまな分野で県がかかわることを今県として取り組んでいただいているんですけども、やっぱりまだまだ県民さんにとってSDGs自体もそうですし、今、私もゴール14を申し上げましたけども、17の目標それぞれも、なかなか何がどうなのかというのはわかりにくいと思うんですね。  一方で、国連が出しているSDGsの今の枠組みの中では、1から17のゴールにつきましても、わかりやすいアイコンがあって、それにそれぞれの目標が掲げられてみたいな形の見せ方をしてるんですけれども、4番のところで、県民さんとか事業者への啓発の部分なんですけれども、そこの中で、例えば今までもレジ袋の削減ということなんかは、事業者である例えば大手のスーパーさんとかコンビニエンスストアさんですとか、そういうところとも御協力いただいてやってきたかと思うんですけどもね。  県が今、包括連携協定という仕組みで20社前後そういう協定を結んでいただいている中に、今申し上げたコンビニエンスストアですとか大手スーパーさんなんかも入っていると思います。その辺のところは、一方で、問題にしているごみの排出源の一つと言ったらちょっとあれですけども、そういうところにもなるわけなので、そういうところと今の包括連携の仕組みをうまく使って、しかもSDGsの中で、今、例えばゴール14でしたら海の豊かさを守ろうということが、滋賀県にとっても滋賀県民としても大事なんだということをしっかり見せるような形で進めていただけると、より県民さんにとってもわかりやすいですし、このマイクロプラスチックの話題、やっぱり最近になっていろんなマスコミであったりとかそういうところに出るようになっていますけれども、皆さん何のことかまだよくわからないみたいなところがありますので、そういった形でのちょっと取り組みをより見える形でやっていただきたいと思うんですけども、ちょっと御所見をお伺いいたしたい。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  SDGsにつきましても、またマイクロプラスチックにつきましても、まだまだ皆さんに理解をしていただいている部分は少ないのではないかという御指摘のとおりだと思っております。  先ほど御提案ございましたように、さまざまな県と関係する、協力していただける事業者さんとも協力をしていただきまして、SDGsそのもの、それからマイクロプラスチックそのものにつきましての理解を深めながら、一緒に取り組ませていただければと思っております。  いずれにいたしましても、琵琶湖の問題というのが琵琶湖に対する問題だけではなくて、それが淀川につながり、そしてそれが海につながり、世界のSDGsの達成につながっていくという中で、それを理解していただきながら進められるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございました。よろしくお願いいたします。  それでは、次に、米国ミシガン州との姉妹県州交流について、一問一答方式で、知事ならびに教育長にお伺いいたします。  本年は、本県と米国ミシガン州が1968年に姉妹友好県州協定──滋賀県とミシガン州という意味での県州です──を締結して以来、50周年の節目の年に当たりますが、去る9月7日の夜、ミシガン州デトロイト市内のホテルで、50周年記念式典が両県州関係者出席のもと盛大に開催されました。川島議長、柴田、駒井、田中の各議員ともども、私も議員使節団の一員として、今月5日から10日にかけてミシガン州を訪問させていただき、同式典にも出席いたしました。  知事も同じく9月6日から13日までの日程でミシガン州を訪問され、各地を視察、同式典に出席、また、会議等にも出席されたところであります。  記念式典では、スナイダーミシガン州知事、三日月滋賀県知事の挨拶とともに、和田在デトロイト総領事館領事も挨拶に立たれましたが、和田領事からは、「米国内において、これほどの2国間における自治体交流の取り組みを行っているところはほかにない。本当にすばらしい50年の歩みです」と評価をいただき、改めて私もこの姉妹交流の重みを実感したところであります。  そこで、これまでのミシガン州と滋賀県の50年にわたる姉妹県州交流の総括的評価について、まず知事にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)琵琶湖と五大湖という湖のつながりをゆかりとして始まったミシガン州との友好交流は、これまで計41回、延べ3,000人以上の友好親善使節団の相互派遣が行われてまいりました。  また、交流20周年を機に、1989年に彦根市に開設されましたミシガン州立大学連合日本センター──JCMUでは、延べ8,000人以上の日米の学生の交流が行われてまいりました。  これら多くの人と人との顔の見える交流を通じて、異なる言語や文化を持つ人々との相互理解や友情、そして信頼関係を育むという、まさに姉妹友好交流の理念を体現してきたことは大きな成果であると捉えております。  加えまして、滋賀県の11の市町がミシガン州の13の市などと姉妹都市の関係にあり、独自に中学生の交流などが行われているところです。  また、琵琶湖汽船株式会社のミシガン号を初め、民間の交流プログラムも活発に行われてきたところです。  さらに近年は、マイヤーガーデン彫刻庭園やデトロイト美術館などとの取り組みを通じ、信楽焼や近江の茶の紹介を初め、現地での滋賀の魅力発信や文化、経済面でのテーマを持った交流も進んできたところでございまして、さらなる交流の深化へと発展させていきたいと考えているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)今ほど和田領事の言葉を引用したところなんでありますが、世界を見渡しますと、社会経済を含めたさまざまな場面におきまして、安定よりは混沌と表現したほうが適当と思われる事象が日々生じていると感じるところでございます。  そのような中で、米国の一州政府と日本国の一地方政府が姉妹県州交流を進める今日的意義につきまして、国会議員も経験した知事としてどのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えします。  第二次大戦後に日米間の姉妹都市交流が盛んになった背景には、1956年に米国第34代大統領のドワイト・アイゼンハワー氏が提唱された、人と人──ピープル・トゥ・ピープルのプログラムがあると言われており、日本でもこの理念のもとに、草の根の交流を促進する多くのプログラムや団体が存在しております。滋賀とミシガンの関係におきましても、平和の礎としての草の根の交流が、50年を経た今、改めて重要だと考えております。  ミシガン州は日本の本州ほどの面積があり、ミシガン湖だけでも琵琶湖の80倍を超える面積で、州と県の規模では大きな差がございますが、これまでスナイダー州知事と対談する中でも、湖沼環境をめぐる課題や経済を支える人材の育成、さらにはデトロイトの復興を初めとする地域経営などにおいて、共通のテーマや学ぶ事例が多くあったと捉えております。  こうしたことから、1万キロ離れたミシガン州との50年の友好交流の中で築き上げてきた人脈や信頼関係を土台といたしまして、今後とも、さまざまな分野での社会課題の解決を図り、より創造的な事業への取り組みの可能性を探るなど、ますます意義深いものとしていきたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)今、思いを大分言っていただいたんですけども、次の3点目の質問なんですが、さきに述べました記念式典に先立ち、知事はホテル内でスナイダー知事との会談に臨まれ、その後、私たちも立ち会いをさせていただきましたけれども、両県州知事による共同宣言に署名をされました。次の50年に向けた共同宣言の内容と、今も熱く語っていただきましたけれども、そこに込められた思いについて、知事にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) ミシガン州と滋賀県の長年の交流には、先ほど来申し上げておりますように、これまで双方から1万人を超える方々がかかわってこられました。この方々のおかげさまで私たちの今の交流があること、まずはその御功績への感謝を伝える内容を込めております。  また、友好親善使節団や高校生、大学生などの若者の交流はもとより、教育や文化、経済や環境といった幅広い分野に私たちの交流活動は広がっており、日米間の自治体交流という視点のみならず、世界の中でも友好の輝かしい事例であることに言及をいたしております。  さらに、ミシガンと滋賀の交流が末長く豊かな姉妹県州関係となることを期待し、次の50年に向けた交流の継続をともに確認し合うものといたしました。これら感謝の思いと世界に誇れるきずなを次世代に伝えるべく、交流100周年を目指して、ともに手を携えて取り組んでいきたいとの思いを込めてつくり、署名をさせていただきました。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)今、世界の中でも特異な関係ということを知事おっしゃっていただきました。後ほど、経済的なこととかその辺にかかわることで再度お伺いします。
     今もちょっと教育や文化というところが出てきてまいりましたので、次に、教育長にここから伺ってまいります。  川島議長を団長とする議員使節団は、知事ならびに経済団体、一般県民の使節団の皆様とは別行程で、ミシガン州内の各機関を訪問させていただきました。その中におきましても、今回の議員使節団の大きなミッションの一つが教育分野での一層の連携強化であります。  まず、ミシガン州は、カラマズー市内に立地するウエスタン・ミシガン州立大学ヘネカ国際教育センターを訪問し、ザガロメロ副学長、ブライス教授らと、本県の教育機関とミシガン州内の教育機関との連携強化について意見交換を実施いたしました。  次に、イースト・ランシング市に立地するミシガン州立大学内のJCMU──ミシガン州立大学連合日本センターの事務局を訪問し、グリュー教授らと同様の協議をさせていただきました。  現在、本県におきましては、県立虎姫高校の国際バカロレア校の認定に向けて準備を進めていただいているところと仄聞をしております。2020年の開校に向けて万全の準備が必要でありますが、特に教員の英語スキルの向上は必須の課題であります。教員の能力向上に向けた研修プログラムの充実を、教員の交換派遣等こうしたミシガン州内の教育機関との相互交流により実施するべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  国際バカロレアの教育によって滋賀から世界へと羽ばたく若者を育て、あわせて世界的視野から滋賀の発展を支える人材を育成するためには、その教育に携わる教員の資質向上を図ることは重要であると考えております。  現在、虎姫高校では、教員が国際バカロレアのワークショップの受講や先進校視察、校内研修会等により資質向上に努めているところであります。このような取り組みを今後もしっかりと進めていくことに加えまして、姉妹県州として交流するミシガン州の教育機関と連携をした教員の交換派遣等につきましても、実施に係る課題等も含め、研究をしてまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)今回、先方にお伺いさせていただいたときに、割と結構具体的な話をさせていただきました。この後の質問もそうなんですけれども、向こうもアメリカ人の方以外にも日本人の方で専門のスタッフがしっかりいらっしゃいますので、そういう方としっかり話をしていただいていけば、すぐにそういうプログラムをいきなりしようとするとなかなか大変だという思いはお持ちかと思いますけれども、意外にすぐにできるのではないかというふうな感想を本当に抱きました。まさに川島議長のリーダーシップと、本当に交渉力のたまものかなと思いました、私も同席させていただいて。いや、本当にいい話ができたなというふうに思っています。  そういう中で、やっぱりこういう機会をしっかり捉えて進めていただきたいと思いますので、研究というとどの辺のことなのかがちょっとわからないので、もう一歩踏み込んだ形での御答弁をいただきたいんですが。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  こういった交流の重要性というのは私も理解をしているところでございます。  一方で、例えばですが、費用負担をどうするかとか、あるいは派遣する期間、あるいは仮に向こうから来ていただくとすればどういうふうにしていただくとか、さまざまやはり検討すべき課題があると思います。そういったものをやはりしっかり研究しないと、単にやりましただけでは実効性のあるものにならないと、そういう意味でお答えをしたものでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)慎重かつ機会を逃さないように、しっかりとお願いしたいと思います。  さきに述べましたウエスタン・ミシガン州立大学では、特にザガロメロ副学長が国際バカロレア機構の関係者として同州内の国際バカロレア認定校の事情に精通されていることから、具体の提案をいただきました。  カラマズー市の南隣にありますポーテージ市に立地する同認定校のポーテージ北高校やポーテージ中央高校などとウエスタン・ミシガン州立大学、そして本県の虎姫高校による3者連携のプログラムを実施すれば、米国内でも先進事例として大いに注目されるし、これまでの両州県の友好交流にかなったものにもなります。  高校1年時において高校間での短期交換留学プログラム、そして2年時におきましては大学への短期留学プログラムを実施すれば、その後の州内大学等への橋渡しが非常にスムーズにいき、一貫性のある魅力的な教育プログラムを実施できるでしょうというものであります。  思うに、同様のプログラムを本県単独で一から立ち上げるのは至難のわざかと思います。姉妹県州友好50周年のあかしとして、せっかくの申し出を具体化すべく検討を進めるべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) 答えをいたします。  虎姫高校の生徒が同じ志を持つ海外の国際バカロレア認定校の生徒や海外の大学生と交流することは、意義のあることと考えております。そうしたことから、このような機会を提供する学習プログラムを実施することについて、議員にお示しいただいた道筋も含めて、研究をしてまいりたいと思います。  また、こうした研究に取りかかるためにも、まずは虎姫高校が国際バカロレア校として認定されますよう、しっかりと準備を進めることに、今、まずは全力を尽くしてまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)先ほど知事の答弁の中でも、世界の中でも特異なこの2つの県と州の関係というのがありましたので、今申し上げたように、ザガロメロ副学長も、こういうプログラムができれば本当にアメリカの中でも有名になりますし、国際的にもすばらしい取り組みだということもおっしゃっていましたので、こちらのほうもしっかりと研究の上、前に進めていただきたいと思います。  次の6番目の質問に移ります。  先ほど教育長もおっしゃいましたように、国際バカロレア認定校におきましては、教員は我が国における高等学校の英語免許のほかに、国際バカロレア機構──IBが主催するIBワークショップへの参加が必要となります。このことが現場の教職員においては新たな課題の一つとなるわけでありますが、そのための環境整備をどのように実施していくのか。費用面や日程面での負担軽減策を含めて、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  2020年度の国際バカロレア導入を目指して、平成26年度からこれまでに、県が費用を負担いたしまして26名の教員をワークショップに参加をさせており、国際バカロレア教員の資格を得ております。  ワークショップは学校の夏季休業中に実施されるものではありますが、その実施日程に応じて参加する教員の業務分担に配慮するなどして、引き続き計画的に教員を派遣し、有資格者の育成に努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)ちょっと今の質問に関して再問なんですが、既存の今の現在いらっしゃる教員の方はそういう形でワークショップを受けて、認定というか、それを一定修了されるということなんですけども、今後ずっと継続していく、学校がということを考えていくと、バカロレアの専門のそこを目指してくるという教員の方を、採用段階からでもしっかりと一つの枠というか、そういう形で採用していくという必要もあるのかなというふうに思っているんですけども、その辺の、環境整備という中にそういうことも含まれているのかなということで質問させていただいているんですけどね。その辺、将来的なことなんですが、もし御所見があればお伺いしたいんですけど。 ◎教育長(青木洋) 答えをいたします。  バカロレアの特徴といいますか、特にどういう方法で教育をするかと、こういうことに特徴が1つございます。  また、バカロレアですから、教員というのは異動もございます。ただ、そういった中で、やはり軸となる教員というのはしっかり育てておく必要がございますし、英語以外での、日本語で教える教育もございます。こういったものにつきましても先ほど申しました資格が必要になりますので、そういったことで、いわゆる軸となる教員も育て、あわせて、汎用性のあるといいますか、いつまでもそこにいるわけではないんですが、やはりそういう知識を得ることによって、例えばほかの学校に移ってもそういう授業もできる、そういう教員を育ててまいりたいと、そんなふうに考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)本県における英語圏文化の浸透という意味におきましては、姉妹友好県州20周年を記念して1988年に米原市内に開設、その後、現在の彦根市内に移設されましたJCMU──ミシガン州立大学連合日本センターの役割は大きなものがあると思います。  JCMUがこれまで果たしてきた役割を総括するとともに、小中高校の各レベルにおける英語教育の向上のために、いかに次の50年に向けてさらなる連携を図っていくのか。教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  ミシガン州との姉妹提携20周年を記念して開設されましたJCMUは、これまでミシガン州から3,000人を超える学生を受け入れ、日本の言葉や文化を学ぶ場を提供いたしますとともに、本県の英語教育や国際交流の拠点として、ミシガン州と本県の親善交流の一翼を担っているところでございます。  これまでから実施をしておりますJCMUとの連携事業といたしましては、小学校の英語を担当する教員を対象とした研修会、高校生がプレゼンテーションや留学生とのディスカッションなどの実践的な英語を学習するプログラム、さらに高校生英語スピーチコンテスト等がございます。  また、県内の学校に勤務をいたします外国語指導助手の研修も、JCMUと連携をして行っているところでございます。  ミシガン州の15の州立大学により運営され、アメリカ人留学生と交流できるJCMUのような機関を本県が持つことは、他県にない強みであり、これまでの成果を継承いたしますとともに、小中高の新しい学習指導要領に示されたこれからの時代に求められる英語教育が実践できるよう、今後もさらなる連携をしてまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)特に小学校の英語のことに関しましては、なかなかこの辺のところのスキルアップが大変かと思いますので、英語の学習で考えましたら、一般の民間のいろんなプログラムなりほかのこともいっぱいあるんですけども、やっぱりせっかくこれだけの御縁があるということなので、単に英語を学ぶというだけじゃない関係性もいろんな面でつくっていけるというのが大きな特徴かなと思いますので、しっかりとお願いをしたいと思います。  それでは、再び知事にお伺いをしてまいります。  県では、このほど50周年記念事業として、ミシガン州に本社を置くシリアル等で有名なケロッグ社の日本法人であります日本ケロッグ社との共同事業実施を発表されました。この意図についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 本県の私たちの滋賀県のさらなる健康長寿の増進に向けまして、ミシガン州を本社とするケロッグ社の日本法人であり、健康長寿の増進にCSR──企業の社会貢献活動として取り組む日本ケロッグ社様と連携することは大変意義深いものと考え、事業を実施することといたしました。  滋賀県の発酵食等の食材に腸の健康によいとされる日本ケロッグ社のシリアルを加えた食事を「ここ滋賀」のシェフと共同開発いたしまして、近江腸食として7月から8月にかけて「ここ滋賀」で提供いたしました。こうした取り組みにより、ミシガン州と滋賀県の姉妹提携50周年を広く発信すると同時に、健康しがをアピールすることが一定できたのではないかと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)ミシガン州ゆかりの企業との連携はこれまでの友好交流の観点から大いに歓迎はいたしますが、他方、一方的にならず、広く滋賀の産業や県民にとってもプラスになる三方よしの観点で実施していただきたいと思います。このことに対する知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) そのような私たち県民にとってもプラスになる、また未来にもつながる、三方、四方なのか、よしの視点で推進できるようにすることは大変重要だと私も考えます。  その意味で、県の発酵食というものとのコラボでありますとか、同時に活用することで県産品の消費拡大につなげるということでありますとか、こういった近江腸食を県内の飲食店で提供することによる観光誘客の推進でありますとか、健康事業への取り組みをさらに進めていくという、こういうメリットやプラスにつなげていくことができるように努めてまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)なぜ三方よしと申し上げたかと申しますと、午前中の議論の中で、本日、日米の首脳会談が実施されているというようなお話がございました。その中で大きな話の柱が貿易問題かと思うんですけれども、このケロッグさんとの連携の話が新聞報道とかされたときに、私なんか東近江市内に住んでおりますと、農業地域でございますので、農家の方から、一生懸命米つくれ、米を食べろということを言うてんのに、何でいきなりシリアルなんやと、アメリカのそういう会社のシリアルをいきなり滋賀県ががんがん推奨して食べるんかみたいなことをおっしゃる方が実際いらっしゃったんですよ。  ですから、やっぱりその辺も含め、この辺の意図なりその目的をしっかり説明しないと、今、大きな枠組みでいくと、日米の貿易問題ですとか、その中に農業の問題なんかも当然入ってきますので、そういうことにかなり意識されている方がいらっしゃいますんでね。  そういう意味で、どういうことに資する、そしてまた、今も申し上げたように、農業も含めた滋賀の産業にも資するものなんだというようなことを発信しつつ、そういう内容で取り組んでいただきたいと思いますので、これは指摘だけしておきます。  次の質問、10番目ですけれども、この50周年記念の一連の事業におきましては、先ほども知事言及いただきましたけれども、ミシガン州における近江茶の販売促進等、滋賀の産品や観光情報の発信に比べまして、本県や日本国内におけるミシガン州の情報発信が弱いと感じているところでもあります。  滞在中に目にし触れたミシガン州の産品にも、クラフトビールやハンドクラフトの商品等魅力的な商品がさまざまあり、記念式典のお土産にいただいた名産のミシガンメープルのシロップ等を含めて、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思うところでございます。  姉妹交流をより促進する意味で、首都圏情報発信拠点「ここ滋賀」におきましてミシガン州の産品の取り扱いや情報発信を進めるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) ミシガン州の産品を「ここ滋賀」でも取り扱ったらどうだという、そういう御趣旨だと思います。「ここ滋賀」は、御存じのとおり、滋賀の魅力をさまざまな角度からお伝えする、また、いろんな企画催事を行い、イベントの開催などを通じて情報発信を行っているということでございます。  まさに先ほど、その1つ前の御質問でお取り上げいただいたように、余りミシガン、ミシガン、ミシガンと「ここ滋賀」でやると、そもそも滋賀のPRのためにやっているんだろうということとの兼ね合いはあるのかもしれませんが、先ほど来お取り上げいただいておりますように、ミシガン州と滋賀県との50年にわたる交流の歴史やストーリーをミシガン州の特産品とあわせて紹介することも、これはある意味では可能性のある、夢のある滋賀ならではの取り組みの一つだと思いますので、こういった新たな切り口で滋賀の魅力も発信できればという視点で、検討や協議をしてまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)もちろん「ここ滋賀」の産品コーナーを全部ミシガンの産品に置きかえろということではございませんので。今、ちょうど「ここ滋賀」においても、現物のラインアップ以外にも、ECサイトを開設されたりもしておりますですよね。例えばそういうところであれば、気軽にというか、向こうの了解さえあれば、そういうところにリンクを張ったりとかということはまずできるでありましょうし、やはり「ここ滋賀」のもともとの目的の一つも、やっぱり2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、そういったときの日本への来訪者、これはミシガン州の方に限らないと思いますけれども、広く欧米から来られた方を滋賀県にいざなうというような機能をその一つとして持っているという説明を受けておりますので、そういうときに、やっぱりほかのアンテナショップを見てても、もともとのこういう米国の一州との連携というのをやっているようなところがありませんから、日本橋一帯もあれだけアンテナショップ等が林立する中で、やっぱりそういう形でミシガン州と滋賀県が連携していると、そういう発信も含めながらアンテナショップを展開していくというのは、非常に差別化の意味でもいいのではないかと思いますので、まず、催事なんかでそういうふうにちょっとトライアルでやっていただいて、そういうところから少しずつ広げていっていただくのがいいのかなと思いますので、ぜひぜひ検討をお願いします。  次の11番、これもちょっと絡むんですけれども、滞在中には、今、全米で人気が高まっているクラフトビール等の地域に根差した醸造業の隆盛や、これも先ほど知事の答弁の中でデトロイトの復興ということが言及されましたけれども、デトロイト市におきましては、新興の時計メーカーのシャイノラ社に代表されるように、ミシガン州のお家芸とも言える自動車産業の技術を生かした新たなものづくりの取り組みが進みつつあり、それが新たな雇用の受け皿になっていることを目の当たりにいたしました。  今後の50年に向けては、大企業のレベルだけではなくて、県内の中小企業や地場産業、ならびにそれらを支える人と現地の企業、技術者、職人等のレベルでの相互交流を深め、そこから新たな物づくりにチャレンジをするべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 賛同いたします。県内の中小企業や地場産業が海外の市場を開拓していくためには、相手先の文化を理解し、また相手に理解してもらうことが重要でありまして、海外の事業者や技術者等とのさまざまな交流が新たな製品の開発や展開に結びつくものだと考えております。  このため、例えば信楽の県立陶芸の森では、アーティストインレジデンス事業として海外の陶芸作家を招聘するとともに、昨年度開設したまちなかギャラリーを拠点に、海外アーティストを囲んでトークショーを開催するなどの交流も図っております。  また、今年度は滋賀県湖南省友好提携35周年にも当たり、この周年行事に合わせて、企業の若手社員を対象に湖南省の企業を視察し交流を図る湖南省視察ミッション団を募集し、派遣することとしております。  このような視察ミッション団がミシガン州への派遣についても実施できないか。また、いわゆる商工観光労働部の所管だけではなくて、農業やお茶の実績もございますので、そういった部局横断で可能性を探ることができないのか、引き続き検討なり協議を行ってまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)昨夜もNHKの「おうみ630」で、高島市のビワコットンが紹介されておりました。そちらも興味深く拝見させていただいていたんですけども、ビワコットンさんなんかも、将来的には海外展開を非常に大きな夢として持っていられるというふうに伺っております。  先ほども申し上げましたデトロイトを見させていただいたときに、リーマンショック以前から自動車産業自体がちょっと斜陽な状況になってきて、それに追い打ちをかけてリーマンショックで経済がクラッシュして、あげくの果てに市自体が2013年には財政破綻してしまったと。そういうところから、今、いろんな形でまちの復興ということをさまざまな分野でやられているんですけども、先ほど申し上げたシャイノラ社にしても、ミッドタウンというところにあるそのお店に行ってきたんですけども、そこの周りのショップなんかを見させていただいても、地元の若いデザイナーさんとか、そういうアーティストさんとものづくりの人がコラボして小さなお土産物をつくったりとか、いろんなことを、動きが出てきているんですよね。  ですから、今申し上げた例えばビワコットンなんかも、素材としての高島ちぢみを現地に持っていって、向こうのそういうアーティストなりデザイナーさんとコラボして新しい商品をつくる、それを例えばデトロイト美術館のミュージアムショップで置いていくとか、そんなこともできたりすると思いますし、そういうコラボ商品とかということでいくと、先ほど申し上げた「ここ滋賀」なんかにもより置きやすくなると思いますし、そういうところの本当の意味でのものづくりの交流を今後本当に進めていただきたいなと思いますので。このことは、今、湖南省の動きもあるようなので、それと似たようなことをミシガン州の方でもぜひ実施をいただきたいと思います。  それでは、最後の12番目の質問なんですが、今ほど来申し上げた自動車技術からの転身という分野では、今も述べましたシャイノラ社や、あとデトロイト・バイシクル・カンパニー社等の新興のカスタムの自転車メーカーがたくさん誕生しているのも、このミシガン州であります。  50周年を記念に、本県のビワイチサイクルツーリズムとのこうした自転車のミシガン州の連携を図っていき、行く行くはミシガン湖一周の例えばミシイチの実施へと自転車を通じた交流を深め、両県州の名を世界的なブランドに導いていくべきと提案をさせていただきますが、知事の夢も含めて、御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 議員もお感じになられたと思うんですけど、現地へ行ってみると、大変サイクリストが多い、また自転車もたくさん走っているということがございます。その意味においても、欧米のサイクルツーリズムの人気、また、国際交流においてのビワイチという、例えばサイクリングの素材の可能性というものを認識した次第でございます。  昨年度策定いたしましたビワイチ推進総合ビジョン、こちらは理想とするビワイチを物語形式でまとめたものでございまして、今般、英語版のリーフレットも作成し、そういったものを活用しながら、誘客発信はもとより、海外の事業者等にサイクルツーリズムへの参画を促しているところでございます。  ミシガン州においても、こういったツールを関係者に配付いたしますと大変反応もよく、一定の手応えを感じているところでございまして、今後もこういった取り組みを継続しながら、どういう可能性があるのかというものを探ってみたい。  また、ミシガン湖を1周するという御提案をいただきましたので、調べてみますと2,600キロあるということでございまして、ミシイチというとどれぐらいかかったら回れるのかというのがちょっと私も想像つかなかったんですけど、ただ、そういった大きい湖を何日間かかけて回る、またビワイチを数日間かけて回る、そういった湖を周遊するというサイクルツーリズムの夢はしっかりと持ちながら、せっかくある50年のきずな、姉妹友好県州ですので、あらゆる可能性を探り、今後の未来につなげていきたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございます。先ほど来申し上げておりますように、デトロイトが、自動車の町があそこまでこの一旦落ちてしまうというか、経済が崩壊した中から今立ち上がって、自動車の技術を生かした人たちが新しく自転車をつくり、それでデトロイトの町なかもそういう自転車があふれていって、リーマンショックにも疲れたアメリカの国民の皆さんがライフスタイルの転換というようなことも図りながら、新しいまちづくりをされているんですよね。  そういう意味でいくと、非常にそこにもストーリー性がありますし、同じものづくりの両県州というところでのつながりもありますので、それはやっぱりほかの県なりがにわかにそういう関係をつくろうとしてもなかなか難しいと思いますので、やっぱりその辺の両県の強み、それから機会というのは十二分にしっかりと生かしていただきたいと思います。  その意味で、今、知事がいろいろおっしゃっていただきましたけども、そういうことを進めるに当たっては、先ほどのものづくりのところでも、技術的な使節団の派遣というのもありましたけれども、やっぱり県庁の担当者なり実務を担っている若い方がそういうのを実際に見て、そして、その中で新しいそういう施策なりアイデアを出してくるというのが大事だと思いますので、現地の駐在員の方はいらっしゃいますけれども、やっぱり原課の方にしっかりとしたミッションを与えて、出張行ってこいと、そういう形でやっぱり促していただくのも大事かと思いますので、その辺のことについて所見がありましたら、最後にお伺いしたいんですが。 ◎知事(三日月大造) 大変重要なことだと思います。実際に行ってみることでわかること、感じること、施策に反映できることというのがあると思います。  ミシガンとの交流50周年、おかげさまで迎えさせていただきましたが、節目を迎えましたが、大切なことはフォロー・アンド・シェアだと思っていまして、しっかりとこのよさをですね、行った人しかわからない、参加した人しかわからないということだけではなくて、広くミシガン州ならびに滋賀県の方々に広めていく、そして次の時代につなげていくということが大事だと思っておりますので、そういったことに今後はしっかりと努めていくということと同時に、県の職員が費用等をかけさせていただいて出張するということであれば、その費用対効果が当然求められる、説明責任と含めて求められるということでございますので、もちろん必要な出張は行いますが、今の駐在員制度を、せっかくある、続いてきた駐在員を最大限活用することで、冒頭申し上げたさまざまな可能性の探求でありますとか、フォロー・アンド・シェアの取り組みをしっかりと進めていければと考えているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) 終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、19番木沢成人議員の質問を終了いたします。  最後に、4番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)本日最後でございます。  午前中、佐野議員から、県内商工業の活性化ということで大所高所からの御質問がございました。また、先ほど、木沢委員からは地場産業の国際交流あるいは海外進出について触れられましたけれども、そうしたことを引用しながら、私は地場産業を支える中小企業の支援について、分割で質問をさせていただきます。  今議会、我が会派の代表質問の一つに、中小企業の人材確保育成を取り上げました。目片議員の質問に対しまして、知事は、現状の有効求人倍率の高さ、企業の景況感、経済団体の実態調査、どの指標をとっても人材確保が難しい状況、将来の滋賀を支える人材の確保育成はますます重要との認識を示されました。  そして、その対応について、若者、女性、高年齢者のそれぞれの切り口で課題を示すとともに、若者へは県内企業の魅力発信など具体的な取り組みも示され、女性や高齢者の活躍を推進したいということも述べられました。  また、一方、事業承継に関しまして、これも佐野議員が触れられましたけれども、承継が進まないと大変深刻な影響があり、早急に官民連携で取り組む課題として位置づけ、5月に立ち上げた滋賀県事業承継ネットワークを中心に具体的な支援を展開したい、こんなことを述べられました。  代表質問を伺いながら思い出しました。かつて、有効求人倍率が本県でも0.38まで悪化した時期がございまして、これも佐野議員が質問で触れられましたけれども、いわゆるリーマンショック時代であります。雇用が創出できる事業をつくる、あるいはハローワークの窓口を充実するといった雇用創出政策の時代でありましたけれども、今や企業への就業者が不足するという社会経済となり、しかも人口が減少に転じての中であります。  人材不足という深刻さはますます大きなものとなることは確実でありますが、このような時代の変化から見ますと、代表質問で答弁のありました中小企業の人材不足への対応について、職を求める側の若者、女性、高年齢者の分析はそれはそれでよしとして、人材を求めている企業側の分析が景況感等の指標の視点が中心でありましたので、何か物足りなさを感じました。  高等技術専門校の再編など企業の人材確保支援を充実したいとも述べられましたが、雇用問題は雇用する側、雇用される側のそれぞれに課題があります。問題解決を求める側に立った分析、すなわち、今は雇用する側の企業が具体的に何を求めているかという分析が重要であります。  御承知のように、経団連の会長が、個人的な考えとしながらも、企業の採用選考の解禁時期を定めた就業採用活動のルール、採用選考に関する指針に関して、2020年春入社の採用選考以降は経団連としては指針を策定しないということを表明しました。この発言は、外資系企業などは堂々といわゆる青田買いをしているということからであるようでございます。  今後はどうも政府主導でまとめられるようでございますが、県内中小企業の皆さんの人材不足対策を考えるときに、こうしたことも重要な動きでありまして、こうしたことを踏まえた、より企業側に立った人材確保を早急に進めるべきと考えます。  そこで、まず初めに商工観光労働部長に伺いますが、本県の中小企業の人材不足とは、産業別に、また、どういった分野で不足なのでしょうか。そして当面必要な人材、一方で将来的に必要な人材はどうなのでしょうか。こうした企業サイドでの具体的な人材の不足をどのように分析されているのか、お伺いをいたします。  この質問を言いかえますと、知事答弁にございました、滋賀の将来を支える人材を企業側に立ってどのように分析しているかということであります。  滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例、これも先ほど佐野議員の質問にございまして、その中の一つとして、部長は、融資につきましてはしっかり企業の思いを聞いていきたい、こんなことでございましたけれども、そうした企業側に立ってぜひ進めていただきたいと思いました。  もう1つ、今回は、2年前に議員提案で制定をいたしました近江の地場産業および近江の地場産品の振興に関する条例、これにつきまして質問に据えさせていただきました。中小企業の中でも、いわゆる滋賀県のそれぞれの地域の自然環境や立地条件から生まれ育った産業、産地をさらに育てようとの思いでの制定でありました。  以下、主に、中小企業で支えられている地場産業、地場産業を支えている地域の中小企業に視点を当てての質問であります。  条例ができたからといってすぐに産業活動が倍増するものではありませんけれども、条例に基づき、指針も制定されました。目標も明確になり、何より企業の皆さんに県が何をしているか、そういったことをお伝えできるようになりました。  そこで、商工観光労働部長にお伺いしますが、条例が制定されて2年であります。地場産業を推進する条例ができたことで、施策や産地にどのような変化、動きが出てきているのでしょうか。出荷額の推移も含めてお伺いをいたします。  近江の地場産業および近江の地場産品の振興に関する基本的な指針というのがあります。その方向性や施策を見ますと、総じて需要拡大に向けた新製品の開発や販路開拓、そのための調査研究、また、その結果から生まれる経済基盤の強化、普及啓発、そして人材の確保育成であります。  成熟社会にあって企業が経営を拡大し安定するためには、新しいことに取り組むということは地場産業に限らず重要な要素でありますが、この中で、未来の後継者確保として、小中学生や高校生が地場産業等に触れる機会の提供というのがあります。これこそ、あえて地場産業、地場産品、それを支える企業にも視点を当てた取り組みになろうと思いますが、後継者確保に向けた小中学生、高校生への触れる機会の具体的な取り組みと反響、今後の方針について、商工観光労働部長にお伺いをいたします。  さて、今、本県の地場産業は9つの産地があります。また、条例のもとで支援の対象となっている地場産品についても、条例施行後に県において実態調査がなされています。  そこで、条例の対象となっている地場産品の状況を商工観光労働部長に伺いたいと思います。  地場産業に戻ります。9つの産地ごとに現状も課題もそれぞれ違うと思います。それは生産品目、地域が違いますから当然であります。この機会に、県は9産地それぞれの人材確保と育成という点について、課題をどのように分析されているのか、商工観光労働部長に伺います。
     分析による産地への対応は、条例の趣旨に基づいてそれぞれお考えをいただき進めていっていただくことになると思いますけれども、注目すべきところは、この地場産業全てに産地組合があります。地場産業は分業というシステムが多いことからも、関係企業による組合はなくてはならない組織であります。県が施策を構築する上でも、当然、組合が主体となる取り組みを重視すべきであろうと思います。  佐野議員の質問にございました商工会、商工会議所、これに加えまして、地場産業に限らず、組合を核とした活動も、基幹組織である中小企業団体中央会、この活動も重要ではないかと思います。商工観光労働部長は中小企業の組合組織についてどのような見解を持っておられ、県の産業振興上どのように位置づけられておられるのか、お伺いをいたします。  また、産地組合や中小企業団体中央会を対象とした県の支援策の現状と今後の方針についても、あわせてお伺いをいたします。  ところで、中小企業の事業承継であります。廃業によって雇用が失われず経済へのマイナス影響を回避するとして、知事は、先ほど申し上げましたけれども、滋賀県事業承継ネットワークを中心に具体的な支援を展開するとされました。一昨日の内外情勢の講演会へ私も行きましたけれども、あそこでも、廃業率が全国に比して多いということで、危機感を持ってお話をいただきました。雇用、経済への影響をしっかりつかんで対策を進めていただきたいと思うわけであります。  そのネットワークは今後の運営に期待するところでございますし、金融機関を含む関係団体、あるいは関係機関、団体の連携という点で、ネットワークは重要であります。ただ、中小企業の事業承継について、地場産業を初めとする組合組織である企業、こういった企業の情報は、組合があればこそいち早く、かつ的確な情報として、廃業に至らずに他の企業への承継へと有効に働くものと思います。精度の高いマッチングで承継を進めるためにも、組合ベースの事業承継施策を進めてはいかがでしょうか。商工観光労働部長の考えを伺います。  最後に、一つの産地に目を向けての質問でありますが、去る12日の常任委員会で、工業技術総合センターの信楽窯業技術試験場を移転するということが報告されました。老朽化もありますが、移転によって商品開発や情報発信も高まるとの期待があるようであります。  地場産業である信楽陶器、これに関しましては、ことし7月でしたか、県庁の県民サロンでTEIBAN商品開発研究会主催による何回目かの「Japan classic 滋賀のモノづくり展」が開催をされまして、私も見学をさせていただきました。信楽の新しい風を感じました。また、この26日から東京の松屋銀座でも開催されると伺っていますが、中小企業団体中央会とともにこの共催団体となっている県として、こうした取り組みに対し商工観光労働部長はどういったことを感じておられるのか。他の産地への波及という面も含めてお伺いをいたします。  今回の窯業試験場移転は単なる場所の移転ではなく、新しい始まりにしてほしいと願うものであります。地場産業信楽陶器も、さきの人材確保や育成、事業承継問題は同様に直面をしていますが、他の産地と少し違うと思う点があります。  陶器産業に密接なセラミック科とデザイン科の工業学科を有する信楽高等学校があります。総合学科に改編されましたが、同時に、全国募集として県外からの生徒が集う環境になりました。とりわけ人材確保という面からも産業界からも期待があろうと、大きいと思います。こうした産地内の環境変化について、商工観光労働部長はどのように評価され、産業振興上どのように期待をし、生かしていこうとされているのか、お伺いいたします。  このことはさきの代表質問で知事が答弁されました高等技術専門校の訓練科の再編を早く進めるべきとの思いから伺うものでありまして、この際、高等技術専門校の訓練科の再編について、スケジュールも含め、検討状況を商工観光労働部長に伺います。  信楽窯業試験場の移転については、本年度中に基本計画を策定するとのことであります。重要なことは、基本計画策定に当たって知事の思いであります。2年後に開設30年を迎える陶芸の森、ことし70年を迎えた全国から生徒が集う信楽高等学校、それから、TEIBAN商品開発研究会の活発な活動、その中での信楽窯業試験場の移転です。こうした環境下での信楽窯業試験場移転について、知事の思いと考えを伺います。  信楽陶器のほかに、長浜のちりめん、彦根のバルブ、彦根仏壇、彦根ファンデーション、知事も夏に身につけておられましたけれども、湖東麻織物、甲賀、日野の製薬、高島の綿織物と扇骨、どの産地も滋賀を自慢できる、まさにメイドイン滋賀の発信基地でもあります。各産地それぞれに、信楽陶器のような動き、きっかけとなるものを仕掛けることも必要ではないかと思います。  知事は、この前も聞きましたが、養蚕業、蚕の復活に燃えておられるということでございます。ならば、長浜ちりめんとのコラボもあり得るかもしれません。そうしたことも期待しながら、最後に、中小企業によって成り立つ地場産業、地場産業を支える中小企業の支援について、知事の考えと方針を伺って、質問といたします。よろしくお願いいたします。 ○議長(川島隆二) 4番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)地場産業を支える中小企業の支援ということについて、私には2問御質問を賜りました。  1点目、信楽窯業技術試験場移転についての思いでございますが、この試験場は、明治36年に信楽陶器同業組合が設立した模範工場を母体に、信楽焼産地を支える試験場としての役割を果たしてきたものであり、現庁舎、今の庁舎は昭和41年に建築され、築52年を迎えております。  平成28年3月に策定いたしました滋賀県県有施設更新・改修方針に基づきまして、平成28年から32年度の事業着手に向け、産地内外の関係者による信楽窯業技術試験場あり方懇話会を開催いたしまして、今後の試験場に求められる機能等について御意見を伺ってきたところでございます。  生活様式の変化により信楽焼の生産額が減少する中、今後の産地の振興発展のためには、これまでの技術支援、人材育成の機能に加えて、試験場に多くの人を集め、魅力的な新商品を生み出す機能が重要であると考えております。  陶芸の森に滞在する海外アーティストと産地事業者の交流、連携による海外市場を目指した新商品開発や、全国から集う信楽高等学校の学生に対する陶芸技術の魅力発信、顧客との対話によりロングセラー商品の開発とブランド構築を目指すTEIBAN展など、立地を生かしたさまざまな仕掛けが可能であると考えております。  陶芸の森前に移転を計画しております信楽窯業技術試験場が、陶芸の森と甲賀市との連携のもと、日本遺産に選定された日本六古窯としての魅力とともに、新たな信楽焼の魅力を世界に向けて発信する拠点となるよう取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、地場産業への支援について、その考え方と方針ということについてでございますが、古くより魅力的な地場産品の価値を全国に発信し、地域の雇用と経済を支えてきた地場産業は、その産地の地域にとってのみならず、本県にとって極めて重要なものであると認識しています。  このため、平成28年度に実施いたしました近江の地場産業および近江の地場産品の振興に関する実態調査の結果を踏まえ、実施すべき施策を体系的にまとめた基本的な指針を策定し、これをもとに取り組みを推進しているところでございます。  地場産業の競争力強化のため中小企業団体中央会と連携して進めております地域産業振興創業総合支援事業におきましては、各産地組合が行う新商品開発でありますとか海外販路開拓、後継者育成などの戦略的な取り組みを支援しているところでございます。  また、東北部工業技術センターにおきましては、地域産業支援事業といたしまして、各産地組合との共同研究により海外市場を目指した新商品開発など、各産地に寄り添った支援を行っております。  各産地にとって真に必要な支援とはどういうものなのか、各産地の現状を踏まえ、どのような取り組みが効果的なのかなど、産地組合や事業者の方々とともに考えながら、近江の地場産業が時代の変化に適合し成長、発展していくための新たな取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)地場産業を支える中小企業の支援について、私への11点の質問に順次お答えいたします。  まず1点目、企業サイドでの具体的な人材の不足をどのように分析しているかについてでありますが、平成29年度の本県の有効求人数5,000人以上の職業における有効求人倍率を見ますと、警備員等の保安の職業が4.67倍と最も高く、続いて接客・給仕、建築・土木・測量技術者等と続いております。また、ここ数年では、特に生産工程やIT関連の職業の有効求人倍率が上昇しております。  さらに、この6月に一般社団法人滋賀経済産業協会が会員企業を対象に実施しました経営実態調査によりますと、不足感が最も強いのは生産部門における技能工や熟練工で、53%の企業が不足と回答しており、このような状況が当面続くものと思われます。  一方、将来の状況としては、本県の主要な産業である製造業においては、柔軟な生産体制の構築や働き方改革を進めるために、1人で複数の業務をこなせる人材や生産性の向上を実施するためにICT化を進めることができる人材が求められているものと考えております。  2点目、地場産条例の制定による変化についてでありますが、地場産業の振興に当たりましては、平成28年度に実施しました近江の地場産業および近江の地場産品の振興に関する実態調査の結果を踏まえまして、その施策体系を、1、需要の拡大、2、経営基盤の強化、3、新商品開発、4、担い手人材の確保育成、5、開発、理解の深化、6、定期的な実態調査の6つに整理し、基本的な指針に基づき施策を推進しているところであります。  その中でも、特に首都圏における認知度向上や海外での需要の拡大に向けた支援策を重点的に展開したことによりまして、各産地組合においても首都圏や海外展開に向けた機運が高まり、展示会への出展等により、新たな商談や取引に至った事例も生まれております。  こうした取り組みなどにより、大部分の産地で低迷しておりました生産額も一部の産地ではこのところ下げどまりや回復傾向を見せるようになっているほか、TEIBAN展などの新たな取り組みに積極的に参加する事業者においては、生産額が増加するなどの効果も出てきております。  このように、地場産条例の制定を契機に各産地の課題を洗い出し、今後の事業展開の方向を明らかにするとともに、効果的な支援策を講じることで産地の振興が図れるようになったのではないかと考えております。  3点目、後継者確保に向けた小中学生、高校生への触れる機会の具体的な取り組みについてでありますが、産地においてこれまで培われてきました技術と伝統を継承していくためには、小中学生や高校生など若い世代に、ものづくりに興味を持ち、将来的にものづくりの現場に携わってもらえるよう、体験の機会を提供することは重要であると考えております。  このため、例えばしごとチャレンジフェスタでは、小中学生にものづくりの体験の場を提供したり、陶芸の森を中心に実施しておりますつちっこプログラムでは、小中高生等に対して、ろくろを使って器をつくるなどの体験プログラムを実施しております。  地元の若手陶芸家やボランティアと協働して実施するつちっこプログラムを体験した生徒からは、本物のわざに触れて陶芸に興味を持ったとか、ゲスト講師の方がなぜ陶芸の仕事をするようになったかを話されるのを聞いて陶芸の仕事に興味を持った、などの感想もいただいております。  今後も、小中学生や高校生に、それぞれの地場産業に触れ親しみを感じてもらえるよう、取り組みを工夫してまいりたいと考えております。  4点目の地場産品の状況についてでありますが、条例が対象とする地場産品のうち、地場産業につきましては県内に9つの産地が形成されております。産地ごとの動向は、甲賀・日野製薬を除く産地で生産額は低迷していたところでありますが、湖東麻織物につきましては、平成27年度の78億2,400万円から28年度には78億9,600万円と約1%の増加、高島綿織物については、平成27年度の68億2,700万円から平成29年度75億1,700万円と約10%の増加と回復傾向にあります。  次に、伝統的工芸品についてでありますが、地場産業と重なっている品目を除きますと、37品目で43事業所であります。平成28年度の実態調査によりますと、売り上げ規模別で5,000万円以上の事業所が28%、1,000万円以上5,000万円未満の企業が26%、1,000万円未満が46%の構成となっております。また、売り上げの傾向は、楽器、糸など増加傾向の品目が5%、横ばい44%、減少傾向51%となっております。  最後に、農畜水産物についてでありますが、本県を代表する農産物であります近江米のうち、全量が環境こだわり農産物でありますみずかがみの生産量は、平成27年産8,480トンから平成29年産は1万617トンと約25%の増加、また、近江牛の飼養頭数は平成27年度1万1,818頭から平成29年度1万3,458頭と約14%の増加、水産業については、漁獲量の減少が続いておりますが、淡水真珠の生産量は平成27年度18キログラムから平成29年度は24キログラムと約33%増加しております。  5点目、地場産業9産地における人材確保と育成についての課題でありますが、平成28年度に実施しました実態調査および企業との意見交換会での聞き取りによりますと、9つの産地のうち、長浜ちりめん、彦根仏壇、高島扇骨を初め、ほとんどの産地が職人の高齢化および後継者不足を深刻な課題と挙げられております。また、甲賀・日野製薬では薬剤師の不足が課題として挙げられております。  6点目、中小企業の組合組織についての見解および県の産業振興上の位置づけについてでありますが、中小企業を取り巻く環境は厳しく、組合のスケールメリットを生かした組織活動の展開は、県としても大変重要であると考えております。  また、中小企業の経営基盤の強化や活性化を図るため、中小企業の組織化を指導、支援している滋賀県中小企業団体中央会も大変重要な役割を果たしていただいていると認識しております。  県としては、中央会と連携しながら、中小企業、小規模事業者の新たな事業機会、市場の創出、生産性向上や人材確保などの取り組みによりまして、産業振興を図ってまいりたいと考えております。  7点目、産地組合や中央会への県の支援策についてでありますが、地場産業に携わる事業者の多くは家族経営をされているなど小規模事業者であることから、産地組合を通じた支援が有効であると考えております。このため、これら産地組合を束ねる中小企業団体中央会と連携し、産地組合が実施する海外展開戦略や後継者確保育成の取り組みに対して支援を行っているところであります。  経営基盤が脆弱であり経済情勢の影響を受けやすい地場産業にとって、産地組合の実態や課題を把握している中央会を通じてきめ細かな支援を得られることは極めて有意義であり、引き続き中央会と連携し、産地振興に向け効果的な支援を行ってまいります。  8点目、組合ベースの事業承継施策についてでありますが、事業承継の推進については、滋賀県事業承継ネットワークを中心に、官民一体となって重層的な支援を展開していくこととしております。ネットワークに参画している各団体におきましては、機能や役割に応じたさまざまな支援施策を実施していくものと考えております。とりわけ、滋賀県中小企業団体中央会などの支援機関においては、それぞれの強みを生かした、その機関ならではの支援が行われていくことを期待しております。  実際の事業承継には長い時間を要することから、早期かつ計画的に承継に取り組んでいくことが重要でありまして、加入企業における後継者の現状や課題をいち早く把握、共有できるという特徴を有する組合組織を活用することは、事業承継を進めていくための有効な支援策になり得ると考えます。  これを実効性のある取り組みとしていくためには、協同組合等の支援機関である中央会がこれまで蓄積された支援ノウハウを発揮しながら、各組合が抱える課題に対応した承継支援を粘り強く続けていくとともに、好事例など得られた支援の成果を他の組合に対しても波及的に広げていくことが重要であることから、今後、中央会と連携を図りながら、必要な支援施策を検討してまいりたいと考えております。  9点目、TEIBAN商品開発研究会の取り組みについてでありますが、TEIBAN展は、地場産業および地場産品事業者が定番商品、ロングセラー商品を開発しブランド構築を目指す取り組みとして、9年前に信楽焼の窯元を中心として始まったものであります。  TEIBAN商品開発研究会では毎月ミーティングを開催し、個々の企業がみずからのものづくりに対する思いを整理し、その思いを具現化するために、商品だけでなく空間づくりを行い、顧客との対話によって、思い、商品、空間をブラッシュアップすることにより、ブランド構築とファンの獲得を目指しております。  信楽焼産地で始まった取り組みでありますが、現在では県内から多様な業種の事業者が参加していただいておりまして、これまでに県内外で13回のTEIBAN展を開催したほか、昨年度は信楽窯業技術試験場内に空間づくりの実施の場「nest滋賀」を開設したところであります。  これまでの取り組みが評価されまして、昨日9月26日から10月9日までの日程で、東京の松屋銀座の店舗でTEIBAN展が開催されておりまして、いよいよ顧客に向けた本格的な対話と販売が始まったところであります。  市場のニーズや顧客の声に耳を傾けるこうした取り組みは、ブランド力を向上し、新たな市場を開拓する上で有意義なものであると受けとめておりまして、今回の新たなチャレンジの成果を次のステップの取り組みへと確実に生かしてまいりたいと考えております。  10点目、信楽高等学校に関してでありますが、信楽高等学校では、総合学科への改編に伴いまして、平成26年度より、信楽で陶芸やデザインを学びたいと考える学生を全国から募集するアート留学を実施しておられます。毎年定員5名で生徒を受け入れてこられまして、現在、1年生2名、2年生2名、3年生2名、計6名が学んでおられます。  これまでに1期生、2期生合わせて計5名が卒業され、その多くが専門を生かした大学等へ進学されているところでありますが、卒業後に信楽窯業技術試験場の窯業技術者養成研修を受講して、信楽の地元で活躍したいと考えている卒業生もおられるように聞いております。  また、陶芸の森におきましても、信楽高等学校を対象に人材育成事業として特別事業や実習を実施しており、昨年度は延べ196名の学生が受講されました。  全国から集まる陶芸やデザインに関心の高い学生を対象に、信楽高等学校、陶芸の森、そして信楽窯業技術試験場が連携して信楽焼の魅力と技術を支えることで、産地の将来を担う人材を育成し、産地振興につなげてまいりたいと考えております。  最後、11点目、高等技術専門校の検討状況でありますが、雇用情勢が改善し、中小企業の人材不足が課題となるとともに、高等技術専門校において応募者が減少していることから、県内企業の人材確保および入校生の確保に向けて、求職者ニーズ、求人ニーズに基づいた訓練科の再編を進めております。  再編に当たりましては職業訓練指導員の養成等を行う必要がありますことから、順次行うこととし、平成31年度からは機械加工や溶接作業ができる多能工の養成を目的とした訓練、平成32年度からは、ものづくり分野で女性の活躍が見込まれるCADオペレーターや内外装等の住まいの環境改善ができる訓練、また、平成33年度からは、ICTを活用した工場内のネットワーク保守、管理等ができる訓練の実施を検討いたしております。高等技術専門校の訓練科を再編することによりまして、企業ニーズに応じた確かな技能、知識を習得した人材を輩出してまいりたいと存じます。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)どうもありがとうございました。聞いておりまして、条例ができてよかったなと、こういう思いでございまして、これからも条例に従いまして、地場産業、地場産品の振興にお願いしたいと思うんですが、1つだけ、一番初めに質問しました人材不足の分析で、部長から、有効求人の状況の中から分析されたと思います。  けさのこれ新聞なんですけども、ある経済団体が、ことしの春、新卒採用した中小企業のうち、計画どおりに採用できた企業36.8%、計画した人数に満たなかったのは47.7%、募集したが採用できなかった15.7%、こんな実は数字を見ました。  雇用情勢が要は人材不足のときに、こういった分析が非常に僕は必要やなと思うたのは、先ほど、窓口のハローワークでどんな求人が求められるか、これも大事ですけれども、実際に求めていた企業が予定どおりに採用できたというところの企業はなぜうまいこといったのか。できなかったのはなぜなのか。ここはこれからの求人をされる側の企業にとっては重要な話だと思うんです。  これは滋賀県だけじゃなくて、先ほど言いました商工会、商工会議所、中央会、いっぱいありますけれども、そういうところと協力をされて、もう少し深掘りの、ことしの春、人材不足の中でも求人がうまいこといったところの企業はなぜだったのかということ、そういった深掘りの分析をこれからするべきではないかということを一番初めの質問のところでちょっと思ったんですけれども、最後、これ、部長のお考えを聞いて、終わりたいと思います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  議員おっしゃった調査については、十分今のところできていないというのが現状でございます。  ただ、本県では中小企業に対してアンケート調査、700社を対象としたアンケート調査を実施しておりますし、商工観光労働部職員が企業訪問に赴いて、県内企業の生の声をお聞きするという場もございます。日ごろ企業や経済団体の皆様から人材確保についての声をいただいておりますものの、議員御指摘のとおり、まだ十分とはなっておりませんので、今後、新卒の採用動向などについても把握できるように、前向きに検討してまいりたいと思います。 ◆4番(加藤誠一議員) 終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、4番加藤誠一議員の質問を終了いたします。  以上で、本日の質疑ならびに質問を終わります。  明28日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時2分 散会    ────────────────...